相手に伝わる説明をするには、どうすればいいのか?

 1D1U Spin-off 『ひとみの部屋』15分バージョンより。

◎焦点が定まってきた、最後の5分間

クライアント:相手にわかっていないところを、わかるように説明をするのは難しいなというのがあって、そのあたりをうまく言語化できていないのかもしれないです。

私:まずは、相手の話を聴くところからはじめるのがいいでしょうね。どこまで理解できているのか? とか、どんなことをやってみたのか?とか、相手の現在地を知る感じで聴いて、そこに対して必要な知識を説明すると、ちょうど相手の足りないところを補えるようになるでしょうね。

ク:言われたことにそのまま答えればいいと思っていましたが、もう少し聴くことが必要でしょうね。

私:そうしないと、何が必要かわからない会話になるので。

ク:そうなんですよね。

私:こちらも、ここかな?足りないのは?と推測してしまいますよね。まさにこのセッションはそうだと思うんですよ。Sさんが、何が足りないのか? 聴いてから、アドバイスを言いましたよね。だから、今日のセッションの動画を観るといいと思います。

ク:そうですね。(笑)答えが出ちゃいましたね。

私:どうですか? 今話してみて。どれくらい理解できましたか?

ク:だいぶ理解できました。思っていたよりも難しく考えすぎていました。そういう方向で考えたほうが、お互い理解が深まるし、こんなはずじゃなかった、がなくなりそうですね。

私:セッションのとき、最初に相手は、悩みとか問題を話してくると思うんですけど、すぐに「こうしたら?」と言うと、「いや。それはやりました」と絶対言うんですよ。なので、「どんなことを試してみましたか?」と、質問するんです。たいてい、あるあるのアドバイスは、やっているもんですよね。「何を試したのか?」「どれくらい悩んでいるのか?」をまずを共有しないと、その人が考えていないアイデアを提供できるかもしれないし、視点を変えられずにいるところをフォースチェンジできるし、まずは相手の現状として、今までどんな試行錯誤をしてきたのかを聴きます。この2つを聴かないと、相手と同じ視座に立って、次の話を進められないんですよ。

ク:仕事の話でも、進まないな~と正直感じていました。

私:そこが原因です。相手の話を聴いていないからだと思います。相手もそこは話すところじゃないと思っているんですよ。たいてい聴かれないから。だからこそ、こちらから聴いてあげると、相手も話しやすいですよね。それに、「いろいろやってきたんですよ。よくぞ聞いてくれました!」ってなるんですよ。

ク:若い子だから、多分喜ぶと思いますね。

私:そのあたりの傾聴力はスキルなんで、知っているのと、知らないのとでは、話の運び方が全然違うと思います。これ、みんな知らないでしょ。(笑)

ク:知らないですね。はじめて聞きました。そうすると、こちらからも質問が湧いてきますね。「どうやったの?」とか。

私:そうやって、聴いていくと、相手のことが理解できるので、スムーズに進むと思います。