夏コミ「相手を思いやる・思いきる」開催しました。
今回は、初の東京国際フォーラムです。
今回は、初の東京国際フォーラムです。
重厚なドアを開き中に入ってみると、しっとりとしたグリーン色の壁が見えました。それが功を奏したようでいつもよりも集中力がアップしていたのではないかと、数回参加されている方もおっしゃっていました。なかなかいい会場でしたので、また使いたいと思いました。
今回のレポートでは、このコミコレを通して発見したことについてシェアしたいと思います。
■最初にコミコレの参加動機をアウトプットしていただきました。
「本音で話せていない」
「うまく伝わっていない感じがする」
「言うべきところで失礼のないように言いたい」
「ストレートに言いすぎるか、オブラートに包むかどちらかになってしまう」
「相手を思いやる感覚をつかみたい」
「イメージには浮かんでいるけれど、言葉として伝えられない」 など・・。
■相手を思いやる、思いきるとは何か?
「相手の立場を思って」というワードが出てきたので、具体的に「相手の立場」ってどういうところをみているのか? をみなさんに訊いてみました。
すると、「タイミング、性格、雰囲気、相手とのこれまでのやり取り、行動パターンを観る」など意見が出てきました。
「本音とは何なのか?」と問いかけると、ある参加者の方から「自分の思っていること」と返ってきました。
ということは、「相手に本音を言いたい」は、実は自分の思っている感情や気持ちを相手に言おうとしているということです。しかし、それは相手を思いやるなのでしょうか?
もし、それも飲み込んでいるとしたら、自分の本音でさえも、自分で気づいていない場合もあるのかもしれません。相手になんて言おう? と考えているうちに、自分が実は「怒っている」ことも気づけないということです。どうやら、相手と自分の両方を見ることが必要そうです。
また、うまく伝えられないと思ってしまう理由として、「相手のタイミング、性格的なもの、雰囲気的なもの、相手とのこれまでのやり取り、行動パターンを観る」ことをしすぎて、結局伝えられないのではないかということも見えてきました。
ここで、「地雷を踏まないようにしている」という言葉が上がりました。
相手の様子を伺うということは、地雷を踏まないように進もうとしているからです。逆説的ではありますが、相手に思いきるには、地雷を踏むことが必要なのではないでしょうか? と投げかけました。
では、どうすれば、踏みたくない地雷を踏めることができて、進んでみたらもっと先に楽園がみつかるところまで行けるのでしょうか?
「その先の楽園に辿りつけますから、地雷を踏みにいきましょう」という前提で、話を進めました。
地雷を踏んでも先に進めるには?
それは、「装備」していればいいということです。では、装備とは一体何のことなんでしょうか?
例えば、あるとき好きな人に告白できなくて、悩んでいるクライアントさんがいらっしゃいました。何故、告白できないのかと訊くと、「告白したら、引かれる」とクライアントさんが信じ込んでいたからなのです。
私が、「もし、告白して引いてしまったら、それは相手の問題です。だから、『そこ、引くところじゃないですよ!』と笑い飛ばしてしまえばいんですよ」ともしもの時の装備の仕方をクライアントさんに教えました。すると翌日、相手に告白することが出来たのです。そこで、付き合うとか決まったわけではありませんでしたが、相手は「気持ちは受け取ります」と言っていたことに、ホッとしたとおっしゃっていました。
思いきって伝えたことで、クライアントさん自身が以前よりもオープンマインドになれたという感触を得られたことが、収穫だったようでした。そして、今でも気持ちを伝えた相手とは、楽しく続いているようです。「引かれて終わっちゃうんだ…」というクライアントさんの思い込みは、どうやら撤回されたようですね。
そのように、「相手の立場を考える」にプラスアルファとして、「自分の対応の準備」があれば、「思いきる」へ進めるのかもしれません。
ここから、「対応の言葉選び」について考えていくことになりました。
