180度自分を変えたいとき、自分の中の新人に教えていくイメージを持つ。

 オリエン後、第一回目のセッションでした。考察の質問集に事前に答えて頂くのですが、人生の中で答えたことのない質問ばかりで、結構気づくことがあります。
 ストレングスファインダーの自己分析テストも行います。今まで短所だと思い込んでいたところが、長所にも思えるのか! という発見もあり、自分の視点の偏りにクライアントさんは気づいたそうです。

 それから、「人のせい」にしてしまうことに、以前の単発セッションのとき、明らかにご自身で気づかれ、そのルーツとなる子供時代の親からの問いかけが、その習慣を生んでしまう要因だったのかもと気づいたそうです。また、今ならその頃の親の状況も理解でき、仕方なくそのような言動になったのだと、思えたようでした。

 そして、質問集に答え終わった時、「大きな転機なことがあるわけでもない私が90日コーチングを受けるのは早いのか?」と心配になったようです。
 私は、「日常生活のことを変えることは一番難しい。そこに取り組むことがライフコーチングだと思う」と答えました。後から気づかれるのですが、「私にはまだ早い」という考え方もクライアントさんの癖から出てくる発言だったのです。

 セッションに入っていきました。「やりたいと思っているけれど、できていないことが沢山ある」というテーマでした。

 「資格の勉強ははかどらない。努力していないのに、受かったことだけは考える。食べ過ぎる。なのに満たされない。規則正しくしたいけどできない。嫌な気持ちがどこにあるのか?」と色々と原因を考えるようですが、前進しないようです。

 最近、上司の言っていることが分からなかったことがあり、隣にいた部下にも聞いてみたところ、やはりよくわからないとのこと。わからないから、他の人に聞いて理解出来たけれど、それでは、その上司のプライドを傷つけてしまったのかも、と心配になったそうです。
 自分の質問力や理解力が足りないから、わからなかったのだろうと思い、結局、「自分の理解不足でもうしわけありませんでした」とその上司に電話口でそう言うしかなかったようでした。

 私は、間髪いれずに「自分を責めてますね」と言いました。クライアントさんは慌てふためいた様子で、涙声になっていました。「自分を責めていることに今初めて気づきました。自分が悪いと言えば、許してもらえると、昔の自分が喋った感じになっていたのをそのとき感じたのです」とおっしゃいました。

 クライアントさんが、何度も威圧的な上司たちを引き寄せていた理由は、「自分を責めていることに気づかせるため」だったのだと、そこでつながりました。いつも「自分の理解力が足りなくて申し訳ありませんでした」と返答し続けていたようです。

 まずは、自分を責めることをやめて、それから、どうコミュニケーションをとったら、より円滑になるか? について、方法を考えることです。自分を責めたままだと、方法論を使ったところで、さらに自分を責めてしまうことになるでしょう。

 単発セッションや今回のセッションで、クライアントさんは自分を客観視することができて、「私ってネガティブな捉え方なんですね」と、これも初めて気づいたようでした。

 その状態で、私のブログを読んで「ニュートラル」な捉え方が私もできるようになればいいなと思ったようなのですが、自分とかけ離れ過ぎて、魔法の世界のような気がしていたようです。

 私は、ネガティブからニュートラルに急にいけないと考えています。過去の私は、ポジティブに偏り気味で、ネガティブをどちらかというと避け気味でした。
 そのことに気づいたことがあり、4年前くらいから自分のネガティブにも積極的に触れるようにしたのです。ポジティブ→ネガティブ→ニュートラルというプロセスで、今に至ります。

 つまり、クライアントさんは逆で、ポジティブな見方をして、ポジティブさを味わうことも必要のようです。ネガティブな気持ちも理解し、ポジティブな気持ちも理解し、そうしたらニュートラルになると思いませんか?

 では、180度自分を変えるとき、どうしたらいいのでしょうか?

 私は新しいアプローチをクライアントさんに提案しました。
「やりたいと思っているけれど、できていないことが沢山ある」というのは、過去から今までの自分です。物の考え方が、過去から今までのレパートリーしか持っていません。

 そこで今から、「新人」を自分の中につくり、新人に180度違う考え方を教えていくのです。
今まで、部屋の掃除が出来ない自分に、「フットワークの軽い人は部屋の掃除がいつもできているみたいだから、自分もそうやってみよう」と新人に教えます。そんなことの繰り返しで、やがて、過去の自分が別人になり、新人が自分のなりたい自分に昇格するのです。
 たまに未熟な別人が事件を引き起こしますが、その存在にも気づいてあげながら、新人に新しい物の見方、言動を教えていくのです。


 ちょうど、クライアントさんの仕事場に新人が入ってきたタイミングで、「新人」という言葉は、フィットし、セッションの最後の方は、心地よさそうな声に変化していました。
 「私が悪いんです。申し訳ありませんという人を自分が嫌なのに、自分でもそうしていました。自分を責めているから、相手も責めていたんですね」とご自身でまとめられていました。

 私に、「別人と新人、どうしたらわかるんですか?」と質問がきたので、「体の中の感覚でわかります」と答えると、「さっき、『自分を責めていますね』という言葉が、頭の別のボックスに入った感じがしました」とおっしゃっていました。きっと、新人ボックスに入ったのでしょう。

 これからは、なりたい自分を作っていくこと。自分の中の新人を育てていくこと。やがて、ネガティブな気持ちも理解し、ポジティブも理解し、ニュートラルが何かがわかるようになるのだと思います。

 ポジティブな見方を取り入れていこうという気持ちになったクライアントさんが、来週仕事で東京に来られるそうなので、ポートレート撮影をすることになりました。そんな行動力は初めてのようで、すでに抵抗がなくなったのを感じたようです。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分を育てていますか?