本:The Child―内なるこども [大型本] 豊田市美術館 (編集)

 amazonでなんとなく、目についた本でした。「内なる子供」というキーワードを探していたまんまだったのもあります。今、作っているコーチング体験記は、いままではつけていなかった、「小見出し」もつけているのですが、2人のクライアントさんの小見出しに「内なる子供」というタイトルをつけたのです。セラピストであるクライアントさんが書いた物語と、そのクライアントさんがセラピーをしたシーンが書いてあります。子供時代の体験が、その人の価値観として形成されているんだなと、その原点がわかる記述になっています。

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★The Child―内なるこども [大型本] 豊田市美術館 (編集)




(作品紹介より抜粋)

 アーティストにとっても、この<こども>の存在が創造力の源となることがあります。たとえばわが子の「生」の喜びと、同時にしのび寄る「死」への不安。また、心の奥底に住みついている自画像としての<こども>。本書では、国内外の作家たちによって表されたこども像80点と、作家の言葉を取り上げます。それはきっと、見る人の心の中にいる<こども>をも呼び覚ます力をもつでしょう。

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 さて、本書の冒頭の文章は、とても印象的でした。

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-----今こどもでない人も、かつてはこどもだった。

 すべての人は、こどもかこども経験者であるのにもかかわらず、<こども>とは、とらえがたく、はかり知れない存在です。

 こどもは単なる幼い人ではありません。こどもは人が人となるために通過する重要な時期であると同時に、人が人であるための原点ともいえるでしょう。そのため、こども時代が過ぎ去っても心の中には<こども>-----原点としての自分-----が存在し続け、人はその<こども>を愛でながらも、そのこに手を焼き、そして、傷つけられ、悩みをもだえながら生きていかねばなりません。

 ところで、この心のなかの<こども>と常に向き合いながら自分探しをする人、それがアーティストではないでしょうか。 

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 本書は、作家の作品と言葉が綴られています。作品はもちろんのこと、言葉も詩のようで、その世界観をより圧倒的に伝えてくれる役割を示しています。芸術家は、意味が分からないところが正直ありますね。それがいいような気もしてきて、いつの間にか本に没頭してしまいます。そのよくわからないところが、その人のなかの<こども>アーティストな部分なのかもしれませんが。

 昨日観た映画、『ハッシュパピー バスタブ島の少女』も主役が子供でした。少女を見ながら、感じながら、自分の子供時代をつい考えることになるでしょう。子供からは見えないものも沢山ありましたが、大人に見えないものを少女は感じている様子が表現されていたように思います。

 私が、姪っ子と一緒に居るときは、自分の子供時代を彼女を通して観察し直す私がいます。すると、自分が捉えていたことと違う真実を、いまさらながらに発見してしまうこともあるし、こうして欲しかったのかな? を私が子供にしてあげることで、自分自身も癒されているのを感じます。

 みなさんは、<こども>をどう捉えているのでしょうか?