17歳がAIとの対話で「共感力」に辿り着いた話
昨日、姪っ子からLINEが届きました。
ChatGPTとの長いやり取りを、スクリーンショットで送ってきたのです。
枚数にして、かなりの量。
8枚、4枚、10枚。
合計すると、なかなかの長編です。
「感想が聞きたい」
そういうことなのだと思いました。
そこで私は、そのスクリーンショットをChatGPTに読み取ってもらい、文字起こしをしました。
そして、その文字起こしを自分で耳で聞きました。
まずは、彼女がAIとどんな対話をしていたのか、流れを把握したかったからです。
17歳が辿っていた問い
テーマは、美容整形、承認欲求、フェミニズム、社会、共感力。
17歳が考えるには、なかなか重たいテーマです。
でも読み進めていくと、ただ難しい言葉を並べているのではなく、自分の違和感をちゃんと辿っているのがわかりました。
美容整形には反対。
でも、整形によって救われる人もいる。
承認欲求は人間にある。
でも、それを煽る社会構造はおかしい。
弱者は弱者のままで、強者は強者のままで、どう共存できるのか。
正解をひとつに決めることはできない。
なら、最後に残るものは何か。
そうして、彼女が最後に辿り着いたのが、
「共感力」
でした。
自分が相手の立場だったら、どう感じるか。
その人の人生だったら、どう思うか。
どうされたら嬉しいか。
どうされたら悲しいか。
それを想像すること。
私はそれを聞いて、かなり驚きました。
私が36歳くらいで辿り着いた答えに、彼女は17歳で触れていたからです。
共感と、共感的理解
もちろん、同じ経験をしていなければ、本当の意味で共感することが難しいこともあります。
だから私は彼女に、
「共感的理解」
という言葉も伝えました。
同じ経験をしていなくても、相手の立場を想像しようとする。
相手がそう考える背景を理解しようとする。
完全にはわからなくても、近づこうとする。
それもまた、共感のひとつの形なのだと。
文字起こしが、ポッドキャストになった
せっかく文字起こしをしたので、私はその内容をNotebookLMに渡しました。
すると、20分弱のポッドキャストができました。
彼女とAIの対話が、ひとつの音声番組のようになったのです。
それを姪っ子に送りました。
夜中の2時ごろでした。
朝、LINEを見ると、スタンプが返ってきていました。
「イェーイ♪な気持ちである」
そんなスタンプでした。
嬉しかったのだと思います。
自分の考えをちゃんと読んでもらえた。
面白がってもらえた。
価値あるものとして扱ってもらえた。
それは、きっと大事な経験です。
AIを、思考の相手として使う
AI時代になって、対話の形は変わりました。
大人でも、AIをここまで深い対話の相手として使えている人は、まだ多くないかもしれません。
でも彼女は、ChatGPTをただの検索道具としてではなく、自分の思考を進める相手として使っていました。
問いを投げる。
返ってきた答えに反応する。
違和感を出す。
また考える。
別の角度から見る。
そして最後に、自分の言葉に辿り着く。
これは、AIとの対話によって「思考の持久力」が育っている状態なのだと思います。
人間同士の会話では、ここまで長く考え続けるのは難しいことがあります。
相手に気を遣う。
途中で話題が変わる。
重すぎると思われる。
結論を急がれる。
でもAIは、かなり長く付き合ってくれます。
もちろん、AIがいつも正しいわけではありません。
でも、問い続ける場としては、かなり大きな可能性があります。
彼女が見てきたもの
姪っ子とは、これまでいろいろな時間を一緒に過ごしてきました。
勉強を見たり、美術館へ行ったり、作品の前で感想を話したり。
ゴッホ展に行ったときは、絵そのものだけでなく、ゴッホがどのように生き、何を感じながら描いていたのか、そんな背景も一緒に見ました。
私がChatGPTを使っているところも、彼女はよく横で見ていました。
音声で話しかけたり、文章を作ったり、考えを整理したり、AIと一緒に何かを形にしていく様子を、かなり日常的に見ていたと思います。
そのうち彼女も、
「有料版を使いたい」
と言うようになりました。
最初は、まだ早いのではと思ったのですが、今では自分のバイト代でChatGPTの有料版を使い、かなり自然にAIと対話しています。
今回送られてきた長いやり取りを見て、私は少し驚きました。
AIを、ただの検索道具や答えを出す機械としてではなく、自分の思考を深める相手として使っていたからです。
背景を見る力
いま思えば、それもまた「共感的理解」の練習だったのかもしれません。
人を見る。
作品を見る。
背景を見る。
その奥にあるものを想像する。
そして今、彼女はAIと対話しながら、自分の言葉で世界を見ようとしている。
これは本当にすごいことだと思います。
AI時代に大事なのは、プロンプトを知っていることだけではありません。
どれだけ問い続けられるか。
どれだけ自分の違和感を言葉にできるか。
どれだけ相手の背景を想像できるか。
AIは、その人の思考の深さにも応答します。
彼女の対話を見て、私はそんなことを思いました。
17歳で、世界の矛盾を笑いながら見ている。
でも最後には、共感力を大事にしたいと言う。
それは、今の時代を生きる若い人の、ひとつの希望の形なのかもしれません。
夜中の2時にできること
そして私は、夜中の2時にその対話を文字起こしし、ポッドキャストにして送るおばさんでありたいと思いました。
大人ができることは、正解を渡すことではないのかもしれません。
その子が考えたことを、ちゃんと受け取ること。
面白がること。
価値あるものとして扱うこと。
そして、
「あなたの考えには、ちゃんと意味がある」
と、形にして返すこと。
それだけで、人は少し、自分の言葉を信じられるようになるのだと思います。
Art of Being |堀口ひとみ
0コメント