「自分らしいこと」は、夢中になって、感覚でやってしまうことの中にある。

 来月の講演のパワーポイントを作成していました。これまでは、接客や売り上げアップをテーマにした、ショップのスタッフ向けの講演ばかりでしたが、今回は、ある販売店を経営している経営者向けということで依頼を受けました。

 具体的内容としては、「やる気の出る言葉がけ」や「動きたくなる言葉がけ」を話してほしいということです。今年に入ってから、ビジネス誌で書かせていただいた内容の類ではありましたが、講演として話すのは初めてです。

 異業種からも学びたいとのことで、アパレル時代のエピソードも入れました。創りながら、今までよりも、より伝わりやすく話せそうな感触を得ました。日々のアウトプットをより深く追求してきたことで、説明できる言葉が増えたのだと思います。


 創りながら思いましたが、私の仕事というのは、自分の経験を箇条書きにできるほどシンプルに言語化し、シェアすることだなと。

 いつのまにか、そういう仕事であることが無意識にもインプットされているようで、何をするにしても、無意識でやったことを、その都度意識上にもってくることを習慣的に心がけるようになりました。

 ボイトレの先生も「今、どうやって歌った?」と、いい声が出た時に、そう質問して、無意識を意識上にさせてくれるので、質問のおかげで日々上達へとつながっているのだと感じています。せっかくうまくできたのですから言語化して、「どういう風にやったか」を再現できるようにすることが大事なんですね。

 無意識を意識上に持っていくことを心がけることで、格段に習得スピードが速くなった気がします。きっと、何か一つのことを極めていらっしゃる方々は、やられていることだと思いますが、私は、遅ればせながら、店長時代にそういう習得方法を身につけました。

 アパレル店長の時に、店のHPを初めて創ったことがありました。衝動的な感じでしたので、説明書をみないで、適当にやったら、なんとなく出来上がってしまいました。
その時に、後悔したのです。「どうやったか、全く説明がつかない!(笑)」と。

 そこから、そういうふうにやり過ごしてしまったら、もったいないなぁと思い始めたので、何をするにしても、少し戻って、どうやったんだっけ? と確認するひと手間を入れるようにしました。そうすれば、あとあと自分にとってもいいですし、やり方を話せるので、人の役に立てることも増えました。

 6年間のロングセラーで売れている接客DVDは、販売員の頃から将来に創る計画していました。独立したらDVDを創るから、販売員中に言語化しておこうと思って、新人スタッフに教えながら、自身のアパレル店長ブログのほうにアウトプットして、技をストックしておいたのです。なので、いざ、接客研修をしてほしいと頼まれたときに、ブログを見返すことで、パワーポイントに落とし込みやすかったです。

 「自分の得意なことは何だろう?」とか、「自分の好きなことを仕事にしたい」と思っていらっしゃる方は、「言語化」することの習慣化を意識されることで、得意分野がより明確化されていくと思います。

 私が独立するころ、マネジメントとかリーダーシップが得意分野なのかな? と思っていました。しかし、今考えてみると、それはただ、お勤め時代にやっていたこと、というだけです。今、思っているのは、「その人の存在価値をそのまま生かすこと」が私のやっていることです。子供のころから、そんなことをずっと考えていたようにも思います。だけどようやく、辿りついた感じがしています。

 大体、「自分らしいこと」は、夢中になって、感覚でやってしまうことの中にあるので、自分にとっては普通のことなのです。だからこそ、言葉に残してみる。

 私にとっては、このブログ自体が、自分が夢中になっていることの言語化の場です。自分にとっては、普通のことであり、ただ、自分のやったことを振り返って言葉にしているだけなのです。

 価値というものは、自分の感じたこと、考えたこと、経験したことそのもののことだと思います。自分にとって普通のことの中にあるのだと思います。

 そんなところが、人からしたら、普通が普通じゃないのです。言語化することで、すぐそばにある自分の価値に気づけるきっかけになると感じています。 
 映画の題名にもありましたが、「ありえないほど近い」のでしょう。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

大切にしていることは何ですか?