やりたいことが、はっきりわかっていないとき。

 3月に90日コーチングのお申し込みを頂きオリエンもしたのですが、6月になってようやく1回目のセッションの予約メールを頂きました。(笑)なかなか腑に落ちないと行動しないとおっしゃっていました。

 クライアントさんは、オリエン後に回答していただく考察のための質問集を書きながら、「やりたいことがはっきりわかっていない」ことに気づいたそうです。

 先週、半期の振り返り面談があったときに、会社で仕事の目標がぼんやりしていることに気づき、振り返りに関しては、「できることをきちんとやっている」とのフィードバックがあったそうです。しかし、「成長」となると、ここ最近はしていないことも気づいたようでした。

 ストレングスファインダーの結果1位に「公平性」があったので、自己分析はどうかお聞きしたところ、「はっきり白黒つけない。グレーでもいいと思う。自分はジャッジしないように気をつけている。だけど、わりとズバッとのイメージがあるようなんですよね。なにも言えていないのに、意外だと思ったんです。言えるときと言えないときと極端なのかもしれない」とお答えになりました。

 それから、やろうと思っていてやっていないことリストに「運動」とありました。体力をつけるためにも運動は必要と感じているようでした。しかし、パートナーにもジョギングに誘われるけど、ひとりで行ってくればと返答してしまうそうです。

 「運動はいいものだと思っているから勧めているんでしょうね」と私が言うと、「そうですよね。だけど、出来ない理由を探す自分がいるのかもしれないですね。ジムへ行くのも、お金ないなーとか、慣れている人の中でできないな~とか、諦めていることが多いかもしれません。保留のことがおおいです」とおっしゃいました。

 今回のセッションでは、「仕事での目標を明確にしたい」ということでした。会社でのセミナーが近々あるようで、「会社に自分がどう貢献するか?3つあげる」課題が出たそうです。しかし、考えてみても何を成長にしたらいいのか? わからないそうです。目標がある人がうらやましいと思うほど、自分でも目標を持ちたいけれどわからない状態です。

 私は、「目標を考える」という前に、やはり「体を動かすことからでしょうかね」と、再び運動の話を振ってみました。体を動かすことで頭が働くと訊いたこともありますし、実際週3、4回ジムに行っている自分の経験からもそう思います。しかし、クライアントさんは、「ん・・・」です。ここまでの20分位のやり取りを通して、クライアントさんの癖かなと思うことが見つかったので、こんな話を振ってみました。

「映画『イエスマン』を知っていますか?」

「知らないですね」

「NOばっかり言う人が、ある日知人からセミナーに誘われるんです。そのセミナーで『YES』と言いなさいということを教えられ、それから、何があってもYESと言うようになったら、人生が変わっていくんです。後半の方に、あまりやりたくないこともYESと言ってしまうシーンがありましたけど、結局は、YESと言い続けていたら、本当にYESと言いたいこともわかったという話なんですよ。もしかして、その映画のようにNOと言いすぎて、自分のやりたいことが分からないのでは?」

「そうかも。そりゃ。わからないですね!そんなにNOと言っていたら!」
クライアントさんは、自分を客観視できてしまったようで、笑ってお答えになりました。(笑)


 さて、会社でセミナーがあるので、再び「仕事の目標3つについて」に戻りました。
 グループセッションで、会社の同僚の「褒める、気づき(改善点)のポイント」を言わなくてはいけないけれど、褒めるところはわかっても、気づきは、「とくになし」と今のところ書いているそうです。あまり会わない人も含まれているようですから、仕方ないなと私も思いながら聴いていましたが、私はこんな意見を言いました。


「あまり会っていないのならば、気づきのポイントに『そのファッションは、ちょっと…』とか、仕事以外のネタで笑いをとったら?」

「でも笑わせるのは苦手なんです」

「苦手ならば、『皆を笑わせることに貢献します!』とさっそく目標1つが決まりましたね!『苦手だしな・・・』って、自分にNOマンになっているじゃないですか!」

「ほんとですね・・・!」

 そして、話しているうちに「話すのが苦手」も出てきたので、「話すのが上手くなります!」が2つ目の目標になりました。

 3つ目の目標は総じて、「人の提案に対して、すぐにNOと言うところがある」ということから、「人が提案してくれたこと、褒めてくれたことの『好意』をまずは受け容れること」になりました。

 そういえば、最初にクライアントさんが「わりとズバッとのイメージがあるようなんですよね。なにも言えていないのに、意外だと思ったんです」とおっしゃっていましたが…。
 人の好意を受け入れず、真っ先に「NO」と言うということは、気が強いと言われる理由なのかもしれません。会話はキャッチボールと言います。この状況を表わすならば、ボールをキャッチするのではなく、相手の届かないところに打ち返してしまっている状態です。
 また、すぐに「NO」と言うことは、「ジャッジしたくないと自分で言っておきながら、ジャッジしていた!」ということにもここで気づき、クライアントさんは「恥ずかしい…」と言いながらも「目標ができて可能性があるってことがわかって、嬉しい!」とお答えになりました。明るい方でホッとしました。(笑)

 考察のための質問集に、「未来のなりたい姿を形容詞で書く」というのがあるのですが、「しなやかになる」と書かれていました。人が言ってくれたことを「なるほどね」とか「ありがとう」と好意を受け容れることで、しなやかになれそうですね。

 「腑に落ちないと行動できない」とおっしゃっていましたが、今回のセッションで「客観視」できたことは、腑に落ちる経験となったようでした。客観視できれば、解決へつながります。まずは、何も考えずに「YES!」と言ってみることから、始まることになりました。

 「どう変わりたいかわからない」とおっしゃっていた他のクライアントさんも、YESマンになることで、42.195キロ完走した方もいらっしゃったので、これからの変化が楽しみです!




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