教える、育てる仕事なのに接待になっていないか?

 以前90日コーチングを受けて、自分のやりたい仕事につけて、それから仕事に慣れてきたということで、「営業力アップ」のために、再び90日コーチングを申し込んできたクライアントさん。自分のやりたい仕事なのですが、生徒さんに教える仕事と、次のクラスを勧誘する営業の仕事とやることがあるのです。

 お話しを聞いていると、「営業」の部分をしっかりと意識している会社で、朝礼の時に、営業目標と具体的行動計画を発表する場もあるそうです。意識したり先輩からのアドバイスなど、いろいろと気づく部分もあるのに、苦戦しているようでした。

 つまり、「ノウハウ」は分かっているけど、スムーズにできないという状態です。何がそんなに引っ掛かっているのか?考えて行きました。

 販売の仕事もしたことがある人ですが、そのときも、単品売りや一見さんに売ることはできても、顧客を作るのが苦手だったようでした。自分も一人で決めたいところもあって、勧誘されるのに苦手意識もあるようです。一歩踏み出せないようで。

 先輩からもアドバイスを色々頂いていて、「提案力」のなさには気づかれたようです。私は、「提案力」について、私の先生たちを思い出しました。ボイストレーナーにパーソナルトレーナーです。

 「生徒をどこまで伸ばしたいかって、考えたことありますか?」と、クライアントさんに聞いてみると、「ああ、ないですね」とお答えになりました。そこが、提案力の一歩目だと思うのです。

 私のボイストレーナーは、私に「ひとみさん、洋楽ってどう?」と半年前に提案をしてくれました。全く、洋楽は歌ったことがなくて、最初恐る恐るでしたが、洋楽を習うことで、流れに逆らわないで、自然に息で歌う、ということを知ることができて、しばらく歌っていなかった、日本語の歌を歌うときも、自然と息が長く続くようになっていたのです。成長を感じることができました。

 私のパーソナルトレーナーは、私も初めて接したときから、コミュニケーションがとても自然な方だったので、生徒さんをちゃんと持っていそうだなと感じました。実際そのようでした。売れっ子タイプはすぐにわかります。(笑)

 彼いわく、ほかのTRを見ていると、トレーニングが、「接待」になっていると言っていました。結果を出させる仕事なのに。やはり、生徒がつく先生というのは、視点が違います。プロ意識も違うでしょう。

 売れる人とそうでない人の違いは、あると思います。それは、テクニックというよりも、その人の意識の差ではないかと思うのです。私の接客は、最初のころ、単品売りばかりになっていましたが、人数を稼ぐことで、売り上げは取れていました。接客をするからには、しっかりと最後まで接客をぬかりなくすることがまず大事だと思っていました。丁寧さや一生懸命さで、ファン客みたいな顧客様はついていきました。

 それから慣れてきた頃には、「お客様のスタイリスト」だと思っていました。お客様をおしゃれに育てることも私の仕事です。店長ブログも「お客様をおしゃれに育てる」を意識して書いていました。1回の接客だけで、お客様に印象がつくようになり、客単価も上がって、顧客様もますます増えました。

 そんな話をしていたら、クライアントさんが、「私の先生のイメージは…」とこちらが質問をしていないのに、話し始めました。(笑) (お、自分で問いかける力が付いている!とふと思いました)「知らないことを教えてくれる、お手本になる、相談に乗ってくれる、信頼できる、一緒に共感できる」と答えました。

私が思うに、プロの先生はもうひと声追加です。
「結果を出させる、能力を引き出す、伸ばす、成長促進」です。

 そのほか、私のTRたちは、お客様に普通に接しているという共通点がありました。先ほどの「接待トレーニング」ではないということです。そのリラックスさが、相手を引き出す力になっていると思います。趣味のものでしたら、リラックスさが、楽しさへつながり、どんどんやってみたい!と思う原動力になると思います。

 クライアントさんは、まさに今「接待」の領域になっていて、友達は、リラックスして接することはできても、お客様となると「お客様だからときちんとしなくちゃ」というスイッチがなぜか入ると。
 これは、なぜ、そうなったか?と深掘りしていかなくても、「普通に接して、言葉遣いだけはきちんとしていれば大丈夫」という考え方を持ってみてはどうか?と考え方を提案したら、「そっか、そっか、それでいいのか!」と、上書きされたようでした。こちらが教える側とか引き出す側となると、先生が年下だろうが、年齢も関係なくなりますね。

 「営業して、クラスに入ってもらわなくちゃ」から、「生徒さんたちの能力を引き出だしたり、成長にかかわろう」という指導者意識に視点が変わると、アウトプットが変わるでしょう。しかも、その意識は、無理のない自然な方向です。生徒から見たら、やはり引き出して欲しいし、上達したいし、特別なことを教えて欲しいと思うわけですから。
 「自分の仕事の定義」について、自分の思っていることを考えてみると、色々と見えてくるものがあると感じたセッションでした。そして、できている人とどこが違うのか?考えていくことで、自分が持つべき考え方を自分でも見つけることができるかもしれないですね。

 そのために、観察するときに、「上手く行っている人はこうしている」をリストアップするだけでなく、何故自分ができないのか、できなくしている自分の思い込みは何かあるのか?を考えてみることで、自分で自分の行動のブロックを外せるかもしれませんね。考える力がつくと、乗り越える力もパワーアップですね。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

どんなプロ意識を持って仕事をしていますか?