わかってるけどできない、行動したいけど行動できない正体。

 何をすればいいかは、わかっているけれど、行動に移せないことがあります。私がコーチになり始めた頃、「何でわかっているのに出来ないだろう? どうすれば、そのような状態をブレイクスルーして、人は行動できるのだろうか?」と、初めて疑問に思いました。私は、そのような停滞感をほとんど抱いたことがなかったからです。
 しかし、そこを解明できなければ、私のコーチングの幅も広がらないと思ったので、気持ちと行動の相互関係に着目し始めました。最初に思ったのが、「部屋の片づけ、掃除状態は、心の状態を表わす」ということでした。約10年前のことです。

 昨日「転職先が決まりました~!」と、昨日の記事とはまた別のクライアントさんから朗報が届きました。面接は全く落ちる気がしないほど、だったそうです。前日に、旦那さんから模擬面接を猛特訓され、デジャブかのように、生かされたとのことでした。
 2か月前にセッションのご依頼を頂きましたが、別人のようです! 「周りの人に振り回されず、自分に集中できてきている」状態になったところでしょうか。
 自分に集中できているほど、セッションでも周りの人の話は出てこなくなり、自分がどうするか? の対話が主になっていくのです。不安状態から行動状態へと進んでいるということです。

 不安状態から行動状態に至るまで、こちらのクライアントさんに何が起きていたのか? ポイントを振り返ってみます。

◎9月:人から上から目線な発言をされたと感じ、自分も上から目線だったことが、ストレスを返って生んでいたことに気づく。でも、なぜそうなんだろう?

◎10月:自分がいくら頑張っても、できない仕事があるということ、一方、自分が頑張らなくても楽しく、どんどん進めたくなる仕事が存在することにも気づく。
「自分が努力して頑張れば、大抵のことはできるようになる」という信念が、逆に自分を苦しめていたことに気づく。そしてそれは、親の口癖であったことに。今まで色々とチャレンジはしてきたが、それは返って自分を苦しめていた。今後フォーカスすべきところは、自分が努力と思わなくても努力出来てしまうことに取り組むことが、人生を幸せにする鍵であるということが、腑に落ちたこと。そして、それが何であるか? 掴み始めている。

◎11月:日々の生活の中でフォーカスするものが変化したことを実感し始める。転職活動を始める。これからは、もっと自分の質を上げていきたいというところに、自然と目が向くようになる。1社受けていたところに内定する。

 クライアントさん、3回目の90日コーチングです。ひとみずむも2回書いてくださっています。コーチングを受けるたびに、仕事を辞めたり、出産したり、なにかと転機が訪れるクライアントさんです。今回の考察の質問集にこんなことが書いてありました。

■最後に、コーチング・プロセスについて、質問や心配事がありましたら記入してください。
 これまで、コーチングを受けるたびに仕事を手放してしまいましたが、今の仕事を手放すとマンションを売らなくてはいけないので(!)収入のアテがないのに辞めることにだけはなりたくないです!(笑)

 9月の発言どおりにはならなかったようですが、(笑)手放すことで、もっとおおきなものを手に入れられたのではないかと思います! 
 転職先が決まったとのメールを拝見し、私も「よしゃー!」と叫んでしまいました。(笑)コーチの喜びって、そういうところにあるのだなと、改めて感じた瞬間でした。


 さて、冒頭の疑問です。行動力の差は、「できる可能性」を探せるかどうか? にかかっているのです。時間が解決していくこともあるかもしれませんが、自分の行動を妨げている、ブロックしているものの存在に気づいて、取り除き、できる可能性を探せばいいということに気づいてしまうことが、自己実現のスピードを速めてくれることでしょう。

 つまり、そもそも「可能性がある」という側面について、わかっていないということなのかもしれません。可能性の方向に向いて、何をするか? について、探していけばいいのです。そこへ辿りつけるために、自分の思考を丁寧に見ていくということです。一度、精査することができれば、それは一生ものになるのです。いつでも可能性を探せる思考になってしまえばいいということです。