「インタビュー記事、できますか?」と言われて気づいたこと

夜6時、部屋の一人掛けのソファーに座って、ぼんやりいつもの景色を眺めていました。

そのとき、昨日のミーティングで編集の方に聞かれたある質問が、ふと頭に浮かびました。

「インタビュー記事って、できますか?」

その場では、「いわゆる商業ライターとしてのインタビュー記事は、経験がありません」とお答えしました。

実際、これまで「インタビューライター」という肩書きで仕事をしてきたわけではないからです。

でも、あとからじっくり考えていて、ハッとしました。

「あれ? 私、これずっとやってきたんじゃない…?」

20年以上、人の話を聞き続けてきた

私は2006年に独立してから、1対1の対話の仕事をずっと続けてきました。

これまでの対話は、通算5,000回以上。

仕事のこと、人間関係、キャリア、独立、生き方や働き方。

その人が今どこにいて、何を感じていて、何に引っかかっているのか。

話を聞きながら、その人自身もまだ言葉にできていない想いやストーリーを、対話を通して一緒に探していく。

これは私にとって、当たり前のように重ねてきた日常でした。

そして、やってきたことは「聞く」だけではありません。


話を聞くだけでなく、記事にして届けていた

セッションのあと、クライアントさんが話したことをフィードバックシートとして作成する。

クライアントさんとのセッションの中で起きた変化、問い、視点などを記事化する。

これもまた、私が長年続けてきたことでした。

対話の中から、その人らしい言葉を丁寧に拾い上げる。

何が起きていたのかを整理し、どこで見方を変え、何を選び、どう変化していったのかを「ストーリー」として紡ぐ。

また、クライアントさんと作品にした「ひとみずむ / Me,too」もそうです。コーチングを受けて、どの様に変化したのかを、クライアントさん自ら綴るストーリー。私は編集で関わっていました。

その人が語った言葉や実体験をベースに、第三者が読んでも伝わる形へと整えていく作業です。


そうして書いた記事やエッセイを読んだ別の誰かが、

「自分も同じことで悩んでいました」と気づいてくれたり、

頭の中を整理できたり、次の行動を起こすきっかけになったりする。

よく考えてみたら――これこそがまさに「インタビュー記事」そのものでした。


自分の引き出しから、また新たな「職歴」が出てきた

これまで自分の仕事をずっと「対話」という言葉で捉えていました。

だから「インタビュー記事を書けますか?」と聞かれたとき、一瞬、自分とは少し違うジャンルの仕事のように感じました。

でも、やっているプロセスを分解してみると、

  1. 話を聞く
  2. 文脈を読み解く
  3. その人固有の言葉を拾う
  4. 情報を整理する
  5. 読み手に届く文章に仕立てる

一致していました。

むしろ、私が20年間で最も長く、深く経験してきたことの一つだったのです。

市場の側では、それが「インタビュー」「ヒアリング」「取材」「記事化」という名前で求められていた。

そのことに、今さらながら気づかされました。

なんだか、自分の倉庫からまた新しい(古い?)職歴が出てきたような感覚です。


「話すだけで、自分の経験が記事になる」サービス

最近、クラウドワークスなどの外部プラットフォームの求人やニーズを調べていると、「インタビューをしてその人の仕事や経験、想いを記事にする」という需要がとても多いことを実感します。

ただ、そうした機会がある人だけでなく、もっと身近な個人の方にとっても「インタビューを受けて記事にしてもらえるサービス」があったら嬉しいのではないでしょうか。


  • 自分のことを文章にしようとすると、うまく書けない
  • プロフィールを書いても、なんだか堅苦しくなってしまう
  • 仕事への思いや経験を伝えたいけれど、何から書けばいいかわからない

「でも、誰かに質問されれば楽しく話せる!」

そんな方は、案外たくさんいらっしゃる気がしています。

20年以上、人の話を聞き、その人の言葉を文章にして届けてきた私だからこそ提供できる形があるのかもしれない。

「もしかして、これ自体がひとつのサービスになるのでは?」と考え始めました。

皆さん、もし「話すだけで自分の仕事や経験が素敵な記事になる」というサービスがあったら、使ってみたいですか?