「私はダメだ」
「このままでいいのか」
「何もできていない」
こんな言葉が心の中に浮かんだとき、あなたはどうしますか?
多くの人は、この否定的な感情を打ち消そうとします。「そんなことないよ」「できてるところもあるよ」と、すぐにポジティブな面を探そうとするでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
その否定的な感情の奥には、実はあなたが心の底から求めている「こう在りたい」という願いが眠っているのです。
レッスンで起きた、偶然ではない必然
昨日のALL EARS Lesson 14では、この「問いの育て方」を深く探求しました。
実はこのテーマ、偶然見つけた動画から「あ、次はこれだ」と気づかされたものでした。前週のレッスンも「問いを育てる」がテーマだったので、見事にシリーズとしてつながったのです。
毎回レッスンを作るのには時間がかかります。なぜなら、まだ言語化されていないことを言語化する作業だからです。でも、こうして流れるように次のテーマが見えてくる瞬間は、何か大きな流れに導かれているような感覚があります。
ジョー・ディスペンサー博士の教えともリンクしながら、「否定的な言葉」から問いを重ねていくことで、「どう在りたいか?」が見えてくる。そして、未来を思い出すように「今感じる」ところまで落とし込めるステップを、みんなで体験していきました。
頭で分かっても、すぐにはできない理由
「この感じをどうやって教えるか?」
それは、何度も例題をやりながら、だんだんと掴んでいくしかありません。
もちろん理論的にも最初に説明します。でも、頭で分かってもすぐにはできないのです。なぜなら、私たちは過去のパターンで反射的に返してしまうから。
よくある反射的な応答
たとえば、誰かが「私はダメだ」と言ったら、あなたはどう返しますか?
おそらく「OKのところはどこ?」と、すぐにポジティブなところを探すための問いを発してしまうでしょう。
でも想像してみてください。もしあなたが相談する側で、プロの傾聴者から「OKのところはどこですか?」と質問されたら? 「プロなのに、寄り添えてない」と感じるかもしれません。
プロの傾聴が使う「Being」への問い
では、プロの傾聴者はどう問いかけるのか。
「もし、ダメでなかったら、どういう状態?」
相手に同調しながら、否定形を使って、「ある」を探す方向へと導くのです。
この違い、感じられますか?
新しい問いの世界線へ
レッスンでは、参加者の皆さんに実際に体験してもらいました。
「いつもだったらどう返す?」
↓
「Becomingの問いならどう問い直す?」
この往復を繰り返していくと、だんだんと掴んできた様子が見えてきました。
そして最後には、それぞれが今日学んだことを自分の言葉で表現してもらいました。学びっぱなしにせず、その場で言語化していく。
すると、それぞれのまとめから、また新たな学びが生まれてくるのです。本当に素晴らしいチームワークでした。
私はファシリテーターとして、教えるよりも引き出していくという方法で、参加者の気づきでレッスンを締めくくりました。
AI時代の学びの深め方
レッスン後、面白い試みをしました。
レッスン動画の文字起こしをnotebookLMに託して、記事にしたり、ポッドキャストにしたりして、復習の精度をアップさせたのです。
AIのまとめを通して、私自身もより深く落とし込むことができました。
そして驚いたことに——
このレッスンを機に、パラダイムシフトが起きてしまったのです。
否定から始まる、新しい可能性
この「問いを育てる」技術は、自分自身の内面を深く見つめるセルフコーチングの強力なツールであると同時に、他者の可能性を引き出し、心に寄り添うための本質的なスキルとなります。
ネガティブな感情や思考を無理に消し去る必要はありません。
それを貴重な「出発点」として活用し、あなたが心の底から求めている真の「在り方(Being)」を発見する。
その旅は、否定的な言葉から始まるのです。
あなたの中にある「〜ができていない」という言葉の奥には、どんな「こう在りたい」が眠っていますか?
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