ALL EARS 2024のカリキュラムが、いよいよ終盤に近づいています。拙著『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』を教科書として使用しているこの講座では、本の内容が後半に向かうにつれて、これまでのプロセスを通じて受講生の皆さんが傾聴に目覚め、学びがより深まっていくのを実感しています。ラストに近づくほど、受講生の反応から感動が一層伝わってきて、私自身も一緒に本を読んでくださる喜びを味わい、感謝しています。
昨日のテーマは、第4章(3)「パーソナライズのプロンプト:ChatGPTがあなたを理解する方法」でした。
この章は、1年半前に執筆したものです。当時のChatGPTのレベルを思い出す節でもありました。その頃は、まだMy GPTもなければメモリー機能もない時代。プロンプトを工夫しながら使う必要がありました。
例えば、私は1D1U Campで、参加者のフィードバックをChatGPTに任せる実験をしていました。ただし、当時のChatGPTは、すべての人に同じようなトーンに感じるフィードバックを返していたのです。しかし、参加者には「感覚的な表現が得意な人」「言葉数が少ない人」「深い洞察を求める人」など、それぞれの特性があります。これでは一律のフィードバックでは響かないだろうと思い、私はその人に合わせてプロンプトを都度変更していました。
「この方は感覚的なので、感覚に響くように書いて」とか、「ふわっとした回答だから、深層心理に刺さるようなフィードバックにして」といった具合です。私は、参加者それぞれの言葉のトーンを読み取り、その都度プロンプトを工夫していましたが、それには膨大な時間がかかりました。そのため、当時は私自身のフィードバックを書かず、ChatGPTだけのフィードバックを試験的に提供していました。
試行錯誤の日々とAIの限界
その結果、「ChatGPTだけのフィードバックだと、少し冷たい印象を受ける」といった感想が寄せられました。確かにそうだなと思いながら、「AIと人間の違いとは何だろう?」と自問しつつ、日々試行錯誤を重ねました。その過程を書籍にも記載したところ、読んだ1D1U Campの参加者からは驚きの声が上がりました。
「隊長(私)のフィードバックの試行錯誤があったからこそ、My GPTのリリースが実現したんじゃないですか? 隊長がMy GPTを生み出したみたいですね!」といった言葉をいただき、その洞察に面白さを感じました。
試行錯誤と成長のスピード
私はかなりの試行錯誤をしますし、時間があるので、そのスピードも速い方だと思います。そのため、周囲からは想像以上に試行錯誤しているように見えないかもしれません。しかし、プロフェッショナルな方々には、そうした在り方がむしろ当然のことかもしれません。
今では、My GPTを作れるようになり、私が考案したプロンプトをあらかじめ設定しています。結果として、どの参加者にも平均的に響くフィードバックが提供できるようになりました。そしてその上で、私自身、人間にしかできないフィードバックがより際立つ形になっています。これが、現在の1D1U Campのフィードバックの形です。
久しぶりに1D1U Campに参加された方が、「AIの進化と、それを活かす隊長のフィードバックに感動しました」とおっしゃってくださったことは、私にとって大きな励みとなりました。
このように、進化したGPTと人間らしさの融合をテーマにした章のレッスンを通じ、以下のような感想をいただきました。
Kさん:ALLEARSで相手の背景を理解し、その相手の心に命中するフィードバックをするという素晴らしいことを学ぶことができた。非常に奥が深い! これも毎日の意図と、実践、試行錯誤あるのみですね
Yさん:ALL EARS講座にて、傾聴を学び始めて1年。今日は、受け取りたいメッセージを受け取ることができましたし、いつもあるアドバイスやフィードバックに100倍感謝できる視点を伝授いただきました。明日から世界の見え方が変わりそうな勢いです。
AIと人間が共存し、それぞれの強みを活かす未来。その実現に向けた試行錯誤が、確実に形になっていることを実感した1D1U Camp。これからも、こうした探求を続けながら、新たな価値を提供していきたいと思います。
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