自分の気持ちのアウトプット不足が、「受け取りすぎて疲れる」原因なのかもしれない。

 他人の話を聴いてあげることはできるけれども、辛い話をされると、自分自身がどっと疲れてしまうことが悩みとのことでした。
それは、家族でも、会社でも同じように起こることで、どうも「受け取りすぎる」傾向があるのではないかとご自身は思われているようです。

 「受け取りすぎて疲れる・・・」とクライアントさんの話を聴きながら、昨日の実家での出来事を思い出しました。

 私の父が、3歳の孫のゆめかちゃんに、ミッキーマウスとミニーマウスが描かれている扇子を孫が喜ぶと思ってあげました。すると、ゆめかちゃんは、すこし困った顔をしながら、「プリキュアの扇子もっているんだけどな・・・」と小さな声でぶつぶつ言いながら、受け取りました。
 
 私は、一応受け取ったか・・・だけど、困っているようだな・・・と、ゆめかちゃんのことを観察していました。そして、ゆめかちゃんが、ママに報告したのか、15分位経ったら戻ってきて、「おじいちゃん、プリキュアのもっているから返すね」と、私の父に言って、扇子を返しました。父は、ただ受け取りました。

 それを見ていた母と妹が、「あーあー、ゆめかちゃんに余計な心労をかけさせちゃだめよ」と言い、父が怒られていました。(笑)

 私は、その光景を見て、ゆめかちゃんが、最初はぶつぶつ言っていたけれど、後から「持っているからいらないよ」とちゃんと意思表示できてよかったなぁと思いました。

 この場合、幾つかのリアクションが考えられます。反射的に、「いらないよ(怒)」とすぐに返すか、「ありがとう」と受け取りながら、本当はいらないのに・・・と、ため込んでいくか、どちらかのパターンがありそうに思いました。

 ゆめかちゃんのパターンは、くれたことには、ありがとうと思って受け取り、でも、要らないと自分が思うのならば、返すという、ニュートラルな感じを受けたのです。
3歳児ならではの、ニュートラルなのでしょうか。

 そんな光景を昨日見たタイミングだったので、クライアントさんに話したのですが、どうやら、「受け取りすぎ」というのは、自分の気持ちは脇に置いて、相手のことを受け止めるだけになっているというのが、見えてきました。

 相手が「辛い」と話したら、「辛いんですね」と返す。そうすることもなく、クライアントさんは、ただ聴き続けることが多いそうです。ぐっと我慢して飲み込むように。

 「相手の気持ち」があるし、「自分の気持ちもある」のです。
自分の気持ちのアウトプット不足が、「受け取りすぎ」と感じる原因になっていそうですね。

 他人の辛い話を聴いて、しんどく感じるのは、自分の辛い気持ちを出さないで閉じ込めているからなのでしょう。

 自分の気持ちを出してもいいと思えるようになれたら、きっと話を聴くのも楽になっていくでしょう。やがて、他人のネガティブな気持ちの話を聴いても、「辛いですね」と自然と返せるようにもなると思うのです。

 私は、仕事柄、辛い話とか、愚痴になってしまう話とかも聴いています。相手に「それは大変です」、「辛いですね」、「怒っているんですね」、「そういう気持ち、わかる気がします」と返すことで、出し入れになっているのだと思います。そういう返し方を知らなかった時は、しんどいなぁと感じたこともありました。

 自然にできるようになった理由としては、普段から、自分の気持ちにも耳を傾けて、感情を出してみることを意識し出してからです。そして、他人の話を聴くときは、他人の吐き出したい気持ちを感じたら、たとえば「怒っているんですね」と返す。

 そういうふうに、出し入れをしていくことで、受け取りすぎは、きっと解消されていくのではないかと思います。

 「ありがとう、だけど、今たくさん持っているから大丈夫」。
この言葉には、相手への配慮と自分の気持ちが現れていると思います。相手ばかりでも我慢になってしまうし、自分だけでも我儘のようになってしまう。

 いつも、両方あると意識してみることで、自分も相手も見えてくるのではないかと思います。相手も尊重し自分も大切にできるのではないでしょうか。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分を大切にしていますか?