実際の場面で、「反応」で終わってしまったエピソードをシェアしていただきました。
・相手が怒っている時、シャットダウンしてしまう。
・知らないことを言われたとき、「ふ~ん」
・訊いてもらえないとき、「もう帰る!」
・上司に指摘されるとき、「何でそんなこと言うの?(思うけど言わない)」
・何かあったら僕に言ってくださいと言われたとき、「あ…は…」
・決めつけられると、「そんなことないです」
・皮肉、嫌味を言われても、「わかりました(怒)」
などがありました。
これらは「どれも反応して終わり、完了してしまっているのでは?」と播磨さんが投げかけると、参加者の皆さんが、一斉に腑に落ちた様子でした。
人間関係で相手と意思疎通がうまくいかなくなる時は、「反応して終わり」になって、そのままシャッターがしまって、もう終わりになることも、悲しいことですが、あるでしょう。
「相手とさらに関係が続いていくのだ」という前提で伝える言葉を考えてみたらどうかと投げかけてみました。
そして、相手と会話が続いていくような言葉に参加者のみなさんと一緒に考えていきました。初めて考えるに等しいことになっている方もいらしたようで、浮かぶ言葉が、相手を攻撃する言葉ばかりになりがちな状態であることを客観視できたようでした。また、回答の例が出てくるたびに、感覚的に理解しつつあるように見えました。
・相手が怒っている時、シャットダウンしてしまう。
→「怒っている?」「どうしましたか?」
・知らないことを言われたとき、「ふ~ん」
→「ちょっと教えてください」
・訊いてもらえないとき、「もう帰る!」
→「今度にする?」「一緒の席にする?」
・上司に指摘されるとき、「何でそんなこと言うの?(思うけど言わない)」
→「なるほど。例えば、この場合はどうでしょうか?」
・何かあったら僕に言ってくださいと言われたとき、「あ…は…」
→「本当に言ってもよろしいですか?」
・決めつけられると、「そんなことないです」
→「なるほど、そう見えるんですね。○○な場合もありますけどどうでしょうかね?」
・皮肉、嫌味を言われて、「わかりました(怒)」
→「なるほど。ということで、いいんですね?」
ポイントとしては、シャットダウンをするのではなくて、会話を続けようとする言葉を選ぶこと。また、目的がどこにあるのか? を認識することで、思いきるゾーンへ進めるということです。
例えば、上司から指摘された言葉は、「共通のゴール」を見ているからそう言われたのだと解釈すれば、自分が攻撃を受けたというよりも、よりよくするために、相手が伝えてきているのだと思えます。また、相手がぶれているときも、目的を共有しているのならば、指摘することが可能になるのではないでしょうか。すると、地雷が地雷でなくなるのでは? と話が進んでいきました。
最後のワークは、「言いたいことを言うワーク」をしました。ペアを組んだ参加者あてに、今回のやり取りを通じて、相手に伝えたいことを手紙に書いて渡すというワークです。初対面でありながらも、「ここは伝えておきたい」という言葉が手紙に書かれていました。
手紙を受け取ったとき、それぞれが心の中に何かを持てたかのようで、ふと笑顔がみえました。「言葉にして伝える」ことも、やはり大切なことだと、改めて感じる瞬間でした。
どんなコミコレになるのだろう? といろいろな切り口を想定していましたが、終わってみると時間がいっぱいいっぱいで1つワークを飛ばさざるをえなかったです。
しかし、「反応→対応言葉を見つける」ということが重点的にできたことで、地雷を踏みながらも前に進めて、その先の楽園に辿りつけるのではないかという、道筋が作れたことは、大きな変化につながるのではないかと思いました。
今日ご参加された皆様ありがとうございました。
つながりを持とうとする気持ちが、やがて素敵なものに育っていくといいですね。
次回のコミコレは、「真実を見つける」です。「事実と真実って何が違うんでしょうか?」と参加者のかたがおっしゃっていました。私もこのテーマの開催がとても待ち遠しいです。
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