相手に素直な想いを伝えたいのに、伝わらない言葉が思い浮かぶ。何が自分を妨げているのか?

 気になる人がいて、まわりの仲間たちにも知られているという状態のようで、気持ちを伝える場を周りがお膳立てしてくれたようです。しかし、うまく伝えられなかった気がしていて、相手に素直な想いを伝わるように伝えるにはどうしたらいいか? 何が自分を妨げているのか? に気づいて、解消したいというテーマでした。

 そのとき伝えたことというのを私も聞かせてもらいました。
 相手と出会ったことで、自分がどう変わったか? という話が主題でした。私はライフコーチの仕事をしていて、クライアントさんに「自分がどう変わったか」をよく伝えてもらうことがありますが、その場合の関係性とは違って、クライアントさんがその相手に言ったことというのは、「相手が自分の鏡みたいで、色々自分に気づかされた」というようなことでした。確かに、相手からしたら、「何を言いたいの?」という感じになって、伝わりにくいかもしれません。自分が変わったことだけを伝えても。なぜ、それを伝えたいと思ったのでしょう?

 「なぜ、そう伝えたいのか?」とクライアントさんに訊いてみると、「相手にもヒントになればと思う気持ちがありました。私のエゴかもしれない。向こうは求めていなかったのかもしれないですね…」とおっしゃいました。

 エゴという言葉がでてきて、「相手に負けてあげられない。相手のペースに合わせてあげられないところがある。もうちょっと大人に振る舞ってよと、どこかで自分が思っているのかもしれない」と思考が進みました。しかし、まだこの時点では、「自分が何を伝えたかったのか?」見えてきませんでした。

 一体、何が妨げているのでしょうか?

 周りの人は、「相手のことが好きなら褒めればいんだよ」という意見もあったり、「相手は難しい性格だから、あまりお薦めじゃない。早く答えを出して、次へ行ったほうがいいよ」と言う人もいたり、段々と周りに翻弄されている自分にクライアントさんが気づかれていきました。
 結局周りは、「好きなら好きって早く言って、決着つけなさい」という意味合いで、お膳立てをしてくれたということが、周りの気遣いだったようです。

 しかし、それは周りの人が思うことであり…と、クライアントさんは気づきました。「自分としては、結果は焦らなくてもと思っていました。なのに、知らぬ間に他人軸になっていました」と自分を客観視出来たようです。

 となると、今伝える言葉は、「出会えてよかった。これからもよろしくね」ではないかと、私が代弁すると、クライアントさんが、「そうです。そう言いたかったんです!」と、ようやく自分というところに戻ってきたというような雰囲気で答えました。

 こちらのクライアントさんは、6回目のセッションだったのですが、数か月前のクライアントさんからしたら、「出会えてよかった。これからもよろしくね」という言葉は、きっと腑に落ちなかったのではないかと思います。

 少し前までは、自分の満たされない気持ちを満たしてくれる好きでもない人と付き合っていたことがあったとおっしゃっていました。しかし、その人とも別れたとき、コーチを依頼することにして、変化していきたいと思ったのだそうです。

 そして、セッションが始まってから、120日くらい経った今、「今は、自分で自分を満たせるようになった」と、クライアントさんが自分の口からそう言えるようになっていました。過去は愛してもらうことに必死だったけれど、自分から愛せる人になった。というところは、180度変化したところだったと思います。

 私が、「過去の自分とは、もう違いますね」と伝えると、「あ、過去の自分と切り離してはいなかったです」とハッとされていました。

 切り離していなかった、という感じが、他人軸にも翻弄されてしまったのでしょうか。
 顕在意識では、過去の自分と違うことを意識していても、潜在意識の方では、まだ過去の自分のままでいることがあります。潜在意識のほうにも、「もう過去の自分とは違うんだよ」ということを認識してもらうことは、必要なのかもしれません。

 『me,too』コーチング体験記エッセイを書いていただくと、より生まれ変わりを実感していただけるかと思います!クライアントさんも書くのが楽しみになったようでした。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分から愛するということについてどう思いますか?