『愛するということ』を読んだ人たち。

 1D1U 16th Spin-off で、『The art of Loving』の読書会を1か月間毎日行いました。なんと、ユニタスさんで毎日10ページくらいずつ、朗読音声をシェアしてくださる方がいて、ちょうど30日間で完了しました。難解な本とも言われるので、音声で読書を促してくださることで、挫折していた皆さんも、最後まで読めたようです! 

 私にとって、人生を変えた本No.1です。この本を読むまでは、「愛はもらうもの」とか、「愛し合うことで生まれるもの」ということを考えていたので、冒頭から衝撃を食らいました。「愛されているから愛す」のは幼稚な愛、「愛するから愛される」のが愛であるということに!

 また、「ひとりでいること」に苦手意識を感じ、誰かと会う約束がなくなると、急激に落ち込んだり、寂しがる自分をどうにかしたいと思っていたところに、「ひとりでいられるようになることは、人を愛せるようになるための必須条件のひとつである」というフロムの言葉に、2回目の衝撃を受けます。

 しかし、ひとり暮らしをしていたり、独立してひとりでやっている状態に今自分がなっているということは、これから愛する人になるために条件が揃いすぎている! と嬉しくもなりました。この道でよかったのだ!と。

 それからフロムの言うところの「愛の習練」がはじまりました。「規律・集中・忍耐」を生活全体に関連付けていくことや、「自我を消す・信じる・勇気・能動性」を身につけることを、境地目標として掲げました。

 ラッキーなことに、傾聴の仕事をしていると、毎回相手のことを信じたり、自我を消して傾聴をしたり、アクティブリスニング(能動的傾聴)を余儀なくされるので、よきトレーニングとなりました。フロムは、「相手の話を聴くこと」は愛するために必要だと説いていますので、本当にそうだったのです。

 『愛するということ』を読んで、人生が変わりました。寂しくなくなりました。自分を脇に置いて、いつも能動的に相手を思い接することができるようになりました。ものすごく集中力もついていきました。規則正しい生活を送るようにもなりました。『愛するということ』を読まなかった人生だったら、いつまでも寂しいままだったかもしれません。

 10年前に衝撃的に影響を受けた本を「Love yourself」のスピンオフとして「The art of Love」で読書会することにしました。私自身も改めて読み返したことで、再確認しました。そして、「シルキーな返しができる人を増やし、お茶の間を幸せにしていきたい!」という私のビジョンが明確になったのです。年の節目に開催できて本当によかったです!

 参加した皆様にも、振り返りの質問を投げかけました。


◎『愛するということ』の本で特に印象に残った言葉な何ですか?


・相手の可能性を信じる。信じる勇気。

・与えることは自分の持っている力のもっと高度な表現である。

・あらためて読んで、こんなに日々の鍛錬を推奨する本だったのかと気づきました。なかでも「ある価値をこれがいちばん大事なものだと判断し、思い切ってジャンプし、その価値にすべてを賭ける勇気」という言葉が印象的です。客観性、信じる(願う)、勇気、能動は、人生のキーワードになっていきそうです。

・市場です。自分の価値も交換対象になっているという考えは、いやだけどそうかもしれないと思いました。社会がそういう仕組みになっていることを無意識に受け入れていたことに気付きました。

・与えるという行為は自分の生命力の表現。

・内的な怠慢を避ける。

・他者への愛と自己愛は分割することはできない。

・自分自身を信じている者だけが、他人に対して誠実になれる。

・赤の他人を愛せなかったら身内も愛せない。

・愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない。

・愛は技術 勇気 信じる


◎『愛するということ』を読んだ人生と、読まなかった人生、違いが出ると思いますか?

・他人との付き合い方、距離感、自分を愛すこと、全てが理に叶う。

・マインドの持ち方が違ってくるのではないでしょか

・愛に対する考え方と取り組み方に違いが出ると思います。

・出ると思います。どんな相手でも、時代がどれだけ変わっても、人間の本質は変わってないんだなと思いました。

・出ます。愛するとは特定の人だけを対象とするわけじゃないということが分かったので。


 読書会をしても、まだ読了していない方もいらっしゃるようです。50年以上前の本ですし、翻訳本なのですぐにスーッと入って行かないところがあるからかもしれませんが、最初と第四章を読めば、愛する人になるために必要な習練について、理解しやすいと思います。そして、日常生活で実践することが何より大事なことです。

 実際に、年末年始の家族行事で、家族の風景が変化したとおっしゃる方も何人かいらっしゃいました。お茶の間が幸せになって、本当によかったです。

 初の試みであったオンライン読書会。皆さんで感想や体験談をシェアできるので、さらに深まるのを感じました。またこのような機会を設けたいと思います! ありがとうございました。