最近、ChatGPT Workを使い始めました。
使ってみて最初に感じたのは、通常のChatGPTとの違いは、単に「より賢く答えてくれること」ではないということです。
通常のChatGPTは、こちらが渡した情報をもとに、考えを整理したり、文章を作ったり、アイデアを出したりするのが得意です。
一方、ChatGPT Workでは、必要に応じて実際のWebページを確認し、情報を集め、複数の作業をつなげながら進めることができます。
私の感覚では、
「相談に乗るAI」から、「現場を見に行くAI」になった。
その違いが、いちばんわかりやすい表現です。
求人を「想像する」のではなく、実際に見に行く
私がChatGPT Workを使い始めたきっかけは、クラウドワークスの案件探しでした。
私は20年以上、コーチングや対話の仕事を続けながら、文章執筆、ブログ運営、コミュニテイー運営、近年では生成AIの活用にも取り組んできました。
ただし、経験やスキルがあることと、それが現在の市場で求められていることは別です。
自分では「この仕事が向いていそう」と思っていても、実際に発注されていなければ仕事にはなりません。
そこでChatGPT Workに、クラウドワークスに掲載される案件を継続的に確認してもらうことにしました。
見るのは、単に「私が応募できそうな仕事」だけではありません。
どんな依頼が増えているのか。
企業や個人は何にお金を払おうとしているのか。
自分の経験と、現在の需要が交わる場所はどこなのか。
さらに、その情報をもとに、ココナラやランサーズで提供できそうなサービスまで考えてもらっています。
つまり、「私には何が向いていますか?」とAIに聞くのではなく、実際の発注市場を見てもらってから考える。
ここに、大きな違いがあります。
Etsyの商品ページでも、同じ違いが見えた
その特徴をさらに実感したのが、Etsyの商品ページを確認してもらったときでした。
私はEtsyで、名画をモチーフにしたバッグやマグカップなどを販売しています。
先日、Paul Kleeをモチーフにした黒いマグカップが売れました。
この商品ページは、もともと別の商品を販売していたページを再利用したものでした。
画像、タイトル、説明文、タグなどをPaul Kleeのマグへ変更したあともしばらく、Etsyの「似た商品」には以前の商品に関連するものが表示されていました。
そこで気になったのが、
「現在、この商品はEtsy上でどのような文脈の商品として扱われているのだろう?」
ということでした。
通常のChatGPTに状況を説明した場合、
「商品情報を変更してからアルゴリズムが新しい内容を認識するまで、時間がかかった可能性があります」
といった仮説を返してくれるでしょう。
それも十分役立ちます。
ただ、ChatGPT Workでは、その先へ進めました。
Etsyの商品URLを渡すと、公開されている商品ページを実際に確認し、タイトルや説明文、商品情報、関連商品の表示まで調べたのです。
その時点では、関連商品には私のショップ内の名画を使ったバッグやTシャツなどが表示されており、以前の商品に関連するものは確認できませんでした。
これだけでEtsy内部のアルゴリズムを断定することはできません。
ただ、少なくとも公開ページ上では、現在の商品がPaul Kleeや名画、アートギフトの文脈へ移っていることを確認できました。
頼んでいなかった記載ミスまで見つかった
さらに、この確認作業の途中で、別の問題が見つかりました。
商品は11ozのマグしか販売していないのに、説明文には、
「Available in two sizes」
「Available in 11 oz and 15 oz sizes」
という記載が残っていたのです。
以前作った文章の一部を、そのまま使っていたことが原因でした。
私は「Etsyがこの商品を現在どのように認識しているのか」を確かめたかっただけです。
ところが、実際の商品ページを確認したことで、私自身が見落としていた表示ミスまで発見されました。
その後、11ozだけの商品説明へ修正し、すぐにページを更新しました。
ここに、ChatGPT Workの特徴がよく表れていると思います。
質問に答えるだけではなく、質問の対象になっている場所を確認したことで、別の問題まで見つかった。
これまでのチャット中心のAI利用とは、少し仕事の質が違います。
ChatGPT Workと通常のChatGPTの違い
通常のChatGPTも、文章作成、要約、アイデア出し、相談、分析など、多くのことができます。
私自身、これまで文章制作や思考整理、英語表現、画像制作、商品説明など、さまざまな用途で使ってきました。
ChatGPT Workが、それらとまったく異なる知能を持っている、という話ではありません。
違いを感じるのは、AIが扱える仕事の範囲です。
今回のEtsyの例では、
疑問を伝える
→ 公開ページを確認する
→ 商品情報を読む
→ 関連商品を見る
→ 現在の状態を判断する
→ 別の記載ミスを発見する
→ 修正文を作る
という一連の作業がつながりました。
クラウドワークスでも同様です。
「どんな仕事が向いているか」を一般論で考えるだけではなく、実際の案件を見て、需要を確認し、その結果から応募先や商品企画を考える。
そのため私は、ChatGPT Workを、
「答えを返すAI」より、「調べて、確認して、次の作業まで進めるAI」
として捉えています。
AI活用の差は、「文章を書かせるか」だけではなくなる
こうした機能が広がると、AI活用の差も変わっていくと思います。
これまでは、「生成AIを使う人と使わない人」「プロンプトが上手い人とそうでない人」といった違いがよく語られてきました。
これからは、
AIに文章を書かせる人と、AIを実際の業務フローに入れる人
の間にも差が生まれそうです。
たとえばEtsyで商品が売れたとき、
「売れた。よかった」
で終わることもできます。
一方で、
なぜ今売れたのか。
現在の商品ページはどう見えているのか。
表示内容に間違いはないか。
次の商品に活かせることはないか。
まで確認することもできます。
一つひとつは小さな違いです。
しかし、その確認と改善を繰り返せば、数カ月後には大きな差になる可能性があります。
一人で仕事をしていても、調査担当、商品企画担当、確認担当が加わったような状態をつくれる。
ChatGPT Workの価値は、そこにもあると感じています。
それでも、最初の問いをつくるのは人間
一方で、AIが自動的にすべての問題を見つけてくれるわけではありません。
今回の始まりにも、
「以前の商品に関連する表示が残っていた」
「今は本当にKleeの商品として認識されているのだろうか」
という私自身の違和感がありました。
その違和感がなければ、商品ページを確認してもらおうとは思わなかったでしょう。
人間が違和感を持つ。
問いを置く。
AIが調べ、確認し、整理する。
そして、何を変えるかを人間が決める。
AIができることが増えるほど、人間の役割がなくなるというより、役割の重心が変わっていくのかもしれません。
すべてを自分で調べることより、
何を見るべきか。
何がおかしいのか。
次に何を確かめるべきか。
そこを考える力の方が重要になる。
ChatGPT Workを使い始めて、そんなことを感じています。
ChatGPT Workは「もっと賢いChatGPT」なのか
私自身は、ChatGPT Workを「通常のChatGPTの上位版」というより、
ChatGPTに、作業机とブラウザと実務担当者としての手足が加わったもの
に近いと感じています。
考える。
調べる。
確認する。
比較する。
作る。
それらを、一つの仕事の流れとしてつなげていく。
AIを会話の中だけで使うのではなく、現実の仕事へ連れ出す。
ChatGPT Workと通常のChatGPTの違いは、そこにあるのだと思います。
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