褒めても励ましても相手がネガティブモードから抜けないとき。

 昨日、マクドナルドの同期+フランチャイズのオーナーにも初めてお会いしました。フランチャイズを何店舗もお持ちだそうで、オーナーといえども、店舗に入って店長もされているのだそうです。

 私は、コーチをしていると話したら、どうかかわっていいか、困っているスタッフがいるという話になりました。

 そのスタッフは、アルバイトだけれども、社員に代わり店舗運営できる、時間帯責任者の役職についている人です。女性というのもあって、カウンターのサービスは、とても得意で素晴らしいようなのですが、厨房の仕事は、苦手のようです。アルバイトの中には、「時間帯責任者のくせにできない」と見てくる人もいるそうで、どんどんできない自分を責めて、いつもネガティブな状態で店にいるとのことでした。

 オーナーとしては、カウンターサービスがよくできることを褒めて、自分が苦手なところは人に任せれば、いいんだよと励ましているそうです。
 しかし、褒めても、励ましても、いつも自分のできないところを引け目に感じて、時間帯責任者になってからは、ネガティブモードが続いているようでした。

 自分を引け目に感じている人には、その人ができるところを強調して褒めてあげて、できないところは、人に任せるのがチームだよと、フォローしてあげたらいいのかと、多くの人は思うでしょう。私も、そういう考え方をしていました。

ところが、コーチになり、十人十色を肌で感じました。それは、私の思い込みだと。

できるところを強調されても、相手がピンとこないときは、他のところを見て欲しいのかもしれません。強調するほど、否定に感じるのです。

 6年前、私のセミナーに来て下さったお客様に、「奇麗な方ですね~」と、本当にそう感じたので、声をかけたことがありました。その後、2年くらいして、その方がコーチングを申し込んできたのです。いきなり最初に、「以前、堀口さんに言われて傷ついたことがあります」と言われて、私はちょっとびっくりしました。「何ですか?」と聞いてみると、「奇麗と言われたことが嫌でした」と言うのです。

 「褒めること」は、いいことだと思っていたし、そう思ったら口から出てしまう性格というのもあって、普段通りに言ったんです。それが、相手にとって、ネガティブに受け止められていたと・・・。「なんで、奇麗と言われて嫌だったのですか?」と聞いてみたら、「努力していないことだから」と言われました。

 すぐには、そのような考え方に共感を示すことができなかったのですが、今なら想像ができます。「奇麗ですね」というのは、私が感じた感情からそういう言葉になったということで、受け取りにくいと感じる人もいるでしょう。

 昨日、同期の男友達が「月何回、エステに行っているの?」と私に質問をしてきました。余白のある言葉選び、センスがあるように思いました。


 人は、自分が普通に思っていることよりも、努力したことを言われることは、やっぱり嬉しいでしょう。それは、結果として褒められるよりも、見えないプロセスを想像して伝えられるものです。プロセスの中の気持ちとか、思いを知ってもらえることで、理解をしてくれたと相手は感じるものです。

 先ほどのスタッフに置き換えてみると、自分ができることを褒められるよりも、自分ができなかったことが、少しでもできたところを認められる方が、嬉しいし、そこが、モチベーションの上がるスイッチなのだと思います。

 「お店のサービスがいいのも、○○さんが、いつも率先してくれているからのように感じています。厨房に関しては、以前よりも○○ができるようになっているみたいですね」と伝えればいいのです。相手が、悲観的だからと言って、やたらと励ます必要はありません。逆に、「できないから、そんなに励ましてくるんだ」と、否定されていると感じることもあるのです。

 肯定も否定もしないで、相手のありのままを見ることに意識を向けることで、伝える言葉も変わってきますし、今まで見えていなかったものを見る目が育ってくると思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

最近、言われて嬉しかったことはどんなことでしたか?

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