AIに文章を書いてもらうとき、私は途中でAIに「私に質問して」と頼むことがある。
最初からすべてを説明するのではなく、まずは思いつくままに話す。それをAIに文章にしてもらい、足りないところを質問で引き出してもらう。
この方法が、なかなか気に入っている。
昨日、鎌倉の天園ハイキングコースを歩いてきた。
北鎌倉から山に入り、山道を歩いたあとは鎌倉の街を散策。マフィン屋さんやパン屋さんに立ち寄り、遅い昼食を食べ、さらに街を歩いた。
一日の歩数は25,475歩。距離にすると約17キロだった。
帰宅後は夕食を作り、ジムのお風呂に行き、洗濯もした。
そして、その日のうちに登山日記を書き上げた。
登山に行った当日に日記を完成させたのは、初めてかもしれない。
どうしてそんなことができたのか。
その理由の一つが、AIとの文章の作り方にある。
最初から文章にしようとしない
私は、AIに文章を書いてもらうとき、最初からきちんとした原稿を用意しない。
まずは、書きたいことを大まかに伝える。
今回なら、何時ごろ北鎌倉に着いて、どんな道を歩き、どんなお店に立ち寄ったのか。
印象に残っている出来事を、思い出すままに話していく。
最近は、キーボードで入力するより、AIに向かって話すことのほうが多い。
そのほうが速いからだ。
話している途中で言い直してもいいし、順番が前後してもいい。
とりあえず頭の中にあるものを外に出して、それをAIに整理してもらう。
最初の段階では、それで十分だと思っている。
AIと一緒に、具体的にしていく
大まかな文章ができたら、今度は内容を具体的にしていく。
今回の鎌倉散策では、いろいろなお店に立ち寄った。
焼き菓子の香りをたどって見つけたマフィン屋さん。途中で立ち寄ったパン屋さん。遅い昼食を食べたタイ料理店。
でも、歩きながら見つけたお店の名前を、すべて正確に覚えているわけではない。
そこで、AIと一緒にお店の名前などを調べて、文章に加えていった。
撮影した写真もGPTに送った。
写真を見せれば、言葉だけでは説明しにくいことも共有できる。
こうして、最初は大まかだった日記が、少しずつ具体的になっていく。
ただ、ここで一つ、気になることがあった。
AIは、私が話したことをそのまま書いていた
AIが作った文章を読むと、私が話したことはきちんと入っている。
でも、何となく物足りない。
おそらく、AIは勝手に話を脚色しないようにしていたのだと思う。
それはそれで、ありがたい。
日記なのだから、実際に起きていない出来事を書かれては困る。
でも、だからといって、私が最初に話したことが、その日の出来事のすべてというわけではない。
まだ話していないこともある。
聞かれれば思い出すこともある。
自分ではわざわざ説明しようと思わなかったけれど、文章にすると面白いことだってあるかもしれない。
AIが私の話を忠実にまとめるだけでは、そこから先に進まない。
そこで、AIにこう頼んだ。
「私に質問して」
質問されると、思い出すことが増える
すると、文章作りの進め方が変わった。
AIから質問される。
私は、その質問に答える。
答えながら、そういえばこんなこともあった、と思い出す。
それをAIに伝え、日記に加筆してもらう。
出来上がった文章を読み、また必要なところを質問してもらう。
その繰り返しだ。
ここで面白いのは、AIに新しい出来事を考えてもらっているわけではないこと。
AIに質問してもらうことで、私自身の中にある記憶を引き出している。
自分一人で書こうとすると、思い出したことを順番に書いて、それで終わってしまうこともある。
でも、誰かに「それはどういうこと?」「そのとき、どうだったの?」と聞かれると、もう少し詳しく話せる。
最初から全部を思い出そうとしなくても、質問がきっかけになって、次の記憶が出てくる。
AIとの文章作りでも、それができるのだ。
AIは、代筆者だけではない
私は2006年からコーチングの仕事をしている。
コーチングでは、相手の話を聞き、質問をすることを大切にしている。
人は、自分の考えをすべて言葉にできているわけではない。
話しているうちに気づくこともあれば、質問されたことで、初めて考え始めることもある。
今回の登山日記作りでは、私自身がAIから質問される側になった。
もちろん、AIとの文章作りと、人間同士のコーチングは同じではない。
でも、質問によって、まだ言葉になっていなかったことが出てくるという点には、共通する面白さがある。
そして、AIを文章の代筆者としてだけ使うのは、少しもったいないとも思った。
AIには、文章を整えてもらうこともできる。
情報を一緒に調べることもできる。
写真を見てもらうこともできる。
そして、こちらに質問してもらうこともできる。
何を書いてほしいかだけでなく、どう関わってほしいかを伝える。
それによって、AIとの共同作業はずいぶん変わってくる。
AIに任せることで、自分にしかできないことが残る
今回、登山日記をその日のうちに書き上げられたのは、AIにいろいろな作業を手伝ってもらえたことが大きいと思う。
でも、日記の中身を作ったのは、実際に鎌倉を歩いた私自身の体験だ。
竹林を歩いたこと。
焼き菓子の香りに誘われて、お店を探したこと。
新しい登山靴が窮屈だと思っていたら、実は左右のある登山ソックスを反対に履いていたこと。
そんな出来事は、私がその場にいたからこそ書ける。
AIは、私の代わりに鎌倉を歩いたわけではない。
ただ、その体験を文章にする過程で、整理したり、調べたり、質問したりしてくれた。
だから、私は最初から完成した文章を考える必要がなかった。
話しながら思い出し、質問に答えながら加筆していけばよかった。
AIを使うと、文章を書く時間が短くなる。
でも、私にとっては、それだけではない。
今までなら時間がかかるから後回しにしていたことに、その日のうちに取り組めるようになった。
それが、最近感じているAIの面白さだ。
そして、こうした使い方を続けていると、今度は別のことも考えるようになる。
毎回AIに頼んでいる作業の中には、もっと自動的に進められるものもあるのではないか。
一つひとつ指示して手伝ってもらうところから、繰り返す作業をAIに任せる仕組みを考えるところへ。
AIとの付き合い方は、まだまだ広がりそうだ。
AI自動化、どこまでできる? 90分オンラインワークショップ
今回の登山日記は、AIと一緒に作ったものです。
でも、私が日頃AIに任せていることは、それだけではありません。
例えば、毎朝9時にAIが市場調査を始める仕組みや、対話の内容を別のAIに渡して学習教材につなげる仕組みなど、仕事の中でさまざまなAI活用や自動化を試しています。
そこで、私が実際に行っていることをお見せしながら、参加者の皆さんにも「自分の仕事なら、どこをAIに任せられるだろう?」と考えていただくワークショップを開催します。
「AI自動化、どこまでできる?」
開催日時は、
10月29日(木)19:30〜21:00
11月7日(土)10:30〜12:00
同じ内容で2回開催します。
カメラオフ・発言なしで参加でき、ワークはご自身のChatGPTやClaudeなどを使って進めます。録画やWeb版テキスト、仕事のAI化ポイントを整理する「AI Work Map」も用意しています。
全部を自動化する必要はありません。
AIに任せること、AIと一緒にやること、そして自分でやりたいこと。
その違いを考えながら、まずは自分の仕事の中で試せる一工程を見つけてみませんか。
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