年上とのコミュニケーション:相手に敬意を払いながら、横から目線はどうやって作るのか?

 先日、クライアントさんが『嫌われる勇気』を読まれたようで、自分をコントロールすることはできるけれど、相手がいるときは、どうしたらいいんだろう?と、自分の在り方について迷っていることに、改めて気づいたようです。

 私も30代前半までは、相手と自分を分けて考えるのは難しいし、自分を正当化したり、ジャッジをして気まずくなったこともありましたし、自分に正直すぎて相手に迷惑をかけたかも…など、いろいろとありました。

 しかし、常に相手がいる傾聴の仕事をするうちに、相手にとってニュートラルな話し相手になる境地を修行せざるを得なくなりました。それで自分なりに出した答えが、アドラー心理学のような在り方だったのです。本の内容はとてもよく理解できました。


 クライアントさんが疑問に思ったことは、年上とのコミュニケーションのことでした。へりくだるのか? 相手をあげるのか? 相手に敬意を払いながら、横から目線はどうやって作るのか? 周りには、過度に自分を下にしなくてもいいよとか、自信をもっていいよ、まわりくどくなっている、などフィードバックを受けたことがあるそうです。

 アドラー心理学の本には、「相手を尊敬する・ほめないこと」と書かれていました。それを実践に移すにはどうしたらいいでしょうか?

 私が実践していることは、「基本的に傾聴の姿勢。こちらが話すことがある時に話す」です。

 私の30歳前後は独立するにあたって、年上の人とのコミュニケーションばかりになりました。私が常に心掛けていたことは、「基本的に相手の話を聴く。聴いたことで参考になったことがあったら感謝を言葉にしたり、変化したことがあったら報告すること」です。とても自然だと思います。

 自分が未経験のことに関しては、なかなか意見をしたりすることも難しいです。でも自然に「すごいなー」と思ったら表情に表したり、メモを取ったり、お礼のメールをしたり。報告ができます。相手ばかり話していたらバランスが悪いですから、こちらから伝えようと思ったら、報告、感謝ができるのです。

 傾聴力に関してはただ聴くよりも「言い換える、まとめる」パラフレーズを入れることができると、相手は安心して話をすることができるので、傾聴スキルは磨いておきましょう。

 アドラ曰く、トラウマは関係ないとおっしゃっています。私もスキルを身に着けたり、自分の在り方を変えていくことによって、コミュニケーションの苦手意識は本当になくなっていきました。まさに「自分を変える勇気」だけが必要なことかもしれませんね。