コミコレミーティングレポート:「見えないことを伝える力」について。

 昨日は、コミコレミーティングを行いました。1回目はスカイプで行って、大方のあらすじは決めていたのですが、今回のミーティングを進めていくうちに、1回目の話が全部違うものになって行きました。(笑)いつものことですが。

今回のテーマは「言葉」です。
「言葉かぁ」と思って毎日を過ごしていると、言葉にまつわる題材が色々と集まってきます。

 先日、1年以上クライアントの人のセッションで気づいたことがありました。
1年前から、職場の上司の威圧的な態度、発言に対して相当、困っていらっしゃったのですが、どうにかその人も上司のいいところを見付けたりして、ありのままを見る努力をして、まずまずやっています、というレベルにはなれました。しかし、常に怒りの気持ちがたくさんあるご様子で、私に上司とのことをよくメールで知らせてきました。怒りがたまっているならば、吐き出した方がいいから、私もメールを普通に受け取っていました。

 しかし、先日気づいたことがありました。その人は上司のありのままを見ようと努力してきましたが、上司は、きっと「言葉にしないとわからない」というタイプで、その人は、「あの人はこう思っているのではないか?」と言葉以外の想像力を働かせようとするタイプで、そもそもタイプが違うとようやく気付きました。コミュニケーションの溝は、言葉にするか、しないかの考え方の違いにありました。

 言葉にしないとわからないタイプだと、現実に起こっていることをありのままに見るよりも、相手の言動に対して、ああだこうだ言ったり、相手の背景を想像するよりも、自分の思っていることの方を優先させて言葉でズバっと言ってしまうのでしょう。自分の感じていることを言葉にして吐き出すことばかりで、相手を察しようとしないところがあるのかもしれないと思いました。

 なので、クライアントさんには、「上司は、言葉で言わないとわからないタイプだから、『事実』に関しては、反論をしてもいいと思う」と言いました。
そうしたら、言う勇気が出たようで、言うタイミングが来たときに、言ったそうなのです。そこで、クライアントさんが気づいたのは、「自分が怒っている」と言うことでした。
自分が我慢していたことにようやく気付いたのです。今もセッションは現在進行形なので、その先どうなるかわかりませんが、「怒っていた」ことに気付いたことは、クライアントさんにとっていい方へ心が変化して行く前触れだと思います。


 言葉に頼りすぎると、見えないことを想像できず自分本位のセリフばかりになるし、言葉にしなさすぎると、伝わらなかったり、自分の中で閉じ込めて、自分の感情が見えなかったりするのでしょう。


 たまに、勘がいい人がいて、「あれ?なんかあったでしょ」と言葉にもしていないのに気づく人がいます。上地くんのブログを読んでいたら、上地くんはそう言うタイプだそうで、第六感が働いているのでしょうか。

 また、見たままの事実をそのまま伝え、気遣いもできる人もいます。私の姪っ子のゆめかちゃんが、私の指を見て「ひとみちゃん、絆創膏どうしたの?」と聞いてきたことがありました。他の家族はだれも絆創膏のことは言ってこなかったので、優しいなぁと思いました。2歳は、第六感が働くのでしょうか。ちょっとした変化を見付けては、すっと伝えてきます。余計な推測とかネガティブな思いとか、こう言ったら怒られるかな?とか、そういうのがまだ何もないですからね。子供は、大切なことに気づかせてくれますね。

 ただ、事実を伝える場合もあります。「髪切りました?」。ロングの人が、5センチ切った場合でも気づく人とそうでない人がいるかと思います。

 考えてみると、相手を気遣う言葉とか、相手から感じたことを言葉ですっと伝えられる人は、コミュニケーション力に長けており、人からも人望がある気がします。

 言葉を発しなくてもわかるだろう、と言うこともあるかもしれませんが、やはり「言葉で伝える」ことで、コミュニケーションが良くなったり、相手を喜ばせることができたりするのだと思います。

この話をまとめると、自然と段階が作れました。
①目に見えている事実を伝えられる。
②事実と見えていないこと(プロセスの推測)を伝えられる。
③第六感で感じたことを伝える。

コミコレで上地くんレベルまで行けたらすごいのですが(笑)②までは行かれます。
すると、③に近付けるかと思います。


 相手にどんな言葉を伝えるか、「口が滑らかになる」ワークを色々と考えています。相手に対して気づく力がアップしたり、言葉で伝えることの楽しさを体感したり、逆に「待つ」ことによって何が起きるか?という静のコミュニケーションについても考えていきます。


当初考えていたよりも、だいぶ深まって行きました。
楽しい冬コミにしたいと思っています。
ご興味ある方のご参加をお待ちしております。


■堀口ひとみ×播磨弘晃『冬コミコレクション』
テーマ「言葉」
1月14日(土)11:00~18:00@銀座にて

※今回から定員10名になりました。只今残席5名です。

コミコレを企画している私たちは、教えないを極めたいと考えています。
「教える」の反対は、「自分で考える」ことかと思います。
そうなると、セミナーの形としては、公開ディスカッションのようなもの。
公開コーチングでもありません。

コミコレとは、ただ、考える場所。
考えて出た答えに正解も不正解もありません。
ただ、そうなんだ、というだけです。
だけど、考えない時より、考え抜いた方がすっきりします。
考えることができる自分であることが、自信になるのだと思います。