避けて感じないようにしていると、より大きくなって追いかけられることになってしまったりもする。

 先日の対面セッションで、沈黙が多く続いていたので、クライアントさんは、不安になられ、「こんなに、話しが続かない方もいらっしゃるのですか?」と質問されました。

 私は、「色々なクライアントさんがいらっしゃいます。沈黙してもらえるから、話せるという人もいるし、最初から、ずっと、話しが止まらない方もいらっしゃいますし。本当に色々です。今、思っていらっしゃること。何でも話してくださって大丈夫なんですよ。そういう場ですので、何でも感じていることを話してもいいんですよ」とお伝えしました。

 また、沈黙が続きました。すると、「とても話しにくく感じています。返してくる言葉が、私が感じていることと全部違いますし、コーチングを受けるに当たり、コーチングについても知らないで来てしまったし、もっと引き出してもらえるものと思っていました。セッションの前に、何か考えて行くことはありますか? とメールしましたが、特に用意は大丈夫とあったので、何も考えてきませんでしたし…」と涙目でおっしゃいました。
 
 セッションと言う場自体が、普段のコミュニケーションをそのまま投影されていることに、ご自身で気付いたのは、そうおっしゃった後に、3分くらいまた沈黙となり、私が、これなら話しやすいかなと思って投げかけた質問に答える最中のことでした。

 それから、お話しされていく中で、「そもそも、話すのが苦手なのです。いつも人目を避けることが多いです」とその方が、おっしゃったときに、繋がりました。
 セッションは、話しが進み出したのもあり、そのまま流れに身を任せたら、2時間が経過しました。


 セッションが終わったあと、フィードバックシートを書きながら、毎回、セッションの事を振り返ります。

「話すのが苦手なんです」と最初におっしゃる方のほうが、結構すらすらと話す人が、意外と多いと感じます。
きっと、その場合は、こちらの合いの手の入れ方次第ですので、聴き手が良ければ、話せるというわけです。

 しかし、今回のケースや、以前にも似ているケースがあったことを思い出しましたが、話すことを止めているのは、ほかならぬ自分というケースです。

 人間誰しも、そういうときは、あるだろうなと思います。
「そのことについて、恥ずかしいと思っているから、話せませんでした」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

 そんなときは、「恥ずかしく感じる」ということを受け止めて、その感情をきちんと味わい尽くすことが、まずは、改善策を立てる前に必要なことかと思います。

「恥ずかしさを受け止めて、きちんと感じる」こと。「恥ずかしさ」を感じきると解放されていきます。
 恥ずかしさを避けて感じないようにしていると、より大きな恥ずかしさとなって追いかけられることになってしまったりもします。

 また、「恥ずかしさを嫌わないこと」ということです。自分のことを許すことが必要なのかもしれません。


 昔の失敗について、単なるエピソードとして、話せるようになるまでに、私も時間が掛ったことがりました。

 あの出来事のおかげで、私も成長できたんだと、冷静に話しているつもりでも、相手から、もっと突っ込まれた質問をされたとき、涙が出たことがありました。

 まず、表面上で思ったのが、その質問自体、なんだか責められている感じがしたということです。とても、意地悪に感じました。その涙は、我慢もできないほど、自然と頬を伝いました。
 そのようなことが再び起こらないように反省し、改善案も実行しているというのに、どうしたことでしょうか。

 また、質問した相手は、別に私を陥れようとして、意地悪な質問をしたとは、考えにくい相手でした。
 別の知人に、「そう言われて、泣いている自分がいた」という話をしても、まだ、それが何かが全然、わかりませんでした。

 あるとき、本を読んでいて、「自分の中にある、責められている感じに反応した」という見方を見つけました。

「責められている感じ」を味わいつくしていなかったのです。その感情を味わっていたら、自分で自分を責めていることに気付きました。そして、自分を許すことにしたのです。
 その出来事が起きてから、もう4年の歳月が経っていました。

 感情を受け容れること。今回のセッションを振り返ってみて、改めて「感情を味わい、受け容れる」というプロセスの大切さに気づきました。

 セッションの回数を重ねていくと、クライアントさんも、自分の中にある何かに反応しているという見方が標準装備されていきます。
 すると、セッション以外の日常でも、相手にされたことは関係なく、そういう現象が起こったときに、自分は、どう感じているのか? という見方になるので、その感情を味わいつくして、感情の下層の何かに気づけていくようです。喜怒哀楽に、いいもわるいもつけずに、感情をただ味わうということです。

 このブログを読んでいらっしゃる方はどうでしょうか?
「感情を味わう」ことが、少しでもおわかり頂けていればいいなと、思っています。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分が避けている感情は、何かありますか?