相手の幸せの形を理解する。

 母親が、色々言ってくるから、いつも結果報告しかしない。という方も少なくありません。私もそういうタイプでした。20代半ばなどは、人生の決断がたくさんありましたが、何かをいうと「そんなことできるの?」「大丈夫?」と言われるのが面倒くさいので、結果報告だけになってしまうのです。結果報告だって、言うのはとても苦痛ですよ。だけど、言わないともっと疎遠になってしまいますから、自分の決定で自分が満足している状態について、と、親も安心できる状態と言うのは何か?と、わざわざ理由集めて、やっと、言うのです。


 独立するときなんて、そりゃ大変ですよ。給料が定期的に入ってこないのですから。ここを納得させるために、いろいろとしました。その頃は、色々言われたくないので、あまり親に会わないようにしていましたし、私のブログなんか、見てもらいたいと思ったこともありませんでした。


 でも、「独立する」と大方決まったときに、もし給料が入ってこなかった場合、親に助けてもらえるように(笑)やはり、言わなくてはいけないと思いました。
メンターがいること、自分のオリジナルバッグが売れていること、セミナーをすでに始めていて、皆が応援してくれていること。人気ブログランキングで1位になったこと。お店のセールスが上がったこと。たくさん、安心材料を伝えました。そんなことを言いながらも、一番不安であったのは、私ですが。(笑)で、結局一番安心してもらえるだろうと思った策は、親にセミナーに来てもらうことでした。私は、独立する前に、まずは「父」を呼びました。父には、「ビデオを撮ってほしいから」という口実でした。母は、父のあとのセミナーに来てくれました。セミナーが終わった後に「あなた、メモしたわよ」と母が私に一言。母の手帳には、私の名言(笑)らしきものが、メモしてありました。

 そうそう、やっぱり親って言うのは、なんだかんだいって、子供の決定を応援したいのだなぁって思えちゃったのです。だから、親VS子供って図式、どの親子もならないのではないかと、仮定しました。


 先ほどのクライアントさんは、ピアノを3歳から20歳までやっていたそうです。「母親がうるさいから継続できた」と言っていました。どちらかというと「好きじゃないけど、うるさいからやったのよ」というようなニュアンスに聞こえてきましたが、私が思うに「お母さんは、子育て達成欲がものすごいあるひとなのですね」と思いました。


 また、そのクライアントさんは、子供の頃は、委員長とか学校でも目立って活躍することが多かったらしく、先生や、親戚の人たちからも「何でもできる子ね」とよく言われていたとか。今は、親に連絡事項しか、話さなくなってしまったようですが、その頃のお母さんの気持ちに立ってみると、そのクライアントさんは、随分お母さんを喜ばせてきたのではないかと思いました。だから、子育てしながら、子供に喜ばせてもらったことをいっぱい持っているお母さんだからこそ、今ももっと子供のことを知りたいと思っているけれど、たまにしか言ってこないことが、もしかして寂しくなって、決定事項だけを伝えるときに、「大丈夫なの?」「なんで、そんな決定をしたの?」と怒ってしまうのかもしれませんね。きっと心配したい現れだから、「いつも心配してくれてありがとう」と一言こちらから言えるようになれば、もっとコミュニケーションも普段からとりやすくなって、また、何か言ってきたとしても「ああ、私のことを気にかけてくれているんだなぁ」と理解できれば、まあ、それはそれで、ありがたい話だと思えて、段々と親の方も自分の決定をただ、応援してくれる人になっていくのだと、自分の経験談からそう思います。


 私が、親の立場を理解することに役だったものとして、子育ての本を読むことでした。
子供がいなくても、いや、むしろいないうちから読むっていうのも、いいものですよ。
このブログでも、何回か紹介していますが、「子供へのまなざし」はお薦めです。


 親のことを理解することができるようになると、色々な人のことも理解できるようになると思います。そのクライアントさんは、友達に「わかりあえないね」というセリフを言われてしまったことがあったそうなのですが、「わかりあえる」ってどこなのでしょうか?
きっと、ずっと「わかりあえない」のかもしれません。自分のことだって、ずっと「わからない」のですから。でも、わかるところまでわかればいいのだと思います。
「・・・・さんは、そう言うのが幸せと思っているのね」と、相手の言葉を受け取りました。というところまでは示すことはできるのではないでしょうか?私は、それで十分だと思います。


 「相手の幸せの形を理解する」ことは、本当に大切なことです。私は、コーチの仕事を通して、そのことについて、修行してきたのかもしれないと感じています。わかるところまで、わかろうとするその気持ちだけ十分、相手に寄り添えているのかもしれません。



今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

相手の立場を想像してみると何が見えてきますか?