【集客】自分を前に出すよりも、参加される方にとってどういうものになるか?

 ある外国人著者の方のイベントを企画中というクライアントさん。前回のセッションで、「結果にフォーカスして考えるよりも、著者の方を喜ばせる方向で考えてみたら?」と、視点を変化させて考えてみたところ、東京でのイベントは何をするかが見えてきて、集客もうまくいっているようです。とても楽しみになってきたとのことでした。

 一方、大阪方面の集客はいまいちなのだとか。東京とイベント内容が異なるというのもあり、クライアントさんとしては、全く新しいプレゼンをイベントを開催を協力してくれるところにしなくてはならないようです。既に、本、著者についてやどんなイベント内容なのか? などは、伝えているものの、向こうの反応がいまいちで、実際に参加者もまだ少ないんだとか。クライアントさんの声のトーンも低めで、自信なさげな様子がスカイプ越しからも伝わってきました。

 クライアントさんがターゲットにしたい層以外にも、可能性は十分あると私は感じたので、ほかにどんなカテゴリーの人が聞いてみたい内容なのか? イメージを膨らますことを手伝いました。
 その著者の方がアート系だからと言って、アート系だけとは限らない。本の内容からして、どうやって世界へ発信し、有名になれたか? というところも大きなポイントなので、起業したい人や、世界デビューしたい人なども、当てはまるのではないか? と意見を言いました。クライアントさん、全く見えていなかったご様子でした。

 そのほかに、その著者の方の本についても詳しく聴いてみたところ、パーソナリティもとても魅力的な人の様子です。そのあたりも、先方によく伝えられていないことだと、見えてきました。



 ここから、具体的にキャッチコピーを考えることも手伝っていきました。
「一枚で成功する商談の仕方とは?」、「自分の欲しい会社からオファーがくる方法」、「子供のころから好きなことを仕事にする方法」、「自分の作品を買ってもらう方法」、「あなたの絵、どう売りますか?」…など。

 私はそういうことをいつも考えているので、スルスルと言葉が出てきます。クライアントさんは、やはりそこも見えてこなかったようで、「なるほど!」とびっくりなご様子。

「要するに、『好きなことで、儲かりまっか?』ってことですよ!」と私が冗談で言ったときにようやく、セッションで笑いが出ました。(笑)

 クライアントさんと、私の視点の違いはどこなのか? 最後に整理をしていきました。

 まず、クライアントさんは、「こちらが、こんなことをします、あんなことをします」ということが主なプレゼンだったということです。私のベクトルは、「相手が何を知れば幸せになれるのか? 相手の知りたいだろうことをキャッチコピーにする」ということです。

 商人としては、自分側のことを話すよりも、「あなたは、こうなれますよ」ということを話すべきです。自己開示をすれば、パーソナルブランディングができるのでは? と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、私の考えとしては、自分を前に出すよりも、参加される方にとってどういうものになるか? ということを語るようにするほうが大切なことだと思います。

 セミナーをつくるときも、「この話がきっと必要な人は〇〇さんかな?」と、役立ちそうな人を数名想像して、それで、最終的に自分の話すことを決めています。 

「こちらの要件をわかりやすく伝えるということだけに注力してしまっていたことで、見えてこなかった」と、クライアントさんは、おっしゃっていました。

「イベントに来る人たちが喜ぶには?」が先で、そんな話をするのは、こんな私ですという順番で、考えてみると、相手にそそるプレゼンになるのではないかと思います。
 残りの集客期間は、できる限りのことをとにかくすること。結果にフォーカスしすぎずに、次のためにイベント企画スキルをパワーアップさせることを目標にすると、結果もついてくるものです。