心温まる真実を見つけられると安心できる人になる。

 あるクライアントさんは、「焦り」がつきまとっているようでした。その焦りはしばしば、他人と自分を比較してしまうことから生じているようでした。他人の成功に自分の未熟さを映し出してしまい、不安を感じているのです。


 一方私の考え方としては、比較をするというか、他人を通じて自分自身を理解することはあると考えています。他人との比較で自分の短所を知ることは、「自分が目指すべき境地を見つけた」という前向きな発見と捉えられます。そのため、私には焦りが生まれません。


 また、他人の良い点を見る能力がある場合、それを伝えることで人間関係を強化し、効果的なコミュニケーションにつなげることができます。しかし、多くの人は、良いことを思っても言葉に出さないことがあります。これは「判断しない」という姿勢が、実際には肯定的なフィードバックを抑制している結果です。


 クライアントさんは面白い例を挙げました。「ある緊急時を例として、『そこに鎖があるから安全です』とだけ伝えているようなものです」と。

 とても分かりやすい例だと思いました。もし私ならば、どう伝えれば、相手が安心するかを考えます。「そこの鎖は安全です、私も使ってみました」と伝えるかもしれません。この例は、単に事実を伝えるのではなく、自分の経験や感情を交えることで、伝える内容に暖かみを加えることができるということを示しています。ただ事実を伝えるのと、受け手の感じ方が大きく変わるでしょう。

 「ただ事実だけを伝える」アプローチを取ってきたために、自分のコミュニケーションスタイルに不安を感じていたところもありました。しかし、心温まる真実を伝える方法を学ぶことで、より効果的なコミュニケーションが可能になるでしょう。これはものの見方を訓練していくことが必要です。

 そうすることによって、自分自身に安心感を持てるようになり、焦りは徐々に解消され、より安心した未来へと導かれます。また、他人にそれを伝える能力を身につけることで、人とのつながりも深いものになるでしょう。

 私たちの捉え方や思考は、安心できる真実へと変化する力を持っています。このセッションは、思考がいかに重要であるかを改めて教えてくれました。