自分の枠の外で考えるにはどうしたらいいのでしょうか?

 「考えなくて済むは、本質的にはつまらないことなのかもしれない」の記事のセッションのクライアントさんから、その後気づいたことのメールを頂きました。
 セッションの中で、「いくら自分の中で新しいことを探そうとしても、いつもの自分の発想の中だけでは予定調和だから、どことなく不満感や焦燥感がのこるのかもしれない」という、自分の不満の正体が見えてきました。自分を変えようと、行動も変えてきてはいますが、ただ、新しいことを始めるというのとも違うような雰囲気です。もっと根本的なところから、自分が変わる体験を欲しているのかもしれません。
 「自分の枠の外で考えるにはどうしたらいいか、自分なりに考えてみよう」で、セッションが終わりました。

 「自分で自分の枠を壊すには?」
 セッションの最後に、私がクライアントさんに投げかけた問です。その後、いろいろと考えはじめたそうで、「いくつかアイディアを出してみても、どうも枠の中。いっそのことバンジージャンプでもやってみようかなぁと国内で体験できる場所を調べたりして、昨晩はなかなか寝付けませんでした」とメールに書いてありました。それで結局、辿りついた答えは…。

 「フォーカスするところを変えようと思いつきました。私自身が思っている自分のイメージを覆すような行動をとってみようと決めました」ということでした。

 「自分と正反対の人だったら、そんな時どういう行動に出るか?」 

 『Possibilities』EVENTで私があるエピソードを話したのですが、それを聞いて、自分と正反対の行動だと思ったそうです。そこで、「自分がその行動をとってみよう」と!

 新しいことをしようと思い「バンジージャンプ?」は、よく出てくるアイデアだと思いますが。(笑)そういうことではなくて、「もし、あの人ならどうするんだろう?」と、自分と正反対だなと思う人や、今までの自分とは正反対だと思うことを考えると、枠が外れやすいと思います。あとは、やるかやらないか。

 私も自分の枠を壊すことを常に意識的に考えるようにしています。自分の発想を壊すために、何かアイデアはないだろうか? と、全く違うところから持ってこようとします。
 映画がヒントになることもありますし、姪の授業参観で閃くこともあります。ふとした誰かの一言で、「ハッ」と気づいたりもします。自分に問いを投げかけておけば、目にしたもの、聞こえてきたものがメッセージとなり、自分の内側の答えに気付かせてくれるのです。たいていメッセージというのは、ちょっとそのときの自分からしたら居心地悪いものもあるかもしれませんが、それこそが、自分の枠に出るヒントになるでしょう。



 私は、5年くらいボイトレで歌を習っています。年に2回、自主開催で行うライブでは、自分の枠を外すような選曲を1曲は入れるようにしています。
 
 来月のLiveでは、『Time to say goodbye』がそうです。前回のLiveの懇親会で、メンバーが冗談ぽく私に提案したものでした。タイトルが英語なので、ほぼ英語かと思っていたら、「Time to say goodbye」以外イタリア語でした。歌詞を検索して初めて知りましたが。(笑)やってみる前から、難しそうな情報を知りすぎていたら敬遠するところ。Just do it! で飛び込んでしまってから考えると、枠が外れるんだと思います。
 飛び込んでみると、ヒントが引き続き自分のもとにやってくるもので、たまたまオペラを見に行く機会もあって、ファルセットを省エネかつ力強く歌う方法を見つけました。お手本のイメージを得たことで、レッスンの中で先生の言うこととも繋がって、高音の歌い方も、これまでの自分の枠以外の手法を身に着けることができました。それは、生まれて初めて聴いた自分の声でした。そうやって、新しい自分に出逢うのだと思います。それは自分の中で、心地よい満足感に包まれるでしょう。