映画.comのアプリで最新作をチェックしてしたら「サステナブル未来映画祭」というのをたまたま発見しました。ちょうど1D1U Camp in Sustainableも終わったところでしたので、その中にセレクトされていた『ビッグ・リトル・ファーム理想の暮らしのつくり方』をGoogleplayで視聴してみました。2018年製作のアメリカ映画で原題は『The Biggest Little Farm』です。
ある夫婦が、夢の農園を8年間かけてつくるドキュメンタリー映画です。ドキュメンタリーということは、この映画ができるまでも10年くらいかかっているということです。ご主人が、カメラマンとして25年の経歴を持つ方なので、映像を記録として残して、生態系の可能性に気づきだしたところから、映画化しようと思い立ったそうです。
この農園がどうできていったのか? まずは、自分たちの夢を語り、出資してくれる人が表れて、カリフォルニアに広大な土地を購入。それから農園のコンサルタントの指導を受けながら、農園の土壌ができていきます。やがて鶏やヒツジ、豚など、動物も住むようになり、その糞がまた肥やしとなり、土がどんどんよくなっていきながら、果樹園もできて…と、なかなかうまく行きそうな感じだったのですが、そうなると害虫や果樹園を狙う鳥、鶏を狙う野生動物…と、つぎつぎと問題も増えていきます。しかし、農業のコンサルタントは、そのうち完璧な形が出来上がることを信じて作っていると言います。しかしそのコンサルタントはガンを抱えており、農園が完璧なサイクルを描く手前で、亡くなってしまったのです。
そこから夫婦たちは、問題を機会点に変えていく視点で、害虫を退治するのではなく、それを生かす方法を考えることができるようになります。すべてを注意深く観察し、その密接な結び付きに目を向けて理解することが必要不可欠ということです。
大量のカタツムリには、鶏が効きました。アブラムシには、テントウムシですし、モグラには蛇・・・そうやって、自然と均衡が取れていくようになっていきました。そうしたら、完璧な農園が出来上がったのです! それは感動的な結末でした。
映画の公式HPに以下のコメントがありました。
Q:これから観る人に望むことは何ですか?
若い世代の人にもこの映画を観てほしいです。楽しい場面ばかりではありませんが、若者へのメッセージも込めて作りました。観客の皆さんに、自然との共生が無限の可能性を与えてくれるということが伝わればと願っています。こうした自然の能力は、数十億年に及ぶ進化の過程で完璧に磨き上げられてきました。そして、どんな時も私たちのために機能しています。それに気づけなかったのは、私たちが他のことに気を取られすぎていたからかもしれません。また、本作が農業の1つのやり方を推奨したり、これが唯一の道だと押し付けたりするものだと受け取られるのは不本意です。むしろ、自然は私たちに多くの答えを教えてくれるということを信じてもらえるきっかけになればと心から願っています。
自然に逆らうことなく、自然に従っていれば、やがて完璧になっていく。自然が多くの答えを教えてくれる。緑や木々などの自然だけでなく、宇宙のあらゆる自然なものにも、そんな力があるのではないかと思います。問題を機会点に変えていく視点。問題なんてなかった。そんな境地になりたいものです。
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