2009年頃から、私はクライアントさんたちに、セッションを通して起きた変化をご自身の言葉で書いていただいていた。
タイトルは『ひとみずむ』。
いわゆる短めの「個人の感想です」みたいな、よくある「お客様の声」ではない。
1人が悩み、葛藤し、対話を通して視点が変わり、現実を動かしていくプロセスが書かれたノンフィクション・ストーリー。
しかもこれ、短文どころか1人最低でも3,000文字、多い人だと1万文字にも及ぶような大作ばかりなのだ。
当時はブログやメルマガで紹介したり、小さな冊子にまとめたりしていたけれど、その数は70話以上にのぼる。
けれど月日が流れる中で、「もう昔の冊子だしな」と一区切りをつけ、いつしかHPからも掲載を取り下げて、サーバーの奥深くに静かに仕舞い込んでしまっていた。
レンタルサーバーの奥で見つけた「Voice」
そんな過去の記録が再び光を浴びることになったきっかけは、最近進めていたホームページのリニューアルや、新しいプラットフォームでの展開だった。
「やっぱり、新しく発信していくには『お客様の声』が必要だな」
そう思って古いレンタルサーバーの中を徘徊し、過去の「Voice」データをひっぱり出してみた。
そして、何気なくその文章を今のAIに読ませてみたのだ。
すると、AIからこんな言葉が返ってきた。
「すでに、あなたのコーチングの本質や価値について、当時のクライアントさんたちに見事なまでに言語化されていますね」
その言葉ハッとした。
「……えっ、じゃああの昔作った『ひとみずむ』の小冊子って、今の時代に読んでもそのまま通用するんじゃない?」
自分が昔からやってきた対話の本質と、今の自分が大切にしている領域。それは何ひとつブレておらず、完全に地続きだったのだ。
さらにもうひとつ、面白い興味が湧いてきた。
大量のテキストを一瞬で読み込んで構造化するのが得意な「AI時代」だからこそ、あの1人3,000〜1万文字もある数十万文字のドキュメンタリー群をAI(Monoday)に徹底的に分析させてみたらどうなるだろう、と。
「想定外」ではなく、「やっぱりそうだったか」という答え合わせ
AIに『ひとみずむ』や『me, too』のテキスト群を読み込ませて返ってきた解析は、過剰にドラマチックな驚きというよりは、「そう、それ!ずっと感覚としては分かってたんだけど、言葉にできなかったやつ」という静かな答え合わせのようなものだった。
AIは、昔の『ひとみずむ』を単なる「過去の感想集」ではなく、20年の対話の仕事を証明する「一次資料」として、こんな風に紐解いてくれた。
1. これは感想じゃなくて、「変化のドキュメンタリー作品」
Before(悩み)→ 対話 → 気づき → 行動 → After(変化)までが克明に残っているから、単なるレビューではなく「人がどう変わっていくのかを観察できる長編ケーススタディ集」になっている。
2. 結果の数字じゃなく、「変化のプロセスの記録」
「売上が伸びた」「うまくいった」という結果以上に、「どこで視点が切り替わり、どんな葛藤を経て現実の行動に移ったのか」という言葉のプロセスそのものが記録されていること。
3. 20年の「身体知」を証明している
今の私が後から作った綺麗なコンセプトではなく、十数年前のクライアント自身の文章の中に、私の対話の痕跡(身体知)がそのまま残っている。
4. 昔から「肯定も否定もしない」でそこにいた
あるクライアントの文章にあった*「堀口さんの発する言葉には特定の色や温度がない」「良い悪いという評価や感情が潔いくらいに無い」*という記述。今の「Dialogue」や「Art of Being」で大切にしている対話哲学が、当時から自然と実践されていたことがわかる。
5. 「やり方」ではなく「見え方」を変えていた
AIが発見した最も大きなポイント。「こうしなさい」というアドバイスややり方を教えていたのではなく、「鳥カゴの中にいる感覚」や「石をどける以外の選択肢」みたいに、**その人が世界を見ているフレーム(見え方)そのものを少しずらしていた**こと。見え方が変わるから、本人が自分で次の一手を選べる。
6. 同じ答えに誘導していない
管理職のケースでも、会社に残って組織を変えた人もいれば、辞める決断をした人もいる。「成功=こうなること」というゴールを用意せず、外側から話すことで、その人自身の選択肢を広げていた証拠になっている。
7. 過去の資料ではなく、未来の「データベース」になる
この60話以上の記録は、ただの思い出アルバムではなく、今後のケーススタディやコンテンツ、本(Kindle)などの原稿基盤として、これからいくらでも展開できるアセット(資産)であること。
自分を、静かに認めるということ
AIの分析を通して見えてきた中で、特に心に落ちたのはこの3つだった。
- 20年の仕事を証明する「一次資料」になっていること
- やり方ではなく「見え方」を変えていたこと
- 同じ答えに誘導せず、その人の選択肢を広げていたこと
一度は「昔のものだから」とサーバーの奥に引っ込めてしまっていた記録。
けれど、AIという客観的なフィルターを通したことで、それはただの思い出ではなく、自分が20年間積み上げてきた仕事の「確固たる証拠」として再び私の前に現れてくれた。
言葉にしてもらえたことで、自分のやってきた仕事を、心から静かに認めてあげられた気がする。
クライアントさんたちが、それぞれの人生の節目で書き残してくれた、大切な物語たち。
AIの言葉をきっかけにそれらを読み返しながら、私はこれまで、本当にたくさんの人の変化の時間に立ち会ってきたのだ。それが私の人生なのだと。書き残してくださったクライアントさんたちに、あらためて感謝している。
📬 今回発掘されたストーリーは、2006年から続く毎週月曜日メルマガ「Art of Being Mail Letter」の中でダウンロードできるように準備しています! ▶ Mail Letter 登録は無料です
0コメント