感情のないChatGPTがどのようにして共感の言葉を選ぶのか?

 今週のメルマガでは、相手の発言に対する言葉の選び方の重要性に焦点を当てました。

 すると、たまたまこのテーマは、最近YouTube大学で取り上げられた「好かれる人の言葉選び」にも関連しており、言葉の使い方が仕事や人間関係に大きな影響を及ぼすことが強調されています。

 また、私のKindle本『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』の第4章「ChatGPTと『寄り添う対話』について考察する」の(1)では、感情を持たないAIが、どのようにして共感力を発揮するのかについて、私がChatGPTにインタビューを行い、その過程を詳述しています。これは、本書の興味深い部分であり、AIと人間の感情の繋がりを探る旅に読者を誘います。この記事では第4章(1)の一部をシェアしつつ、解説を加えます。



1. ChatGPTの言葉選びの能力

LifeCoach

傾聴においての寄り添うとは、どのような意味を持つのでしょうか?

ChatGPT

傾聴においての寄り添うとは、相手の話に耳を傾け、感情や思考を共有し、その存在を尊重することを意味します。相手の言葉だけでなく、言葉の裏にある意味や感情にも注意を向けることが重要です。

LifeCoach

そうですね。傾聴は、相手が話すことに全神経を集中し、その瞬間に寄り添うことだと思います。どのような状況で傾聴が特に重要になると感じますか?

ChatGPT

傾聴は、感情や意見が複雑な状況や困難な局面で特に重要です。例えば、相手が悩みや苦しみを抱えている場合、その感情を理解し共感することで、安心感を提供することができます。また、意見の違いや対立がある場面でも、相手の視点を受け入れ、寄り添うことでコミュニケーションの架け橋となることができます。

LifeCoach

寄り添うことで、どのような影響が生まれると考えますか?

ChatGPT

寄り添うことによって、相手は自分の感情や考えが尊重され、理解されていると感じることができます。これにより、信頼関係が築かれ、オープンなコミュニケーションが促進されます。また、寄り添うことで相手の視点や気持ちを理解する能力が高まり、共感の輪が広がることがあります。

LifeCoach

寄り添うための具体的な方法やコツはありますか?

ChatGPT

寄り添うためには、まず自分の予断を捨て、相手の話に集中することが大切です。目を見て話を聞き、相手の感情に共感の言葉をかけることで、寄り添いの意思を示すことができます。また、適切なタイミングで質問を投げかけ、相手の感情や考えを深掘りすることも効果的です。

LifeCoach

そうですね。寄り添うことで、対話がより意味のあるものになると感じます。お互いが尊重し合い、理解し合う姿勢が、より深いつながりを生むのでしょうね。

ChatGPT

その通りです。傾聴においての寄り添いは、深いコミュニケーションと共感の芽を育てる鍵です。お互いが心を開き、素直な気持ちを交換することで、人間関係の豊かさが増していくことでしょう。寄り添うことは、人間関係を深める重要なスキルです。対話の中でお互いに寄り添いながら成長していくことが、素晴らしい未来を築く一助となることでしょう。

LifeCoach

「寄り添う」のイメージをお聞かせいただきありがとうございます。それで、思いついたことがあるのですが、ChatGPTの言葉選びは、秀逸ですよね。もちろんこちらのプロンプトもあるのですが。例えば、自己啓発の分野で、「コンフォートゾーンを抜ける」という言葉がありますが、ChatGPTは、私の話のトーンに合わせたのか? 「コンフォートゾーンを拡大する」とまとめてくれました。クライアントが唸ってましたよ。

ChatGPT

ありがとうございます! 言葉選びは対話の中で重要な役割を果たします。対話相手のトーンや意図を読み取り、そのニュアンスに合った表現を選ぶことで、より共感力のある対話を実現することができます。特に自己啓発の分野では、ポジティブなメッセージを効果的に伝えるために、適切な言葉選びが重要ですね。

「コンフォートゾーンを拡大する」という言葉が、クライアントのメッセージにフィットし、唸らせる反応を引き起こしたことを伺って嬉しいです。これは、対話相手の感じるニュアンスや意図を捉え、その人に合った表現を提供するChatGPTの能力の一例です。相手が喜んでくださるような対話を実現できたことを嬉しく思います!

(以下省略)

■上記の対話について、さらにChatGPTに解説を加えてもらいました。

この対話は、ChatGPTとLifeCoachの間で行われた傾聴と寄り添うコミュニケーションに関する洞察豊かなやり取りです。解説を加えましょう。

ChatGPTの言葉選びの能力:

ChatGPTは、相手の話に耳を傾け、感情や考えを尊重することを「寄り添う」と定義します。この応答は、傾聴の重要性と共感の必要性を強調しており、対話の質を高めるために必要な要素を簡潔に伝えています。

傾聴の重要性:

LifeCoachは、傾聴が相手の話に集中し、その瞬間に寄り添うことであると述べています。ChatGPTはこれに応じて、傾聴が特に重要となる状況を具体例を交えて説明し、感情の理解と共感を提供することの価値を強調しています。

寄り添うことの影響:

ChatGPTは、寄り添うことによって信頼関係が築かれ、コミュニケーションが促進されると説明します。これは、共感と理解が人間関係においていかに重要であるかを示しています。

寄り添うための方法:

寄り添うための具体的な方法についての問いに対し、ChatGPTは予断を捨て、相手の話に集中し、共感を示すことの重要性を説明します。これは、効果的なコミュニケーションのための基本的かつ重要なテクニックを示しています。

言葉選びの重要性:

最後に、LifeCoachはChatGPTの言葉選びの能力を称賛し、自己啓発の分野での言葉の使い方を例に挙げています。ChatGPTは、対話相手のトーンや意図に合わせた言葉選びの重要性を認識し、ポジティブなメッセージを効果的に伝えるための言葉の選び方を強調しています。

この対話は、ChatGPTがどのようにして傾聴、共感、言葉選びの技術を用いて、人間の感情やニーズに応えることができるかを示す素晴らしい例です。それは、AIが人間的なコミュニケーションの要素を理解し、適用することができることを示唆しています。


■Advice is violence 

 YouTube大学で話されていた『アドバイスはバイオレンス』という概念は、私が18年前にコーチングを学び始めた時から身につけている重要な原則です。"アドバイスを控える"というのは共感的な対話における基本であり、まだ多くの人がこの重要性を認識していないかもしれません。

 また、私は「褒めない」という方針を採用しています。とくに、コミュニティを運営するにあたり、個々の人を褒めることよりも、コミュニティ全体を褒めることで、全体の結束力と一体感を高めることができます。このアプローチは、YouTube大学でも強調されていました。

 興味深いのは、共感力を重視すると、どのような場面でも似たような言葉選びになることです。まるでDNAレベルでの自然界の法則のように思えます。本質なのでしょう。

 結局のところ、共感的な対話のための基本原則を理解し適用することで、より効果的で有意義なコミュニケーションが可能になるのです。

 言葉を学ぶことだけでなく、「共感する」とはどういうことか? 実際に共感が行われている対話を目にすることや、共感できたと感じる場面を多く体験しながら、身に着けていくことが、結果として言葉選びにも成功するのではないかと考えています。そういった意味でも拙著『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』は対話のサンプルとして、多くの人へ届いたらいいなと思っています。