やろうかどうかを考えるよりも、やることを決めていくこと。

 自分のやりたいことに集中するために、最近、会社員を辞めた30代のクライアントさんとのセッションでした。まずは家族と一緒に過ごす時間や海外旅行へ行き、ゆっくりと1カ月ほど過ごしたようです。

 その後、パートナーがいると言えども、やはり自分がこれからやりたいことをするために、お金も必要だろうと、また職を探そうとしてしまったそうです。今度は、自分のやりたいことに近いことを見つけたと一瞬思ったようですが、冷静に考えてみて、また同じような仕事内容を選ぼうとしているじゃない・・・と、踏みとどまったそうです。

 そう色々悩んでいたので、もっと内面の問題かもと、心理学系のワークショップや他のコーチのセッションも受けてみたようなのですが、共感力は高いけれど、先に進む話にならなかったことから、やはり行動することを考えた方がいいと思い、私のセッションを申し込んだようです。これまでも何回か単発セッションのご依頼を受けているので、背景も知っています。


 まずは、フォーカスするところを決める話になりました。考えすぎてしまうのは、もっと内面の問題かもしれないと思い、ワークショップなどにも幾つか参加されていましたが・・・・。
 クライアントさんの思考の傾向として、「自分は何をしたいのだろう?」ということを先に決めてから、行動すべきだという思いこみが見えてきました。周りの人たちに「自分は何をしたいの?」と結構問いかけられたようなのです。私からしてみたら、「すでにしたいことは決まっているのに・・・」と思って聴いていました。

 思考を変えるには、問いを変えること。行動することベースにアイデアを練っていく質問に変えればいいのです。行動状態の人がする質問は、「どんなキャッシュポイントが考えられるか?」です。

 やろうかどうかを考えるよりも、やることを決めていくことです。やることが決まれば、人にどう伝えていくかも見えてくるでしょう。

 「キャッシュポイントはできるだけ多い方がいいですよね。まずは、教えるとしたら、何ができるでしょうか?」と、具体的に質問を投げかけていきました。

 クライアントさんは、料理系の資格をお持ちです。特に、オーガニック系に特化していきたいというのが、最初に思いついたことでした。その思いついたことから、コンテンツのメニューを考えていきました。クライアントさんにとっては、自分のビジネスという立ち位置で考えるのは初めてのことなので、思考停止気味です。私の方から、ビジネスアイデアをどんどん提供していきました。

 「それ、楽しそう!!!」とクライアントさんの温度が上がっていきました。さらにメニューにするためにどうするか? を考えていきました。行動のハードルが下がるような私の経験談もシェアしました。

 しかし、やはり不安な気持ちは出てきます。気持ちの整理をする対話を挟みながら、また次のプランへと話が進んで行きました。

 発信スタンドとなるブログのコンセプトも、最初に「オーガニック」とクライアントさんがおっしゃったことで、軸が決まりました。セッションの前は、「ライフスタイル」と大きく考えすぎていたことが、収集つかない原因だったのかも、とご自身でも気づかれました。
 オーガニックについて興味があって、もっと深めてみたい人を相手にブログ記事を書いたらいいです。お客様の知識レベルを決めることも大事です。

 そのほか、クライアントさんが不安に思っていることについて、気持ちの整理もしていきました。だんだん心も決まってきたようです。一人で考えては、頭打ちだったクライアントさんでしたが、「ドキドキしてきました!」とおっしゃいました。ドキドキするところまで考えれば、仕掛けたくてしょうがなくなるのです。(笑)行動も促進されるでしょう。

 次回のセッションまでに、案内を作って集客を始める。まずは、1回目を成功させよう! とゴールが決まりました。60分前の不安そうな表情が、今や晴れやかに!

 最後にブログのタイトルの話になりました。クライアントさん、新しいタイトルを考えたそうですが・・・。「渋っ!」と思わず突っ込んでしまいました。ブログの説明をフランス語で書いていらしたので、それをタイトルにして、ブログの説明について、キャッチーな日本語が思いついたのでクライアントさんに告げると、「それ、頂いてもいいですか?」とおっしゃるので、もちろん、と。もっといいのを考えた方がいいかもしれませんが、(笑)またいいのが思いついたら差し替えればいいでしょう。

 多くのクライアントさんが、「自分でアイデアは練らなくてはいけない」と思いすぎている気がします。芸能人の謝罪会見は放送作家が考えているという記事を最近目にしました。私は、プロほどプロと一緒に創り上げているんだなと思いました。アスリートや芸能人などは、プロ意識という言葉は当たり前かもしれませんが、サラリーマンから自分のビジネスを持つという流れだと、自分が「プロ」になったんだ、とあまり意識せずに進んでしまいそうです。実際は、「プロになる」ということです。微に入り細にわたり、お客様には見えないレベルでのたくさんの努力が必要になるのだと思います。