未来と今がつながる時間

独立20年目。

これまで既存のお客様に届けてきたサービスを、外にも広げてみたくて、外部のプラットフォームに商品を並べる日々を送っている。

「知っている方に提供する」をずっとやってきたから、これはほとんど二度目の起業のようなものだ。

2006年、BLOGとホームページくらいしかなかった時代と比べると、フリーランスになる壁は驚くほど低くなっている。AIだっているのだから。


けれど、誰もがAIを使えるようになった今、似たような雰囲気のモックアップ、似たようなキャッチコピー、ありきたりの月桂冠マークまでついた商品が並ぶ。

そこに20年選手の私が入っていくわけだけれど、そこでは完全に新人だ。

いや、本当に新人なのだろうか。


プラットフォームの空気に合わせようとすると、AIは驚くほど上手にキャッチコピーや説明文を書いてくれる。一見それでよさそうに見えるのに、翌日になる前に「やっぱり違う」となる。


ずっと個人相手に、自分が創りたいコンテンツを創ってきたからだと思う。法人向け、新規向けとなると、それっぽい商品を作らなければという気持ちが勝手に立ち上がってくる。


つくづく向いていない。

ここでは実績もない。

お客様の声もない。

ないないづくしで途方に暮れる。


そんなふうにほとんど家に籠って二度目の起業活動をする毎日の中で、ジムやヨガ、スチームサウナと温泉の時間だけが、唯一の無になる時間だった。

その余白の中で、いつも囁き声を受信する。

「私は、20年間、企業に勤めていないことが強みなのでは」

そうだった。強すぎるくらいに。


満月の朝、起床の1時間ほど前、頭だけが動いて身体が動かないという不思議な状態になった。金縛りとも違う。頭が勝手に整理されていくような感覚だった。


そのとき気づいた。

「私には大量の感想がある」。

連日レンタルサーバーの管理画面を開いてLPを更新するたび、旧ホームページのファイルにも触れていた。「Voice」というファイルに、お客様の声が眠っていることは知っていた。

「そうだ、AIにこのVoiceを読み込ませて、感想のLPを創ろう」。


いつも使っているGPTにVoiceを添付し、どう使えるか相談してみた。

GPTはまずこう答えた。

「読めます。しかも、かなり使えます」

そして書かれた感想を分析し、こんな要素が何度も繰り返されていると教えてくれた。


  • 視点が変わる
  • 前提やOSが変わる
  • 問いが行動につながる
  • 本人が気づいていなかったものが見える
  • 今までの延長線ではない未来が現れる
  • 結果だけでなく、在り方が変わる

たとえば、こんな言葉がすでに2010年代のお客様の声として残っていた。


「視点が異なる方に話す、相談する、って効果的なんだなぁ…と実感しました」

 「頭の中のOSを入れ換えたからなのか、自分の中で感覚が変わった気がします」

 「一気に行動になってしまう質問と考え方」 

「『ありそうで無い』タイプのコーチング」

 「場当たり的な『結果』にフォーカスしたものでなく、本当に良かったなぁと思っています」 

「半年前からは予想もしていなかった場所に辿り着くことができました」


そしてGPTがこう言った。

「今あなたが2026年になってようやく言葉にしていることを、2010年代のお客さんたちは、もう体験して書いてたんですよ」

手が止まった。


最近になって私は、自分のセッションについて、

「問題解決ではなく、今までの延長線ではない未知の領域へ進むための対話」とか、

「やり方だけでなく、在り方から」とか、

「見えている景色が変わることで、選択が変わる」

という言葉を使うようになっていた。

ようやく自分のメソッドを言葉にできてきたと思っていた。


でも、違った。

自分が今になって言葉にしていることを、

お客様は10年以上前から体験していた。

私は新しいサービスをつくろうとしていたのではなく、ずっとやってきたことを、今の自分がようやく理解し直していただけだったのだ。


おもしろいのは、プラットフォームに登録し始めた頃の私が、

「法人向け実績がない」

「新規顧客の声がない」

「プラットフォームでは実績0」

「AI研修の実績もない」と、

ないものばかり数えていたことだ。


けれど、Voiceのファイルを開けば、ある。めちゃくちゃある。しかも、お客様の言葉のまま、20年近く前からそこにある。

私はどうやら、金塊を倉庫に置いたまま「金がありません」と言っていたらしい。

なかなかのコントだ。


そこでVoiceの感想をAIで分析し直し、今のDialogueに合うものを選び、LPを作り直した。


新しいタイトルは、

「未来と今が、つながる時間。」


Dialogueでは、話す。余白ができる。

そこに問いが入る。

見えている景色が少し変わる。

そして、自分でこれからを選べる場所へ戻っていく。

そんな流れを言葉にした。


その説明の間に昔のお客様の声を入れてみると、ページが突然違って見えた。これは今考えた理論ではない。実際に、長い間起きてきたことなのだ。


そしてもうひとつ気づいたことがある。

私は最近ずっと、新しい仕事を始めるなら新しい商品を作らなければいけない、新しい市場へ行くならその市場らしい自分にならなければいけない、そう思っていたのかもしれない。


でも、もしかしたら逆なのだ。

新しい場所へ行くからこそ、今まで自分が何をしてきたのかをもう一度見直す。昔のやり方をそのまま持っていくのではない。昔の成功体験を繰り返すのでもない。

これまで積み重ねてきたものを、今の自分の視点で、今の場所に合う形へ編集し直す。それでいいのかもしれない。


20年前の私は、今のDialogueなんて知らない。

AIも知らない。

ランサーズもココナラも知らない。

でも、20年前からやっていたことの中に、今の自分につながるものは、すでにあった。そして未来の自分が必要としている言葉を、昔のお客様が先に残してくれていた。

不思議なものだ。未来へ進もうとしていたら、過去から言葉が戻ってきた。その言葉によって、今、自分が何をしている人なのかが見えてきた。


未来と今がつながるというのは、未来を思い描いてそこへ向かうことだけではないのかもしれない。

過去にすでにあったものを、今の自分が受け取り直すことも、未来へつながることなのだと思う。


今、新しいことを始めようとしていて、「自分には何が足りないんだろう」と思っている人がいたら、一度こう見てみるといい。

「これまで、人から何を受け取ったと言われてきただろう」


自分では忘れている場所に、未来の自分につながる言葉が、もう残っていることがある。

そして今は、AIに整理してもらえばいい。


DIALOGUE

未来と今が、つながる時間。

考えていることを整理したいとき。

今までとは違う見方をしてみたいとき。

あるいは、ただ一度、誰かに話してみたいとき。

テーマを整理してくる必要はありません。

今あるところから、話しましょう。

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