コーチングの革新:問題解決から自己表現へ

 私は19年来のコーチとのセッションを継続していますが、いつもその時間は、私が最近の話をしているだけのことも多く、問題を解決するとか、何かを教えてほしいということとはちがう、対話の時間になっています。

 先日の『ひとみの部屋』で、参加者の方が「今日は特に何も問題もないのですが」とおっしゃっいました。なんだか、何か問題や解決したいことがなくては、いけないような雰囲気も漂っていましたが、こちらは無料セッションにしているので、何もなくてもいいのかもしれません。逆に無料セッションにしたことで、何もないを可能にしたのです。

 でも本当のことを言うと、「なにもない」状態でコーチングセッションを受けてほしいとずっと思っていました。私がそうであるように。ただ、現在地を把握するための対話が、未来を創る対話になるからです。問題は過去のこと。今のことを話して、未来につながるということなのです。


 先日の『ユニタス企画』では、「特に企画無しで、ただ経験談を話す」ということを、私は参加者の方に提案しました。その方は「書くこと」が好きな方なのですが、話すことは考えながらできないので、誰かを傷つけてしまわないかなど、不安があるのだそうです。だからこそ、この安心安全なコミュニティーでオチのない話をしてみては? と提案しました。

 そうして企画当日、その方の話はとても臨場感あふれるもので、流石書くことを日頃からされていることもあり、その場のことをよく観察されています。だから、観たまま、感じたまま、観察したままに話すことができたのではないかと。何も引っかかるところもありませんでした。最後は心の中で、スタンディングオベーションを送ったほどです。(笑)

 この出来事から考えると、「ただ話す」場こそ、普段存在しないのではないでしょうか。ひとみの部屋の20分は、参加者のための時間。20分しゃべり通していただいて構いません。ユニタス企画も、視聴者はマイクをOFFにして、スピーカーの方がよりしゃべりやすいようなリアクションを見せながらZoom画面に映っているという環境が、30分の一人しゃべりを可能にするのです。

 これからのユニタス企画は、企画しないでしゃべる場として使っていただけたら、それこそ30分のコーチングを受けている効果があります。あとから視聴者からフィードバックを受けることもできます。1D1U Campの無料セッションと、オチのない話の「ユニタス企画」を通して、とにかくしゃべる場所を確保して頂きたい。(笑) また、1D1U Campに参加する理由ができてしまいましたね。

 コーチングや対話の場が単なる問題解決の場ではなく、個人の成長、自己表現、そしてコミュニティー内でのつながりを深めるための場としての重要な役割を果たしているのです。

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