「自分の考えを押し付けずに相手に考えてもらうには?」 家族編。

 昨日のブログを読んだクライアントさんからメールを頂きました。
お父様とお兄さんの関係が昔からあまりよくないようです。
そんな二人に何か伝えてあげたいのだけど、どう伝えていいか悩んでいるようでした。

 クライアントさんは、コーチングを通して、家族と自分のことを考える時間を持つことになって、いろいろと見えてきたことがあったので、ここで、お父様とお兄さんとの関係について、自分が間に入ってよりよくなったらいいと思っているようでした。

 私も、コーチングを通して、クライアントさんの家族の相談を色々と受けるようになってから、自分の家族のことで、見えていなかった部分が見えだしてきたので、母の心労について、話を聞いてあげるようになったことがありました。

 たまに電話で母の悩みごとを聞いていたのですが、いつも力になりたいとは思っていながら、なかなか親の心を和らげることは、難しいと感じていました。最初の方は、アドバイスみたいなことをしていたと思います。だけど、発言していてなぜかしっくりきていませんでした。アドバイスとなると、相手にこういう風に接した方がいいのではないかという、相手をコントロールする方法論になってしまい、あまり根本的な解決策のような感じがしなかったのです。本当に色々考えました。まだコーチ歴2年の私には、なかなか見えてこないものがありました。何をどう伝えるか?ずっと考え続けました。

 4年前のある日、2泊3日で母娘北海道旅行をしました。
なんか、心を癒すには、旅行へ行ったらいいのではないか?と、急に思ったので。

 旅行中、いろいろと耳を傾けました。結局、私がしたことは、アドバイスではなかったのです。話しを聞いて、聞こえてきた事実をフィードバックしました。2泊3日の最終日。搭乗前にようやくです。

 「相手によくなってほしいと思っているのなら、きつい言葉をわざわざ相手にかけることをしなくてもいいんじゃない?厳しくしなくちゃいけないと思っているから、余計につらくなっている気がする。良くなってほしいと願っているのならば、温かい言葉をかけて、見守る姿勢を持つことでいいと思う。結局は相手の人生だから、自分で考えて行動してもらうことが大事だと思う。それには、口出しせずに、こちらが見守ることが必要だと思う」と、私なりに話を聞いて、感じた部分を伝えました。すると、母は、本当は温かく見守りたかったと、気づいたのです。肩の荷がどっと下りたようでした。

 よくなることを願っているのに、もう、悪いことを起こさせないようにと、しつけの意味で、厳しく接してしまう。家族の中では、よくありがちなことのようにも思いました。しかし、戒めの言葉を投げかけている方が、疲弊していくのだと感じました。


クライアントさんへは、こうメールしました。
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なかなか難しい問題ですね。
あまりコントロールされることはみんな好きでないでしょうから、
○○さん自身が、コーチをつけて、自分のことを色々と今深めていて、
気づいたことがあると、ただお話してみてはどうでしょうか?

お父さんへの感謝とか、お兄ちゃんへの感謝とか。
実は、もっとこうして欲しかったと思っていたとか。
自分がその二人へ思っていることをまずは書いてみて、
それから、感謝していることや、相手をありのままに見て気づいたことなどを
伝えてみてはどうでしょうか?自分からできることはそれくらいだと思います。
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 過去にどんなことがあっても、今をありのままに見て、そのままを伝えること。
そして、今、どう思っているか?という事実。特に、家族だとコントロールされたと感じると、他人よりも、すごく反発したくなりますからね。難しいけれど、やはり事実をすっと伝えることしかできないような気がします。相手の中に答えがあると信じて。

 伝えるだけで、そのあとの結果がどうなるかは、執着しない。結局、コントロールしないってこういうことかな、と思っています。 そして、いい方向になることを願う。

 そんな風に願っていると、随分前にセッションをした方から、感謝のメールを頂きます。
たった今も、「感謝です」というタイトルでメールが届きました。
「願う、信じる、見守る」という3つの力は、見えないけどすごく偉大です。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

「コントロール」についてどう考えていますか?