五感(六感)を駆使していなかったから、伝えることが苦手だった。

 その20代後半のクライアントさんは、伝えるのが苦手とおっしゃっていました。セッション中、「やってみないと、わかりません」という言葉を何度も発していらっしゃいました。触感覚タイプです。そういった方は、やはり対面セッションがお好きな傾向があります。そうフィードバックすると、前回も対面セッションでしたし、笑っていらっしゃいました。

 「会社を辞めることにしたけれど、何で辞めようとしたのかを言語化したい」と辞めることを決めた後におっしゃるところも、何とも特徴が出ていらっしゃるなと感じました。

 例えば、「ふわふわ」と言われても、風船がふわふわなら、わかりますが、「ふわふわ生きて行く」と言われても、伝わりにくいわけです。

 そこで、言葉を一緒に感じながら、質問とフィードバックをしていき、言語化を手伝うことで、相手により納得感を自分で持っていただくような、セッションをしました。

 「伝えることが苦手だから、どう磨いていけばいいか?」私の体験談をシェアすることもしました。そのときに、シェアしたこととは、全く違うことを急に思い出したので、そのクライアントさんへの補足説明として、今回は、「伝えることを磨く方法」を記事にしてみました。私の知っている限り、私しかやっていない方法かと思います。ちょっと変です。(笑)

 私も伝えることが、かなり苦手だったので、鍛えることに、時間を費やしてきました。

 言葉にできる人が羨ましくて、また、比喩表現も素敵に使いこなせる人なんてもっと羨ましくて、ファッションで素敵に自分のことを伝えられる人も羨ましいし、自分の表現力のなさに、落胆しながら、そういう素敵な人に憧れながら、バランスの良い人間になりたいなと思っていたのです。

 結局、今思うことは、ボキャブラリーが少なくて伝えることが苦手だったというよりも、「五感(六感)までを全て使っていなかった」というほうが、ぴったりきます。

 人間には、それぞれ優位な感覚がある、ということを、ある心理学テストをやったときに知りました。そのとき、アパレル店長をしていたのですが、スタッフたちにもやってもらったら、人それぞれ、なるほどの結果になりました。私は、「言語」「触感覚」のポイントが多めでした。

 私は、人間として生まれてきた以上、平等だろう、という考えの元、(笑)、自分のポイントが少なかった部分も伸ばせると確信し、視覚タイプや聴覚タイプを参考にして、彼らがどんな習慣を持っているのか? をモデリングすることにしたのです。

 「視覚」を鍛えるために、目で記憶することを増やすように、習慣づけました。聴く仕事をしているので、「聴覚」は飛躍的に鍛えることができました。「触感覚」に関しては、感覚的な言葉が面白く飛び出てしまうような友達との会話を楽しく味わいながら、私も比喩表現が出てくるように、感じたままに発言をすることを意識して行いました。また、そういう人たちは、動きがゆっくりなので、自分も味わうことをさらに意識しました。

 そんなことを面白がってやっていくうちに、脳みそが開発されたのかもしれません。苦手だったファッションセンスも、インテリアのセンスも、過去の自分と比較したら、飛躍的にセンスよくなりました。聴覚は、英語を聴く力も、15年くらい英語の勉強をしていなかったのに、初めて出会った外国人と90分間、会話を楽しめていたという、自分にとって、驚きの体験をしたこともありました。

 第六感としては、ただ言葉の表面だけ聴くのではなく、心の内まで聴くことを意識すれば、もっと聴けることができ、相手が見えていない部分も伝えられるように、心の目を磨きました。

 伝えるには、そもそも、伝えるものを発見できないと伝えられないというのがあります。そのために、五感(六感)を磨くことなのです。そして、見えたもの、感じたものを言葉にしていくわけです。それは、毎日言語化する習慣を持てば、段々と言葉を紡ぐことは、磨かれていきます。つまり、「言葉にして伝える」は、結果みたいなものなのです。

追伸:1月にする「伝える」セミナーでは、この記事のような、「六感」というテーマからも、伝えることについても話してみたいと思います。


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