言葉よりも態度に本心は現れている。

 年も変わったタイミングで半年ぶりにセッションの予約をいれてみることにしたようでした。ここ半年間の間に、色々な方法で自分観察をしてきたけれど、結局問題点は同じところに戻ってくるようでした。
 以前のセッションで決断がこれで正しいのかどうか? と、こちらに確かめてきたクライアントさんに「私が決めるのではなくて、ご自身が決めることですよ」と私は言いました。そのときに、「決めることができない自分」に気付いたとおっしゃっていました。ですので、今回のセッションではいつもよりも沈黙のままでいることにしました。クライアントさんがご自身で話しながら、自分のことを客観視して、自分で気づけるだろうと思ったからです。

 だんだんと、頭で思っているよりも、やっていることのほうに意志があることが見えてきました。選択の一つ一つを丁寧に観察してみると、自分がしたいように行動に移しているではないか、ご自身が気づいたのです。

 頭で思っていることと、やっていること(事実)に違いがあったのです。言葉よりも態度に本心は現れていました。例えば、頭では許していないと思っていたけれど、態度では許している態度をとっていたということです。
 
 ということは、頭で考えていることを「真実」と思い込むよりも、実際にしている行動を「真実」として認めていくことで、自分の気持ちは見えてくるのではないでしょうか。頭でっかちになっていて、行動していることを見落としていたということが見えてきました。ずっと変わっていないと思っていたクライアントさんでしたが、変わっていることに気付けた瞬間でした。





 それから、「これから成長をしていくこと」についての話にもなりました。

「成長をしなくてはいけない。そう思うと自分がダメだと認めなくてはいけないのでつらい」そう考えてしまうから、決めることから逃げてきたと言います。

 しかし実際はどうでしょうか? この日のセッションの直前も決断の連続で、ただ「スーパーへ行こう」「休みだったから、代わりに…しよう」「そこで…に遭遇したから、…しよう」と、その場に応じて何かしらを決定していっただけで、面白い朝になったとおっしゃっていました。

 クライアントさんは、「自分が心地いい方を選んだ」そうです。決めるところで心地よい方を選べば、きっと決めた後も面白くなるでしょう。なるべくしてなるのです。普段の生活の中で、「決めた後に起きること」の事実を認めていくことができるようになれば、自分の決定に自信が持てて、もっと決めやすくなるのではないか? と自分の行動を自分で観察してクライアントさんがご自身で気づかれていきました。決定した後のことを思い描いて決定するよりも、選ぶ時点で心地よければ、きっと結果もいいものになるのです。

 頭で思っていることよりも、事実を見たほうが嬉しくなることが多い気がいます。相手から評価の言葉を貰うのを待って自分を確認するよりも、自分でやったことを自分で認めたり、相手のしてくれたことに愛を自分で感じたりすることができれば、幸せな心でいられるのではないかと思います。