自然にターゲットは変化していく。

 あるクライアントさんが、自分のビジネスをこれからスタートさせるにあたり、「ターゲットを誰にするか?」で悩んでいるようでした。自分のこれまでの体験をシェアすれば、自分の体験と似たような人たちが集まり、自分の経験もお客様に生かせるかもしれません。

 そして、マーケティング的に考えれば、自分の過去の体験や専門的なことをアピールして、打ちだすようにとよく言われるのだそうです。「あなたのターゲットは誰ですか?」と。そんな質問を周りの人からよくされるようでした。

 私も15年前、そんな話をよく聞いたことがありますが、違和感でしかありませんでした。過去の体験でしか人の役に立てないなんて、なんて狭いのでしょうか。これからだって、体験や勉強は続くのですから。

 とはいえ私の過去の発信も、マネジメントやセールスアップに関してしか書けませんでしたから、「販売員、店長、独立をしたい人」が、お客様として多かったです。しかしだんだんと、販売からも店長からも、時間とともに私から距離が出ていくわけで、そこを打ち出すことはもはや不可能になっていきました。

「これから本当の傾聴ができるようにならなくてはいけない」。そんな風に思い始めたと思います。それでメンタルケア講座で学んだり、本を読んで新たなる傾聴のスキルを実践してみたり、同じ傾聴の仕事をしているセラピスト、メンタルトレーナー、スピリチュアルカウンセラーの知人から学ばせてもらったりもしました。

 そうすると、発信の内容も当然変化するとともに、自然にターゲットは変化していきました。ひとり旅で与論島に行ったことを書いたブログを読んだ方に、コーチングを申し込まれたこともよくありました。

 私のコーチングを申し込むクライアントさんは、以前と今とは全く違います。アパレルの発信は何もしてないですからね。今は、すべての人間に必要なことを発信しています。(笑)

 なので、「変わらなきゃ」と激しく思う出来事が起きたときに、私は思い出されるのです。