相手から何かを言われて、ひどく落ち込むとき、相手というよりも自分がそう感じる心を持っていることに着目する。

 以前に90日コーチングを受けられた方から、またご依頼がありました。『ひとみずむ』を読んで、自分に矢印を向けることが必要だと感じたそうです。
 今回の90日コーチングでは、自分ひとりのときも、相手がいるときも、リラックスできる自分になりたいということです。

 前回のセッションは、今年の1月のことでした。クライアントさんが、あの時は壁を作って、自分のことをちゃんと話せなかったんですと言っていました。
 
 私も、1月の感触は、なんとなく覚えています。あの時と今の自分では、アプローチの仕方が変化したと思います。今の方が、クライアントさんも気づかないうちに、問題の核心へと近付いていけるのではないかと思います。今春、夏にメンタルケアの講座へ行ったことで、もっと気持ちに寄り添うことの大切さに気付けたからです。


 クライアントさんが、「自分に矢印を向けることが必要だと思った」と言った理由は、いつも周りの顔色ばかり見ている自分に気づいたのだそうです。
 いざ話すときに何を考えているかわからないことが多いことや、自分は何を思っているのかを気にしたことがあまりないこと。今は、朝起きたら、胸に何かが詰まるような苦しさがいつもあるそうです。何か言いたいけど、相手を気にしすぎて、飲み込んでしまっているのかもしれません。

 相手に矢印が向いていると、「相手はこう言う人だから、こういう風に接して行こう」とか、分析結果をもとに対処法を考えて実行に移すことが必要だと考えることもあるでしょう。私は、このような対処法を一生懸命に試すことは、自分を疲れさせるだけだと思っています。

 相手の顔色より自分の顔色を気にすることでいいのです。自分が自分でいられることについて、考えて行くことです。相手から何かを言われて、ひどく落ち込んだ。それは、相手に原因があるのではなく、自分がそう感じる心を持っていることに原因があると考えています。

 クライアントさんの現状は、仕事のとき、間違っているかもしれないと思って、常にビクっとしてしまったり、会社の人が、他の人の酷評をしている時に、きっと私がいない時、あの人は私のことを言っているんだろうなと想像してしまったりするところがあるそうです。なぜ、そのような考え方になってしまうのでしょうか。

 自分が自分でいられれば、相手がなんて言ってきても、事実だけをちゃんと見据えることができるので、冷静でいられます。また、相手が怒っていても、怒る因子は相手の中にあると思えるので、冷静でいられるのです。

 冷静でいることで事実を捉えることができ、自分が見落とした点、気づかなかった点があれば、そこを素直に謝れますし、次回から気をつけることができます。
そうすれば、必要以上に自分が悪いと思い、自分を責めてしまうこともやめられて、楽になるのではないでしょうか。

 相手に対して、何か反応してしまう自分について考えることは、相手を鏡にして、自分を見ている状態です。相手は自分の鏡と言いますが、そういうことです。相手を鏡にすれば、自分のことが見えてくるのです。

 自分の中に、ネガティブな気持ちが発生しても、許してあげましょう。気持ちに、いいも悪いもないのです。「そんな風に感じるのね」と自分の気持ちに寄り添ってあげられるようになれば、自分の内側も平和になりますし、相手への共感性も高まり、自然と人にも優しくなれるのです。

 そして、冷静でいられる事によって、言葉以外のところの大切な事実に気づけるようになるでしょう。言わなくても「わかった」と思えることも増えると思います。そうすると、自分の中にある温かい心に呼応して、いつも幸せな気分でいられるようになるのではないかと考えています。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分が自分でいられていますか?



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