自分の意見を守りつつ、相手の意見を尊重するには?

 90日コーチングの最初に今の職場だと給与もあまりあがらないし、従業員の評価に関しても不満があるので、もっと働きを認めてもらえるところに転職したいと言っていた人が、ひょんな流れでヘッドハンティングによって転職が決まりました。

 すんなりと流れたようでいて、実はいつも葛藤がありました。自分はこうしたい!というのがありながら、旦那さんや周りの人の意見にいろいろと流されやすいご様子だったのです。なので、セッションのたびに、自分の気持ちを確認していきました。そうしたら、今日はそんなご報告を受けまして、本当によかったと思いました。

 しかし、転職が決まったとしても、また周りの意見ぐらぐらしていました。
突然辞めることに関して、上司があまりいい顔をしていなかったり、円満に辞めるために、嘘も方便ということで、「異業種の転職が決まったと言った方がいいのではないか」と他人からのアドバイスを受けたり、直属の上司からは、「辞めることは私の口から言うので自分から言わないでください」と、くぎを刺されたり…。そんな周りの人たちがいろいろ言うので、自分は裏切り行為なのか?と、決まったのにお悩みでした。

 セッションでは、「自分はどう思うのか?」について、どんどん聞いて行きました。
転職先の気に入ったところはどこだったのか?とか、上司はそう言うけど自分はどう思うのか?とか…。上司の考えもありだし、自分の考えもありと言うことを一つ一つ確認をしました。だんだんと、答えて行くうちに、この選択でよかったのだ…となって行きました。 

 突然辞めることに関して、突然過ぎて迷惑だ、という上司もいるし、辞めるとなったら仕方ない。送り出してあげよう、と考える人もいる。だから、「上司は○○と考えているのですね。私は、●●と考えています。やはり考えは人それぞれですね」と返すのが、自然な感じがします。別に相手に自分の考えを押し付けることはしなくていいと思います。
ただ、あの人はああで、わたしはこう、と言うだけです。お互いにそう認め合えばいいのです。

 直属の上司も、引き継ぎのことや、周りの影響も考えて「私から言うので」という発言をしたのでしょうから、やはり人が辞めるとなると、色々大変だと思うので、とその辺りは配慮して、「はいわかりました」と協力すればいいのです。そして、「辞めてから何かあったらいつでも連絡してください」としておくしかないのです。

 「みんな人からの意見にぶれないんですかね?どうすればそうなれますか?」とクライアントさんから質問を受けました。

 自分の意見を守りつつ、相手の意見を尊重するとか、すぐに切り替えができるといいですよね。私も、コーチングを学び始めてから、そういうことができるようになりました。我の強いタイプだったので、自分がこうしたい!をよく貫き通してきました。ほぼ、貫き通すことでよかったと思いますが、未熟な点があったとしたら、相手を尊重することがもっとできればよかったなと今は思います。貫き通すあまり、相手を疲れさせたり、傷つけてしまったりしたこともあったでしょう。まあ、20代では、尊重の境地までは、全然見えていませんでしたし、そんな穏やかな考えがあることも知りませんでした。

 クライアントさんも自我が強いタイプと自覚されていて、自分の意見と相手が違うときは、自分の意見を言わないと気が済まないところがあるようです。でも、これからは尊重の考え方になりたいと、セッションで感じたようです。そうなりたいと思えば、そうなれます。

 尊重の境地は、訓練でだんだん慣れてくると私は思っています。
まず、その考え方のほうが、きっと相手も自分も楽だなって思えたのなら、もう1歩進めていることになります。あとは、実際に相手と話したり、意見を言い合ったりする場面で、「相手のことを絶対に否定しない」と決めることです。相手のことを絶対に否定しないで話ができるのか?というと、できてしまうのです。ありのままを認めたり、その人の言っていることをそのまま受け止めたりすることによって、相手が本当に自分で決めなくてはいけないなと自覚を持つのです。私は、説得できる人よりも、その人が自分で決めることを促せる人のほうが、難易度という点でうわてだと思っています。また、自分が常にそうありたいと思っています。

 「相手のことを絶対に否定しない」。まずは、そこからやってみると見えてくるもの、感じるものがあり、自分の内面でも何かが変化したと感じるでしょう。また、相手の出方も変わっていることにも気づけるでしょう。やってみないと体感できないですから、クライアントさんには、是非次のセッションまでに体感してもらえるといいなぁと思っています。

今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の意見は自分でちゃんと確認していますか?