「これ意味あるの?」となっていた勉強会をどう満足いくような会にするか?

 定期的にピアノの先生仲間で開催している「勉強会」があるそうで、クライアントさんが今回の担当になられたそうです。そこで「みんなが参加して良かったと思う勉強会にする」というテーマでのセッションとなりました。

 回数を重ねながら「やっていることがすこし違う?」と、そんな雰囲気になってきているのだそうです。これまでは、コンサートや講座などへ皆で勉強しに行く、みたいなことが主な内容だったとのこと。一緒に行っても、あとからディスカッションも特にないし、それならば1人で行くのと変わらないのではないか。回数を重ねているわりに、わりとそれぞれの人のことも知らなかったりもするそうでした。

 「テーマをどうするか?」まずはクライアントさんが考えていることを話してもらいました。

 「指導の仕方や、どんな気持ちでレッスンをしているのか?方向性を知りたいとか…」つまり、悩みが解決したり、新しい知識を知りたいという目的です。

 現状をお聴きして、私が感じたことをフィードバックしました。
「勉強会というか、できていないところをどうにかしなくてはという反省会のようですよね。それでは楽しさがあまりなさそうですが…」と。

 するとクライアントさんは、「確かに、できていないところを指摘するということが目的になっていますね…」とおっしゃいました。
 どこにフォーカスするかで、180度変わるものなのです。例えば会社で「反省会」的な会議ばかりが続いたら、みんな気が重いですよね…。でも、なかなか裏側は見えにくいものです。


 「今回の主旨はなんなんの?名刺交換で終わり?!」みたいな会に私も参加したことがあります。1回目はいいのですが、2回目、3回目と人が減っていきました。そのような会に、私は時間もあるし断る理由もなかったので、同期に会いに行くという目的にして、続けて参加していたら、まさかの幹事の一員を頼まれてしまいました。
 
 ミーティングも開かれました。私は最後まで口を開かなかったことを誰かに指摘されました。(笑)みんなよくしゃべるからです。でもそれこそが、この会を変化させるポイントとなったのです。
 結局、「何をしたら、みんなが満足するか?」をメンバーで共有したことで、結局その会は大成功し、FBに写真や動画なども掲載したら、「楽しそう!今度は行きたいです!」というコメントもいくつも頂けてホッとしました。 種明かしをすると、「全員に発言の場が1分でもあること!」を裏テーマにしたということです。

 この日の前日、たまたまネットで『マツコの知らない世界』の放映がアップされているのを視聴しました。クラシック好きの夫婦が、どうクラシックを楽しんでいるか? という光景があったのですが、音楽がバックで流れながら、「ここここ!ここがいいよね~」とかマニアックな話をされており、マツコさん、ポカーンみたいなシーンが面白いなと思いました。
 きっと、ピアノの先生同士ですから、マニアな話をそれぞれがシェアするだけでも、かなり面白い勉強会になるのではないかと、クライアントさんに提案してみました。

 つまり、ピアノが好きな理由を話してもらったり…というような、エネルギーがアップすることにフォーカスするようにしました。反省会だと、エネルギーをどちらかというとロスしていることになりそうです。

 エネルギーがアップするとき、「自分たちはある」という発想からきているからです。自分の内側から引き出される感じこそが、エネルギーが高くなるときなのです。

 今までの勉強会は、「自分たちにはない」ところから発想が生まれているのです。そのため、段々と違うのではないか? とか、参加する意味がないのではないか? という風になんとなく皆も思い始めてしまっていたというわけです。

 会話でもそうです。指摘ばかりされるとテンション下がりますが、自分の中にあるものを引き出されたときは、エネルギーが内側から湧いてくるものです。

 次回の会は、そもそもの自己紹介からしたらどうでしょうか。「好きなこと、研究していること、ピアノと私」というテーマで話してもらうのです。そのなかから、次回プレゼンをしてほしい人を決めることもできるでしょう。

 「どうしたら満足できるか?」を改めてまとめてみると、「悩み、問題点がクリア。予定調和でない楽しさ。自分のアウトプットができたとき」ということが発見されました。

 クライアントさんの担当者としての役割は、テレビの司会者のように、皆さんのいいところを引き出していく役割ができればベストでしょう。

 「好きなこと」に目を向けたことで、クライアントさんも話しながら声の温度が上がっていくようでした。楽しいことならイメージもありありと浮かびますね。セッションの最初は、気が重かったクライアントでしたが、終わりには、上手くいくイメージが見えて、楽しみに変化していました。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

反省会で、「ない」ところばかり探していませんか?