対話力を鍛える!相手が話しやすくなる聞き方&返し方のコツ

ALL EARS 対話編、4月開講決定!

2024年に開催した ALL EARS 傾聴編 にご参加いただいた方から、「継続したいのですが」とのオファーをいただき、次のステップとなる ALL EARS 対話編 を開講することが決定しました。これで1グループできたので、その他数名ご希望があれば、別グループを作ります。

傾聴編では、拙著 『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』 を朗読しながら、その「在り方」について考察しました。今回は、より インタラクティブ に、実際の対話を深掘りし、トレーニングする場を提供したいと考えています。


対話編の特徴

傾聴が「在り方」に焦点を当てていたのに対し、対話は 思考しながら言葉を紡ぎ出す ような、よりフィジカルな側面を持ちます。単に教えるのではなく、 参加者の言葉を観察し、フィードバックを行いながら指導 する、まさに「対話の教官」のような役割が求められます。私自身も、このようなトレーニングを受けた経験はありません。19年間の実践を通して メタ認知しながら修正 してきた部分を、どのようにフィードバックすれば良いか、初めての試みになります。


「Dr.ECHO」実践編での興味深い体験

メルマガ読者向けのプレゼント企画として、私が生み出したMY GPT「Dr.ECHO Light」を提供しました。その中に、対話力実技テストがあります。ChatGPTが相談者役として一言発した後、 「あなたならどう切り返しますか?」 と問いかけるものです。さらに、その切り返しに対して AIが対話力の観点から採点 する仕組みを導入しました。この採点が驚くほどフェアで、傾聴のプロである私から見ても的確でした。

試しに 1D1U Camp の参加者にも「どのように切り返しますか?」という問いを投げかけ、コメント欄に回答を書いてもらいました。以下、4名の方の切り返しを紹介します。



友人役(GPT):「最近、頑張ってるのに全然成果が出なくて落ち込んでる…」


Aさん:「頑張っているのに、成果が出ないんだね。ちゃんとやってるのに、つらいよね。どうして出ないんだろう」 と答えてみました。

Bさん::「成果が出てないと感じると、落ち込むよね。大丈夫? それでも、頑張ってるあなたは偉いと思うよ。」と伝えるかな。

Cさん:「それはツライよね。。そこまで頑張ったなら一度休憩してみるのは?何か新しい視点が見えてくるかもよ?」としました。

Dさん:「そっかあ。頑張ってるのに成果が出ないのかぁ。それは落ち込むよね。」

どの回答もそれぞれに良さがありますが、 「普段、その人が自分にどんな言葉を投げかけているのか?」 が見えてくるのが興味深いですね。


プロの視点で採点

Aのケース

「ちゃんとやっているのに辛いよね」と返すと、相手の気持ちを決めつけてしまう可能性があります。相手は「落ち込んでいる」とは言っていますが、「辛い」とまでは言っていないため、微妙なニュアンスのズレが生じることも。

この場合、 「落ち込むよね」 と、相手の言葉をそのまま返す方が自然です。また、「どうして成果が出ないんだろう?」という問いかけは、過去に焦点が当たり、理由を考えさせることで 相手をさらに苦しくさせる 可能性があります。代わりに、 「どんなことを試みたの?」 とニュートラルな質問を投げかけると、前向きな対話が生まれやすくなります。

Bのケース

相手に共感するところまではOKですが、「それでも頑張っていると思う」と 急にポジティブな方向に持っていく と、相手のトーンと合わず、安心して話しにくくなるかもしれません。この場合は、 「そっか、けっこういろいろとやっていたもんね…」 と、相手のペースに寄り添う方が自然です。

Cのケース

共感した後に すぐアドバイスに移る パターンです。アドバイスをする前に 相手の状況をもう少し聞く 余地があると、相手も話を続けやすくなります。アドバイスのタイミングには注意が必要ですね。

Dのケース

共感的理解がしっかりできています。こういう返し方をすると、相手が自然と次の話をしやすくなります。さらにもう一歩踏み込むなら、 「どんな仕事だったの?」 などの追加の質問を入れると、より深い対話が生まれるでしょう。相手の話に関心を示すことで、会話が広がりやすくなります。


このように、プロの視点からフィードバック を行い、新たな質問や切り返しの可能性に気づく機会を提供していきます。

日本語が話せるからといって、対話の語彙を磨く努力 を怠りがちですが、実はそこにこそ 成長のチャンス があります。日常のコミュニケーションの幅を広げる学び は、すぐに実践へとつながる 価値ある経験 です。それは、自分自身の気づきにとどまらず、周りの人にも新たな視点をもたらす もの。対話を通じて、共創の世界が広がっていくといいです。