「そういう気持ちも理解できる」という共感性の高め方。

 何か目標があるというわけではなく、その都度向き合ってみたいことをテーマにして、継続して月1セッションをしている方がいらっしゃいます。私とのセッションの時間は、自分の気持ちだったり、感情だったりに耳を傾ける時間です。要するに、「気持ちを聴く時間」ということでしょう。

 こういう時間、とても大事だと思います。
 私は、自分のコーチには、「ひとみずむをどうやって作る?」とか、「セミナーで何を伝えたい?」など、「どうやってする?」というアイデアを具体的にする時間として使うことが多いです。「戦略性」が私のコーチの強みなので、いつも面白いアイデアが発掘されてしまうのです。非常に助かっています。

 そして別件として、自分みたいな「気持ち」を聴くコーチを、もう一人つけたいかもしれません。(笑)
 実際のところ、知人のセラピストやカウンセラーにたまにお話を聞いてもらっています。

 以前の私は「どうやってする?」のコーチングの方は得意で、「気持ちを聴く」コーチングは、自分の共感しやすいことはできても、そうでない場合は、難しいと感じることがあったのだと、今ならわかります。共感性、とても大事です。

 このクライアントさんの場合は、この1年間、喜怒哀楽の中の「怒り、哀しみの気持ち」について、取り扱ってきました。通常どう考えても、明るい方です。(笑)しかし、何をテーマにしようかと素直に考えてみると、いつも自然とそちらの方になってしまうのだとか。
 それならそれで、ただ話してみたり、考えてみたりしてきました。
この「ただ考えてみる」っていいです。話すのが怖いと思っていたことも、するすると出てきます。だから、本当の気持ちに気付きやすくなるのです。癒しにもつながります。

 クライアントさんが、最近、たまたま以前の部署に戻るような異動を命ぜられたところで、昔の自分と今の自分の違いを色々と感じたようでした。
 特に、以前は愚痴を言うような人は苦手だったそうなのですが、今は「そういう気持ちも理解できる」となっていた自分を感じたそうです。

 昔の場所に戻ったということで、昔の感情がこんにちはしてくることもあったそうなのですが、以前なら向き合うのを避けていたことも、今は「味わってみよう」思え、それも自分だなぁと、気楽に構えることができるようになったようでした。

 先日、久しぶりに母親がとても感情的な口調で、私に言ってきたことがあったのですが、10年前の私ならば、電話を「ブチッ」と切ってしまうくらい親と向き合うことを恐れていたのに、今は冷静に聴いている自分を客観視しました。相手のことも自分のことも責めていない状態だったのです。相手の本当に言いたいことは何だろう? と考えているだけでした。
 数時間後、母親が大切に思っていることを発見して、私もそうなりたいと思えることが見つかりました。そして、母の日の手紙にその発見を書きました。

 そんな話をしたら、クライアントさんもお母様とのやり取りを思い出したようです。
よくお母様の言葉に、怒ったり、腹を立ててしまうことがあったそうで、その時にお母様は、「ああ、ごめんなさいね、怒らせちゃったわね・・・」と気持ちケアするような言葉をいつもかけてくれていたそうなのです。
 身近なところに気持ちをケアできる、お母様ありということに、初めて気づけて、「おお!母、上級者だった!(笑)」とクライアントさんが笑っていました。
 自分がニュートラルでいることで、これからますます楽しい発見をされるのでしょうね。

 クライアントさんのお話を聞いていて、私も全く同じで、自分の「怒・哀」の感情を味わえるようになったことで、相手の気持ちに共感し、理解する聴き方になってきたのだと、自分のこととも照らし合わせました。

 また、相手の喜び共感力もパワーアップしているように感じます。そうなると、嬉しいことがいっぱいのおめでたい人になっていきそうですね。(笑)



 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の気持ちに耳を傾けていますか?