今回、ChatGPTとClaudeを使って自分のWebサイトを大きく作り直した。
制作を終えてから、ひとつ不思議に思っていることがある。
私は、細かいデザインをほとんど指示していない。
それなのに、出来上がったサイトには、自分でも「これは私らしい」と感じる世界観があった。
なぜ、そんなことが起きたのだろう。
指示したのは、デザインではなく感覚だった
私はWebデザイナーではない。
HTMLやCSSを細かく指定することもできない。
制作中に伝えていたのは、
「もっと静かに」
「ここはタイポグラフィで見せたい」
「これは少し違う」
「こっちは好き」
「ギャラリーのような感じにしたい」
そんな言葉だった。
フォント名も、余白の数値も、線の太さも指定していない。
それでも、Claudeは手書き風の文字や波線を加え、余白を取り、文字そのものをデザインとして見せる画面をつくった。
さらに、サイト全体には、本や展示空間を思わせる静かなトーンが生まれていった。
GPTは、なぜ完成形の方向を出せたのか
制作では、まずChatGPTと方向性を整理し、その内容をClaudeに渡して実装することが多かった。
ここで私が不思議だったのは、ChatGPTがかなり早い段階から、
「このページなら、こういう見せ方が合う」
という方向を出していたことだった。
もちろん、GPTが人間のように完成した画面を頭の中で眺めている、と断定することはできない。
ただ、長く対話してきた中で、私が何を書いてきたのか、どんな仕事をしているのか、何を美しいと感じ、何を「違う」と感じるのか、その文脈はかなり蓄積されている。
だから私が毎回デザイン条件を説明しなくても、
これまでの文脈から、その人に合いそうな表現条件を組み立てている
と考えると、今回起きたことは理解しやすい。
英会話の先生にサイトを見せたとき、タイポグラフィを見ながら、
「君が本を書くことをGPTが知っているからだね」と言われた。
面白い指摘だった。
私は「本を書く人らしいデザインにして」とは言っていない。
でも、長く文章を書いていることも、本を書くことも、ChatGPTとの対話の中には存在している。
私はデザインを指示していたのではなく、ずっと自分を話していた。
その蓄積が、結果としてデザインの条件になったのかもしれない。
Claudeは、指示された以上のものを返してくる
もうひとつ面白かったのがClaudeだった。
ChatGPTから渡した内容を、そのまま画面に変換するだけではない。
ときどき、こちらが指定していない要素まで加えてくる。
波線。
手書きの文字。
独特の余白。
文字の配置。
それを見て、
「そこまで頼んでないけど、いい」
と思うことが何度もあった。
一方で、文脈をあまり渡さずに任せると、ClaudeはClaudeで、ある種の知的でミニマルな“AIサービスらしい”デザインに寄ることもあった。
つまり、
何も渡さなければ、AIは自分の得意な型へ寄っていく。
そこに、その人自身の文脈を渡すことで、初めて別の方向へ動き始める。
この違いは、とても興味深かった。
AIがつくり、人間が選ぶ
今回の制作は、
人間が完成形を指示して、AIが忠実に再現する、
という関係ではなかった。
私が感覚を言葉にする。
ChatGPTが、その文脈を整理する。
Claudeが、それを視覚的に解釈して実装する。
私は出てきたものを見て、
「これは違う」
「これは残す」
と判断する。
そして、またAIに返す。
その繰り返しだった。
だから今回のサイトは、
AIがデザインしてくれたもの
というより、
AIが出したものを、私が選び続けた結果できたもの
だと思っている。
自分の文脈が、制作資源になる
これまでAIを使うときは、「どう指示するか」が重要だと言われることが多かった。
もちろん、指示は大切だ。
でも今回の経験から、もうひとつ重要なものがあると感じている。
それが、
自分自身の文脈をAIとの間に蓄積していくこと。
何をしてきたのか。
何が好きなのか。
何に違和感を持つのか。
どんな言葉を使うのか。
何を美しいと思うのか。
そうしたものが十分に共有されると、毎回ゼロから説明しなくても、AIとの制作が始められる。
明示的なデザイン指示ではなく、
蓄積された自己文脈そのものが、デザイン指示になる。
今回のWeb制作で、いちばん面白かったのはそこだった。
AIによって能力そのものが突然増えた、というより、
これまで自分の中に蓄積してきたものを、別の領域へ持ち出せるようになった。
文章として持っていた文脈が、デザインになる。
感覚として持っていたものが、Webになる。
AIによって、自分の文脈が別の表現へ越境し始めている。
この制作過程を、LIVEで公開します
9月12日の「AI & CREATION|OPEN PROCESS LIVE」では、今回のWeb制作で実際に行っていたことを、そのままお見せします。
ChatGPTに何を話していたのか。
GPTがどのように方向性を言葉にしていたのか。
その指示をClaudeがどう解釈し、どこまで世界観を広げて実装したのか。
そして、出てきたものに対して私がどこで「違う」と言い、どこで「これ」と選んだのか。
完成したページを見るだけでは見えない、人間の感覚が、AIとの対話を通して形になっていく過程を公開します。
コードを書けなくても、デザインの専門家でなくても、自分の感覚をAIと一緒に形にしていくことはできる。
今回は、その制作の途中を見ていただくLIVEです。
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