時間が短くても効果的なセッションをする方法。

 私とジャンルは違いますが、傾聴の仕事をされているクライアントさんは、セッション時間が同業の人と比べると、長すぎるようです。現在90分かかっているところを、60分に短縮するために、どうしていけばいいのか? 相談を受けました。

 その方の特徴は、「相手にたくさん話してもらい、そのうち点が線としてつながっていき、自分のインスピレーションも湧きやすくなる」というものでした。ほかの同業の人は、質問をして、コントロールして、セッションをする側が結構話している印象だそうです。同業の人に相談してみても、短縮できる方法は見つかっていないようでした。

 私もセッション時間が長くなることが、問題になっていた時期もありました。そんなときたいてい、最近の話を引き出しすぎてしまい、そこに対して承認をしていく時間に取られていることに気づきました。昨年からはじまった1D1Uコミュニティー内の『ひとみの部屋』は、15分セッションなのにとても効果的です。

 それは、短いなりのスクリプトでやっているからです。言ってみれば、病院での問診のようになります。きっとその方は、事情聴取のようになっているのではないでしょうか? だんだんと証拠を揃えていきながら、核心をつくような。

 問診のようにすると、ズバッと質問を切り出します。

「話したいことは何ですか?」

「いつから考えていますか?」

「すでに試したことは何ですか?」

「何かアイデアはありますか?」

「自分ではどう分析していますか?」

 私よりも、相手は長い時間そのことについて考えているはずです。相手がわかっていることを質問を使い聴いていくのです。

 病院の診察では、「2日前から、おなかが痛くなりました。熱はないです。昨日からは、関節も痛くなりました」など、事実を話します。もし事実を話さなければ、別の薬を処方されてしまいますから、病気になった人はできるだけ具体的に自分の症状を話すでしょう。そこにプロの視点からの処方箋が入るわけで、市販の薬を自分で選んで飲むよりも、医者に相談したほうが、ピンポイントで効くように思います。

 なので、「自分が何をしたいかわかりません」という人でさえ、「頭の中に今あることは何ですか?」と質問すれば、たいてい話はしてもらえるのです。クライアントさんは、「人は自分のことをよくわかっていないものだから、一緒に探すのを手伝ってあげよう」と思いすぎていたようでした。

 最後にクライアントさんから、「同業の人に相談しても、解決策が見つからなかったのに、堀口さんに話すと解決策が見つかるのって、なんか不思議ですね~」と言われました。

 おそらく私の質問が的確で、その症状がどのような状態なのか? 「事情聴取」と「問診」の違いをつかってわかりやすく説明できたからだと思います。そして、これからどう質問を変えればいいのか? どこを聴いたらいいのか? 処方箋を出しました。

 90分から60分に短縮されるかどうか? その後のご報告も楽しみです。