日々努力を続け、今この瞬間を生きることは、それが普通になるまでは難しいものです。
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独立後、アパレルコンサルを開始することが決まった主人公に、メンターは「苦戦する」と予測していました。その言葉通り、コンサルの初期には成果が出ず、オーナーとの信頼関係も揺らぎました。苦肉の策として、店舗のレイアウトを改善するも、逆に批判を受け、結果は思うように出ませんでした。さらに別企業との契約も短期間で終了し、友人との関係にも影響が出ました。メンターの助言により、他人に成功体験を押し付けていたことに気づいた私は、コーチングの本質を見つめ直す機会を得ました。この経験は、他者を変えるのではなく、「きっかけを与える」ことの大切さを教えてくれたのです。
10.13 サラリーマン卒業まであと3日。
サラリーマンを卒業する日が3日後に迫ったある日、私はブログにこんなことを書いていました。
「2006年5月28日
私は独立したら、人生をポジティブに生きることを伝えたいと思っています。これまでの様々な経験の中には、ネガティブな状況もありましたが、いつでも後悔しないように自分のやりたいことを貫き、工夫や努力を重ねてきました。そうして変化し続ける行動が、自分の人生に必要な出来事を引き起こし、それを突破することで道を切り拓いてきたのです。
毎日、小さな成功を積み重ねることが自信となり、良い出来事を引き寄せてくれる──そう信じています。成長し続けることで、運も高まる。そしてポジティブな姿勢が運の良い人々を引き寄せるのです。」
時は流れ、2024年の今も、私の中でこの信念は少しも揺らぐことなく生き続けています。毎日ブログを更新し続け、「ONE DAY ONE UNIT」という独自のコンセプトで手帳をデザイン。さらにオンラインキャンプを通じて、多くの方々の日々の成長をサポートしています。独立前に抱いていた強い思いが、今では多くの人々の人生に彩りを加える形で花開いているのです。
では、なぜこれほどまでに「ブレない」のか──その答えは、私が小学校で出会った担任の先生たちによる原体験にあります。
例えば、小学2年生のときの担任の先生は、毎朝歌の時間を設けてくれました。そして、学年が終わる日に、1年間の歌を編集してまとめた歌集とカセットを私たちにプレゼントしてくれたのです。それは1年間の積み重ねが目に見える形となった瞬間でした。そして、とても感動したことを覚えています。
また、小学4年生の担任の先生は、「1日1字」という漢字の自由課題を出してくれました。私は毎日その課題を提出し、先生は必ずフィードバックをくれました。この日々のやり取りは、まさに1日1日の積み重ねの大切さを教えてくれたものです。
さらに、中学2年生のときの担任の先生は、毎日楽しい学級新聞を発行してくれました。毎日の出来事を記録し続けるその姿勢が、クラス全員に「1日1日を楽しむ」という感覚を与えてくれました。
どの先生も、日々を大切に積み重ねることの重要性を体現していたのです。そしてその積み重ねが1年間たったとき、大切な思い出として冊子になり、分厚いファイルになり、私たちに喜びを与えてくれました。その哲学は、いつしか私自身の価値観となり、日々を丁寧に生きる基盤になったのです。
だからこそ、ブログをはじめた日から、毎日ブログを書き続けることも、メンターと毎日メールをやり取りすることも、私にとっては自然なことでした。そして今、それが「ONE DAY ONE UNIT」という形となり、他の人々の成長や幸せを支えるお手伝いができていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
すべてはつながっている──そう実感しながら、私はこれからも1日1日を大切に積み重ねていきたいと思っています。
10.14 アパレル店長卒業の日
アパレル店長として最後の挨拶をする日、ショッピングモールのオフィスに向かった私は、驚きました。スタッフが約20人も集まり、皆さんの前でお別れの挨拶をすることになったのです。当時のブログには、「まるで映画『踊る大捜査線』のワンシーンのようだった」と書いていました。
スタッフの方々から「本当に色々勉強になりました!」と声をかけられ、私も「こちらこそお世話になりました」と感謝の気持ちを伝えました。月商5050万円を達成したときには、ちゃんこ鍋をご馳走になったことや、垂れ幕を天井からぶら下げることを手伝ってもらったこと、マスコミの取材があると私の店舗を優先して回してくれたことなど、楽しい思い出が次々と浮かびました。
そして迎えた店長最後の日、渋谷店の仲間たちから大きな花束をいただきました。その中には、同期卒業のOさんも一緒でした。Iさんが、「堀口さんには派手でとにかく大きい花束、Oさんには個性的な花を選びました」と笑顔で話してくれたのが印象的でした。
そのお礼として私は、スタッフ全員に本をプレゼントしました。選んだのは、私が人生で最も影響を受けた一冊、『生きがいの創造』です。一人ひとりにメッセージを添えながら、本を手渡していくうちに、感謝の気持ちが込み上げて涙ぐんでしまいました。
「チームはパズルのようなもの。一つでも欠けたら完成しない。」──そう感じるほど、素晴らしい仲間たちでした。そんな皆と別れるのは寂しくもありましたが、未来への期待と感謝で胸がいっぱいでした。最後に「またどこかで応援しています」と伝え、花束が大きすぎるので、タクシーで帰宅しました。
10.15 独立初日の朝
独立初日の朝、メンターから届いたメールは、私の心に深く響きました。
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ほりぐちさん
独立初日の朝はどんな感じですか? 不安と期待が交差しているでしょうね。この経験は、いつか誰かの役に立つ日が来ますよ。日々進化を忘れずに、がんばりましょう。
金井豊
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この言葉に背中を押され、私は新たな道を歩み始めました。
🖊 編集後記
5月から執筆を始めたときは、いつ終わるのか、どれくらいのボリュームになるのか全く見当がつきませんでした。しかし、いざ完成してみると、10万文字を超える壮大な物語に成長していました。執筆期間は7か月──まさに時間をかけて紡ぎ上げた旅そのものです。このボリュームなら、もしドラマ化するならSeason 3まで展開できそうですね!(笑)
Grit & Glamor はいかがでしたでしょうか? 年明けの「エピローグ」にはサプライズがありますのでお楽しみに!
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