相手の態度で自分のベストが尽くせないのは、もったいない。

 「不安から集中力が散漫になってしまうのをどうにかする」というテーマでした。具体的に言うと、1つ1つを終わらせればと思うけれど、不安から色々な業務に手を出してしまい、未完結にしてしまうそうです。上司からの「どうせまたミスするんだろうけど」「ごまかさずに訂正しろ」という言葉を冷静に受け止めて業務をすれば良いものの、気にしてしまうのだそうです。
 そんな状況から抜けるためには、今の仕事での自分の役割を見出して、強みを活かすことができる部分を見つけていかなくてはいけないのかな? とご自身で考えてみたようです。

 普段からの上司のストロークが、結構厳しそうです。そういったことが度重なると、「何か言われるんじゃないか?」と不安になり、委縮して持っている力をうまく出しきれないというのは、誰しも経験があるのではないでしょうか。

 一方、威圧的に感じない相手だと、大丈夫だろうと安心して自分を出すこともできるのです。相手の態度で自分のベストが尽くせないのは、もったいないですね。

 上司が、クライアントさんの状態を把握して、仕事の振り方について考えてくれるといいのですが、それはここでは出来ないので、どうしたらクライアントさんが自分のコンディションの良い状態を作れるか? 考えていきました。

 クライアントさんは、上司のことは知識もあって、学べるところもいっぱいあると肯定的に捉えている部分もあるようです。しかし、毎度評価をされて、ネガティブフィードバックを受けていたら、「自分は出来ていない」と思うことが重なってゆくでしょう。

 つまり、上司が「評価」する言葉を使ったとしても、自分自身では自分のことをありのままに受け容れることを心がけることです。

 出来ていないと感じる自分をそのまま受け容れるということです。
「今は出来ないのが当たり前。出来ないからやっているんだ。そのうち出来るようになるだろうし。
ま、しょうがないな、出来ないんだもん」

そう自分に言い聞かせて、自分を育てるのです。

 自分を責めることがなくなると、足を引っ張るものがなくなるので、成長に向かって取り組む時間が長くなり、気づけば自然と成長することができるのです。

 自分を育てるには、自分の現状をそのまま受け入れることが必要です。自分の現状を受け入れられないと、自分を卑下する言葉が増えて、自分を責めることで、続けたくもなくなってしまい、ネガティブな気持ちが持続することで、成長の妨げになるでしょう。

 また、クライアントさんの気持ちが不安になる理由として、上司のストロークがキツイところもありそうです。相手が発する言葉というのは、相手の感性から出てくるものであり、相手が自分自身にも投げかけている言葉を使うことが多いので、上司自身も実は自分に厳しく、辛いかもしいれません。ただ、男性は女性よりは感情が動きにくそうなので、大丈夫なのかもしれませんが。

 「上司は、『絶対』という言葉を良く使うのではないですか?」とクライアントさんにお聞きすると、「そうです。絶対とか、常識という言葉を良く使いますね」とおっしゃいました。

 世の中に絶対なことは、少ないのではないでしょうか?事実でないことをあたかも事実のように表現しがちな上司。上司だからと言って遠慮する必要はありません、相手の弱みを握ってしまいましょう。(笑)アドバンテージが持てると心にゆとりが出てきます。

 上司の弱みを握ったところで、こんな提案をしました。

「上司が『常識、絶対』という言葉をいくつ使うのか?『正』の字でカウントしてみたら? そして、『絶対って今日は10回おっしゃいましたね』と事実をフィードバックするのです。正の字を書きたくて、いつ絶対って言うかな? って楽しみになっちゃいそうですね」と。クライアントさんは、笑っていました。


 「弱みを握ること」
 私が店長だったころ、メンターになる金井さんと出会う前日に、たまたまアパレルの社長が渋谷店に来て、お茶をすることになり、こんなことを教わりました。

「明日、すごい人たちと会うのです」
「なんで、堀口さんに会いたいと思ったと思う?」
「ん?・・・・・」
「その人たちに2回目も会える方法を教えてあげるよ」
「なんですか?」
「まず、自分のことをたくさん喋ること。そして、相手の弱みを知ることだよ」

 相手の弱みを知る??? 私の中では、相手はすごい人ですので、そんなことを考えたこともありませんでした。でもそう考えてみると、心に余裕が出てきました。いっきにニュートラルになったようです。

 そして、社長の作戦を実行。自己開示をし、自分の強みを語ったら、たまたまメンターの弱みに合致してしまいました。人気ブログランキングファッション1位だったので、「書くことが得意なんだね」とメンターに言われ、メンターは書くことが苦手と言っていました。
 「すごい人」と思っていましたが、相手も私の「すごい人」の部分を引き出してくれたのです。社長の助言の通り、そこがスタートとなった気がしています。
 また、そこで私が知ったことは、経営者というものは、歳に関係なく、補い合える相手を常に探しているということです。


 自分のことを責めているとき、相手のことを肯定しようという気持ちが働いて、無理が出てしまうのです。「相手も弱みがある」くらいに捉え、突っ込んであげましょう。(笑)ニュートラルになり、冷静さが働くと思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

相手のことを持ちあげすぎていませんか?