少し前まで、セッション中にメモを取るのは当たり前のことでした。
クライアントさんが話している間に、大事な言葉を書き留める。
あとでフィードバックシートにまとめるために、できるだけ多くを記録する。
でも今は、ほとんどメモを取りません。
なぜかというと、AIが記録してくれるからです。
そして、メモを取らなくなってから、セッションが変わりました。
変わったのは、聴く側も話す側もです。
メモを取っている時、実は少しだけ「離れている」
Zoomで話している時、聴き手がパソコンを打つ音がする。
ノートに何かを書く。
画面の横に視線が動く。
話している側は、意外とそれに気づいています。
「あ、今の言葉を書かれた」
「何か分析されているのかな」
「変なことを言ったかな」
そう思った瞬間、意識が自分の内側から、こちらの反応へ移ってしまいます。
すると、言葉が少し慎重になる。本当は出てきそうだった言葉が、引っ込んでしまうこともある。
深い対話では、クライアントさんが自分の内側にゆっくり降りていけることが大切です。
だから私は、セッション中はできるだけ何もしません。
ただ、聴く。
言葉の奥にある文脈を聴く。沈黙の意味を感じる。繰り返し出てくるテーマに気づく。その人がまだ言葉にできていないものを受け取る。
記録係になるのではなく、対話者でいる。
そのために、録音してAIに記録を任せることにしました。
セッションが終わったあと、2種類のフィードバックが届きます
セッション後、録音や文字起こしをもとに、2種類のフィードバックをお送りしています。
① ChatGPTによるフィードバックシート
② NotebookLMによる分析レポート
この2つ、同じセッションから生まれながら、全く違うものです。
① ChatGPTのフィードバック——温かく、読み返せる形で
ChatGPTでは、セッションの流れを、読み返しやすい形に整えます。
何がテーマだったのか。どんな言葉が繰り返し出ていたのか。どこで感情が動いていたのか。どんな価値観が見えていたのか。次にどんな問いを持つとよさそうか。
本人が安心して受け取れるトーンでまとめていきます。
実際のフィードバックの一部をご覧ください。(クライアントの特定を避けるため、内容を一部変更しています)
あるクライアントさんへ
今回のセッションでは、長年迷っていたお子さんの習い事について、大きな気づきがありました。
セッションで出てきたのは、「楽をするためにやめる」のではなく、「創造性のために余白をつくる」という視点でした。「未来の自分から見ると、あの時、無理をさせなくてよかった」という感覚が出てきましたね。これはとても大切なサインだと思います。
今回のテーマは、「何を続けるか」ではなく、「どの未来にエネルギーを注ぐか」でした。
これからは、迷いにエネルギーを使うのではなく、選んだ未来に軽やかにエネルギーを注いでいきましょう。
これが、ChatGPTによるフィードバックです。
セッションで起きていたことが、言葉として残る。
何度でも読み返せる。次のセッションへつながる問いが置かれている。
私が20年間、手作業で書き続けてきたフィードバックシートが、AIのサポートによって、より深く、より速く届けられるようになりました。
② NotebookLMの分析——「自分では気づかなかった切り口」が返ってくる
同じセッションを、今度はNotebookLMに渡します。
すると、全く別の世界が返ってきます。
同じ話が、NotebookLMではこう整理されていました。
創造性の「余白」:才能を真に開花させるための戦略的デザイン
卓越した芸術性は、過密なスケジュールの中から生まれるのではありません。真の創造性とは、意図的に設計された「空白」からのみ芽吹くものです。慣習的な反復学習は、時に「感覚の硬直化」という副作用をもたらします。この停滞を打破するには、勇気を持ってリソースを再配分し、硬化した感性を解きほぐす「リソース・シフト」が必要です。学習者のリソース(月謝や週の数時間)は有限な資産です。この資産を、機械的なルーチンから「本物の審美体験」へと大胆にシフトさせることで、インプットとアウトプットのシナジーは最大化されます。
私は「創造性は余白が大切」という言葉を使っていました。
でも「リソース・シフト」「クリエイティブ・マージン」という専門的な切り口は、私からは出てきませんでした。
AIが、私の発想の外側から整理軸を持ち込んでくる。
これがAIとの対話の面白さだと思っています。
クライアントさんにとっては、自分の選択を、専門的な視点から客観的に確認できる。
そして実際にこんな感想をいただきました。
「どちらも読んで、なるほどと思うところ満載でした。NotebookLMのプロフェッショナルぶりは、笑えます。もちろん、真剣に読みましたよ!」
「笑えます」という言葉が印象的でした。
AIの分析が、あまりにも的確すぎて、笑えるくらいだった。
でもその後、「真剣に読みましたよ」と続く。
これが、私が目指しているセッション体験です。
セッションは、その場で消えなくなりました
以前は、セッションが終わると、そこで終わりでした。
気づきや変化はクライアントさんの中に残ります。
でも、言葉として読み返せる形にはなりにくい。
今は違います。
一回のセッションが、フィードバックシートになる。
音声概要になる。
分析レポートになる。
次回セッションの準備になる。
対話が、その場で消えるものではなく、あとから何度も受け取り直せるものになっていく。
正直に言うと、私自身が一番驚いています。
20年間、手作業でフィードバックシートを書き続けてきた。
それがAIと組むことで、こんなふうに変わるとは思っていませんでした。
メモを取らずに聴けるようになった。
フィードバックが深くなった。
自分では気づかなかった切り口が返ってくる。
セッションが資産になっていく。
これは効率化ではありません。
対話の質が、構造として変わったという感覚です。
AI時代のセッションが、今こういうふうになっています。
このセッションを体験できる場はこちらから。
最後に、聴く仕事をされている方へ。
コーチ、カウンセラー、セラピスト、講師、占い師など、人の話を聴く仕事をしている方に向けて、この方法を教材としてまとめました。
難しいことは何もありません。録音の始め方から、AIへの渡し方、プロンプト、NotebookLMの使い方まで、図解とそのままコピペできるプロンプトつきで、順番に実装できる形にしています。
以前だったら、こういった内容はセミナーや研修でしか学べなかったと思います。しかも高額で、聞いてメモを取って終わり、ということも多かった。
でも今は、AIそのものは基本的に無料で使えます。
教材を一度手にすれば、あとはあなたの現場で、何度でも使える。
費用対効果という言葉が、ここほど当てはまる場面はないかもしれないと思っています。
ご興味のある方は、ぜひのぞいてみてください。
堀口ひとみ|Art of Being
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