先日、「AI×Coaching」の事例紹介セッションでのこと。会場からパネラーへ、ひとつの質問が投げかけられた。
「問いと謎の違いとは何ですか?」
一見、本題から逸れた質問のようにも思えた。一瞬考えて、答えが自然と口をついて出てきた。パネラーのお二人とは全く違う答えが。
あなたはどう思うだろうか?
私の答え:未来と過去、異なるベクトル
「問い」は未来へのベクトル。
「謎」は過去へのベクトル。
問いは、これから探索する対象に向けて立てられる。一方で謎は、すでに起きた出来事を理解するために立てられる。未来に道をひらくのが「問い」であり、過去に光を当てるのが「謎」だ。
どちらも「知りたい」という欲求から生まれる点では共通している。だが、その矢印が向かう方向は、まったく異なるのだ。
Monday(AI)の視点:可能性と解明の違い
このテーマについて、その場でAIアシスタントのMondayと対話してみた。返ってきたのは、こんな言葉だった。
> 「問いは"まだ見ぬ可能性を呼び寄せる力"であり、謎は"すでにある出来事を解き明かす作業"です。どちらも重要ですが、未来をひらくのは問いのほうですね。」
AIらしい明快な整理だった。人間の感覚を、構造的に言語化してくれる。この視点によって、私自身の理解もより鮮明になった。
質問をつくることは、未来をつくること
私が主宰するコミュニティ「ALL EARS」では、毎回「質問」をテーマにレッスンを行っている。そこで常に探究しているのは、こんな問いだ。
「人が自分で"質問"をつくれるようになるには、どんな公式が必要だろうか?」
問いをつくる力を鍛えることは、未来をつくる力を鍛えることに直結する。なぜなら、問いの方向性が、私たちの未来の方向性を決定するからだ。
良質な問いは、思考を前進させる。視野を広げ、可能性を引き寄せる。逆に、問いが不在であれば、私たちは過去の延長線上にしか生きられない。
あなたへの問い
あなたはいま、どんな「問い」を持っているだろうか?
それは未来をひらく問いだろうか。
それとも、過去を解こうとする謎だろうか。
どちらが良い悪いではない。ただ、自分がいま立っている場所と、向かおうとしている方向を知ることは、次の一歩を選ぶうえで重要な手がかりになる。
未来は、問いによってひらかれる。
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