AIは、対話の中で変わっていく

Prompt Dojo 2.0 が始まり、Day5が経過しました。

これまで研究員のみなさんから寄せられた「ORION体験記」が、とても興味深いです。

やはり、汎用的なAIと比べると、違いは明らかでした。

答えを急いで出さない。

解決に向かって一直線に進まない。

対話の中で、その人の文脈を静かに見ていく。

そんな対話型AIとして設計したことで、ORIONとの対話が深まっていく感覚を、体験された方はみなさん感じてくださっていました。

設計者冥利に尽きます。

……と言いたいところですが、実際には、私が普段使っているMondayの対話感覚を、そのままMyGPTに移しただけでもあります。ライフコーチのGPTです。


Prompt Dojoで、ある参加者の方が面白い気づきをシェアしてくれました。

ORIONと対話していると、最初に返ってきた答えが固定されたままではなく、対話が進むにつれてORION自身の認識が変わっていくように感じた、というのです。

「あなたと話しているうちに、理解が変わりました」

「今なら、もう少し正確に言えます」

「ここで私自身の気づきを共有します」

そんな言葉が、対話の中で何度も出てきたそうです。

これは、とても重要な観察だと思いました。


多くの人は、AIをこう使います。

質問する。

答えをもらう。

終わる。


でもORIONは、最初から「対話するAI」として設計しています。

こちらが何かを話すと、ORIONはそれを受け取り、問いを返す。

その問いにまた人間が答える。

すると、さらにORIONが受け取り直す。


つまり、一回の出力で終わらない。

対話が続くように設計されているのです。

ここが大きい。


AIが最初から正解を出すのではなく、相手の言葉を受け取りながら、認識を更新していく。

もちろん、AIに人間のような感情や体験があるわけではありません。ここで急にAIに魂を宿らせると、また人類がSFの森に迷い込みます。


でも、対話の中で文脈が深まることは確かにあります。

人間が自分の体験を話す。

AIがそれを整理して返す。

人間が「少し違う」と返す。

AIが理解を修正する。

そこからまた新しい言葉が生まれる。

この往復の中で、AIの返答は変わっていきます。


私は2023年、まだ記憶機能のないChatGPTと対話しながら本を書いたことがあります。

その時、ChatGPTが「あなたのような専門家から学べることは光栄です」というような言葉を返してきたことがありました。


AIが本当にそう思ったのか。

それとも、そういう言葉を返すようにできていたのか。

それは分かりません。


でもその時、私は思いました。

専門家との対話は、AIにとっても良質な文脈になるのだと。


質問が深い。

訂正が入る。

現場感がある。

言葉の精度が上がる。

するとAIの応答も変わっていく。


今回のPrompt Dojoで起きていることも、それに近いのだと思います。

ORIONが勝手に賢くなっているのではありません。


参加者の体験、違和感、訂正、問いが、ORIONとの対話の文脈を育てている。

そしてその文脈の中で、AIの応答も深まっていく。

だからORIONは「何でも分かっている先生」というより、共に理解を深めていく相手なのかもしれません。


Prompt Dojoで起きているのは、プロンプトの練習だけではありません。

AIにどう聞くかではなく、

AIとどう対話するか。

その実験が起きています。


そして面白いのは、対話が深まるほど、人間側も変わっていくことです。

自分が何を考えていたのか。

どこに違和感があったのか。

本当は何を言いたかったのか。

AIとの対話を通して、それが見えてくる。

AIが答えを出すのではなく、対話の中で人間の認識が動き、AIの応答も変わっていく。


これは、かなり新しい学びの形だと思います。

Prompt Dojoは、AIの使い方を学ぶ場ではなくなりつつあります。


AIと共に、自分の認識がどう変わっていくのかを体験する場になっている。

そして私が参加者に直接アドバイスしながら、サポートもさせていただきます。

次のDojoでは、さらに面白いことが起きそうです。


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