感性がある、感性がないの違いはなにか?

 「人を育てようと何度もしてきましたけど、感性の部分は教えることが難しいですよね」と、私のカイロプラクティクをしてくれている、24年のベテラン先生が言っていました。

 前回、私のメンターの金井さんとスケジュールが合わなかったので、金井さんお薦めのスタイリストさんにカットをしていただきました。すごく丁寧に、髪をすいてくださったことで、いつもと少し違うボリューム感が新鮮で、自分に似合っていたと思います。また、デザイン上、髪を乾かすのも凄く早くなって驚きました。ロンドン留学中だったので、とても助かりました。同じ人間をカットするのにも、違いがあることに、それは感性の違いなのかなと思いました。

 私のコーチングも、技術から、感性へと年数を重ねるごとに、変化しているのを感じます。技術的なところを教えてくれる団体は、いくつもありますが、「感性を磨く」というところに焦点を当てているところは、あまりなさそうです。私が学んだ大御所のところもありませんでした。
 しかし、教えてくれないわりに、もっとも重要なのは感性だと思います。それで昨年、傾聴DVDを作りました。基礎的なことを前半で話し、後半は、「私が傾聴の感性を磨くために、どのようなことをしてきたか?」体験談をシェアしています。
 感性を磨くプロセスというのは、向き合っては考え、向き合っては考え…の繰り返しだと感じています。

 そんなふうに、なんとなく便利な言葉として「感性」という言葉が使われていますが、感性がある、感性がない、の違いは一体なんなのでしょうか?

 昨日「感性」と検索をしていて、『子供へのまなざし』の著書、佐々木正美先生のHPにあたりました。★こちら

「豊かな感性を育てるにはどうしたらいいのでしょうか?」という質問に佐々木先生が答えているものでした。

 最後に、「自主性のない人に豊かな感性はあり得ない。人からものを学べない人に、まねることができない人に、創造性はあり得ないですね」という一文が書いてあり、「自主性」、「感性」、「創造性」という言葉が、同じ一文に存在していることに、私の中で腑に落ちた感じがありました。

 感性とは、自分から想像して見ようとすることであり、決して受け身では気づくことができません。そしてそれが、創造性へもつながっていくということだと思います。


 アパレル店長時代、セールスアップで悩んでいた私に、「感性を磨きなさい」と助言をくれた社長の言葉は、今でも私の人生を変えた言葉です。

 「店長の仕事の仕方がわからないから、私はできてないのです」と訴えた私に、社長は「感性を磨きなさい」と言ってきました。言いわけのような言葉を発した私は、どこかで他人事のような、でも自分ごとにして、セールスアップに取り組んで行きたいと思っている心の現れのような気がします。そこを、「自分ごと」に軸を合わせてくれたのが、「感性を磨きなさい」でした。

 自分ごとに置き換えると、物事への取り組みが全く変わっていきました。
「自分で観察して(相手、お客様の)ニーズを汲み取り、アイデアを考えて、自分なりに創造していく」というプロセスを絶え間なく続けているのです。それが、お客様に喜んでいただくことにつながり、結果的に集客アップ、セールスアップへとつながったのだと思います。


 昨日、クライアントさんから、ある告知文に関して、アドバイスをしてほしいとメールを貰いました。一度セッションで、どのようなことを伝えたいか? テーマを絞れたこともあり、書きやすくなったとおっしゃっていました。

 さらに改善するために、何が必要なのだろう? と、じっと文章を読んでいたら、気づいたことが色々とありました。

 例えば、案内文のなかに、カラフルな布の写真があったのですが、クライアントさんの説明では、「かわいいし、おもしろい」で終わっていたところがもったいないところでした。

 私は、その布の柄から想像したことを書きました。

 「ご覧の通り、とても色彩豊かな布です。自然界の色や動物などからインスピレーションを得たのでしょうか?鳥の目のようであったり、お花であったり、太陽の色であったり、様々な模様が見られるところも独特です。日本人にはない感性がとても刺激的です」

 昔の私だったら、そう汲み取って書くことはできなかったと思います。しかし、感性を磨いていくことで、1つの情報から、膨らませていくことができるようになりました。情報に想像が付加されることで、文章に深みが出て、イメージも伝わるようになったと思います。

 きっと、もっとほかの想像力で表現する人もいるのでしょう。正解不正解が存在しない、真実の世界。終わりのない感性の旅です。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

感性を磨くためにどんなことをしていますか?