自分の思っていることを率直に話すことについて。

「話していてまとまっていませんでしたが、
どんなことを話しても、ひとみさんが
うまく拾ってくれるなぁと感じました」。

 コーチングを初めて受けた方から、よく言われる感想です。あまり、人に悩み相談をしたことないという人はやはり多いようですね。

 そのつながりで、「自分の思っていることを率直に話すことについて」がテーマにあがりました。

 率直に話したら、相手にとって傷付ける一言になってしまうのではないか? とか、これを言ってしまったら、関係が終わってしまうのではないか? と、恐怖に思って、結局、何も言えなくなってしまうというパターンになるそうです。

 自分の感情を閉じ込めてしまう事があるのか?とお聞きすると、そんなことはないそうで、よく感動して、気持ちを出すこともあるそうです。

 でも、言いたいことは言えない。言葉を選んで、オブラートにして、言おうと考えているうちに、言いたいことを逃してしまって、結局相手には、「何を考えているか分からない」と言われてしまうこともあるとか。

 
 職場で、はっきりと部下に怒れる後輩のことを羨ましく思うとのこと。
自分も、相手に対して怒りたいことがあったら、率直に言ってもいいのかどうかと。

 まず、お仕事において、「怒る」というのは、例えば、「お客様にとっていいことか悪いことか」という共通の認識があるとしたら、その基準に対して、満たない事をしていたら、怒るというか、忠告すべきことだと思います。「目的」や「テーマ」があれば、率直に話していいことだと思います。
 子供のしつけに関しても、ルールに反する迷惑なことをしたら、それはしつけとして、怒ることもあるでしょう。

 となると、言いたいことが言えない悩みは、仕事以外のほうが、難しそうですよね。
自分と相手の「違い」が原因で喧嘩になることは割とあるのではないでしょうか。
「違い」ですから、「いいも悪いもない」ところです。そこで、ズバっと言ってしまうと、あとあと、関係がぎくしゃくしてしまったりするでしょう。

 「ひとみさんは、怒ってしまう時はどうしているんですか?」と、聞かれました。
 私は、とっても怒りんぼう、でした。(笑)自分はこうなのに、相手は何でこうするの?!と、ムスッとしてしまうことはありました。だから、違う人とは、付き合わないことで、スムーズに人間関係がうまくいっているのだと、勘違いしていました。

 しかし、仕事を通して、段々と、相手との「違い」が当たり前と気づけるようになりました。そして、「自分が怒っている」と分かったら、怒りが沈むまで待って、それから相手に対して発言をするようにしました。

 そうすると、相手の思いもちゃんと見えてきて、違う人とも関係をうまくいかせる事ができるようになりました。もっと慣れてくると、すぐに相手の思いを想像できるようになったと思います。


 そもそも、「怒りんぼう」だった私が、自分が怒っていることにずっと気づいていなかった…という、恥ずかしい話もあります。


 それは、6年前のこと…。母親から電話がかかってくると、「え、何?」と冷たく電話に出ていたらしく、友達に「お母さんからの電話の時、いつも怒っているよ」と言われました。

 「怒ってる」と、言われ、ムッとしましたが、すぐにハッと気づきました。
「何でだろう?」。
 また、いつもの心配が始まって、「よく考えなさいよ」と言われるのが面倒くさいから、はじめから、そっけなく電話に出ておけば、余計なことは言われないだろう、と無意識の中で変な計算をして、いつもそういう態度に出ていたことに気付いたのです。

 それからのこと、ちゃんと電話の内容を聞くようになりました。
すると、怒る内容ではない事の方が多く、単に母は私のことを気にかけてくれていたのだとわかりました。それが分かってから「いつも心配してくれてありがとう」と先に言うようになりました。その辺りからでしょうか、母親と向き合いだしたのは・・・。

 そして、向き合えるようになると、「怒り」を感じることが他の場所でも、無くなっていきました。不思議でした。身近なところが解決していないから、ほかでもイラっとしていたのでしょうかね。


 そんな話をクライアントさんにしたら、まさに、だったそうで…。
いつもの母親の面倒くさい話が始まるのを察知して、姿をくらますようにしていると言っていました。そういう自分のことが、ずっと気になっていたようでした。

 しかし、私の話を聞いたら、ちゃんと話してみようかな、とすぐに素直になられていました。「後輩が部下に率直に怒れるのが、羨ましくもある」と言っていたのは、まさに自分の向き合いたいという欲求の投影だったのかもしれませんね。
ずっと避けていたけど、本当はちゃんと向き合いたかったのでしょう。

 「やりやすい課題が見つかってよかったです」と、90日コーチングの1回目に、早速、取り組むことに嬉しそうでした。

 「一番言いにくいのは親でした」と、最後にクライアントさんがおっしゃったので、
一緒に笑いました。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

気になっている自分の態度のこと、何かありますか?

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