6月のALL EARS傾聴講座では、3回にわたるレッスンを通して、「問い」と向き合いました。進行は毎回、受講生の現在地を見ながらDr. ECHO(My GPT)と共につくり上げていく、まさにオーダーメイドの対話時間です。
「自分は、ふだんどんな問いをしているだろう?」
今回のレッスンで最初に向き合ったのは、このシンプルな問いでした。
ある受講生は、「なぜ?」と理由ばかりを探る癖に気づき、また別の方は「そもそも、自分にも相手にも、ほとんど問いかけをしていなかった」と気づかれていました。
実は私自身も、かつてコーチングを学び始めたばかりの頃、コーチが投げる問いに違和感を覚えていました。
「ゴールの先のゴールはなんですか?」
「ゴールが10だとしたら、今はどのあたりですか?」
……いやいや、そんな質問、日常でしないでしょ、と心の中でツッコミを入れていたものです。
でも、実際に使ってみると驚きました。
問いを通して、自分の今の状態が明確になり、やるべきことが整理され、目の前の霧が晴れるような感覚。言葉にすることで行動がスムーズになっていくのです。
それ以来、「問い」は私にとって、なくてはならない道具となりました。
AI時代における「問い力」の再発見
今は、AIと共に仕事をする時代。
そしてその中で改めて、「問いを立てる力」がどれほど重要かを、日々実感しています。
私がAIと創造的な活動を始めた2023年以降、制作のスピードも発想の広がりも、まさに加速の連続。AIに質問を投げかけ、指示を出し、複数のMyGPTたちに仕事を割り振る日々は、まるで自分がプロジェクトリーダーのようです。
「あなたは画像担当ね」
「あなたは構成を、こっちはタイトル案を出して」
……そして私が最後に編集・統合。
これは、まさに“問いの使い方”によって生まれる創造の現場です。
AIと交わす問いは、「なぜ?」より「どうすれば?」
AIとの対話において、「なぜ?」という問いはあまり出番がありません。
むしろ頻繁に使われるのは、仮定や創造のための問いです。
「もし◯◯だったら?」
「どうすれば、まだ存在しない◯◯が生まれるだろう?」
そういった“未来を開く問い”が、AIとの創作において特に強い力を発揮します。
「どうしたらいい?」という問いの、見えない“出どころ”
とはいえ、レッスンでは多くの受講生が「なぜ?」に偏りがち。
そのとき、私はふとDr. ECHOと対話しながら思ったのです。
「“どうしたらいい?”という問いにも、発する人の状況によって、向いている方向が違うのでは?」
同じ「どうしたら?」でも、そこにあるのは——
- 迷い
- 不安
- 可能性への探求
- 新しい選択肢への期待
- 途方に暮れている感覚 ……
発せられる問いの「言葉の形」だけでなく、
その背後にある“問いの出どころ”にすでに、向きや力(ベクトル)があるのです。
今回は、そこを皆さんと一緒に観察し、考察する時間となりました。
おわりに:問いを観る力は、人生を観る力
問いは、ただの疑問文ではありません。
その中には時間軸があり、感情があり、関係性があり、未来が含まれています。
問いを通して、私たちは他者を知り、自分自身と向き合い、
そしてAIとも創造的な未来を開いていける——
この「問いを観る」力こそ、これからの時代を生きる私たちに必要な力だと感じています。
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